文献情報
文献番号
202011001A
報告書区分
総括
研究課題名
指定難病の普及・啓発に向けた統合研究
課題番号
H30-難治等(難)-指定-003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
和田 隆志(国立大学法人 金沢大学 事務局)
研究分担者(所属機関)
- 千葉 勉(京都大学 医学研究科)
- 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
- 横手 幸太郎(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
- 古澤 嘉彦(武田薬品工業 ジャパンメディカルオフィス)
- 福井 亮(東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科)
- 井田 博幸(東京慈恵会医科大学小児科学講座)
- 楠 進(近畿大学 医学部(神経内科))
- 宮坂 信之(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学)
- 秋丸 裕司(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター)
- 大竹 明(埼玉医科大学 医学部)
- 越坂 理也(千葉大学医学部附属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科)
- 盛一 享徳(国立成育医療研究センター 研究所 小児慢性特定疾病情報室)
- 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 医学部)
- 大木 隆生(東京慈恵会医科大学 血管外科学講座)
- 佐々木 秀直(北海道大学 大学院医学研究院)
- 佐藤 晃一(金沢大学 金沢大学附属病院腎臓内科)
- 原 章規(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
難病法に基づき、指定難病患者への医療費助成や調査及び研究の推進等が実施されている。現在指定難病制度に係る普及・啓発、指定難病の選定の公平性及び疾患群間の診断基準や重症度分類の整合性や公平性の担保、難病患者のデータベース(以下、DBという)の研究への利活用等が重要な課題として指摘されている。
これを受け、本研究班では①最適な普及・啓発の推進および効率的・効果的な方法の開発②公平性を担保した施策の継続③効果的なDBの研究応用のための方策を討議することを目的とした。
これを受け、本研究班では①最適な普及・啓発の推進および効率的・効果的な方法の開発②公平性を担保した施策の継続③効果的なDBの研究応用のための方策を討議することを目的とした。
研究方法
(普及・啓発分科会)
1)医師のみならず、患者と医療事務等の医療従事者を含めた3者を同時に普及・啓発の対象とする電子カルテおよび医事会計システム(以下、医療システムという)の試験的な改良を進めた。
2)本システム改良による申請率の変化や指定難病制度の普及状況等の効果を評価するためのアンケート調査を実施した。
(均霑化分科会)
1)現在の指定難病の疾患群について再検討を行い、疾患群を整理した。
2)各指定難病を各疾患群に分類する際の方策を検討した。
3)上記2)の方策に基づき、各指定難病を各疾患群への分類を試みた。
4)指定難病の重症度基準に関する様々な問題点を検討した。特に医療費助成の公平性の担保について、今後のあるべき方向性を検討した。
(DB分科会)
1)指定難病DBの信頼性や研究利用への意義を検証するためにHTLV-1関連脊髄症(HAM)およびウェルナー症候群を対象としてfeasibility study (以下、F/Sという)を実施した。
2)小児慢性特定疾病DB (以下、小慢DBという)と指定難病DBの連携に関する検証を行うためにミトコンドリア病を対象とした検証研究を計画した。
1)医師のみならず、患者と医療事務等の医療従事者を含めた3者を同時に普及・啓発の対象とする電子カルテおよび医事会計システム(以下、医療システムという)の試験的な改良を進めた。
2)本システム改良による申請率の変化や指定難病制度の普及状況等の効果を評価するためのアンケート調査を実施した。
(均霑化分科会)
1)現在の指定難病の疾患群について再検討を行い、疾患群を整理した。
2)各指定難病を各疾患群に分類する際の方策を検討した。
3)上記2)の方策に基づき、各指定難病を各疾患群への分類を試みた。
4)指定難病の重症度基準に関する様々な問題点を検討した。特に医療費助成の公平性の担保について、今後のあるべき方向性を検討した。
(DB分科会)
1)指定難病DBの信頼性や研究利用への意義を検証するためにHTLV-1関連脊髄症(HAM)およびウェルナー症候群を対象としてfeasibility study (以下、F/Sという)を実施した。
2)小児慢性特定疾病DB (以下、小慢DBという)と指定難病DBの連携に関する検証を行うためにミトコンドリア病を対象とした検証研究を計画した。
結果と考察
(普及・啓発分科会)
1)医療システムの試験的改良による「指定難病支援機能」を研究代表者が所属する金沢大学附属病院で開発した。令和3年3月15日および16日に同職員向けに説明会を実施後、3月17日から本機能の使用を開始した。このシステムの稼働に伴い、3者の指定難病に対する普及・啓発が進み、①指定医以外の医師への指定難病等に対する理解の向上②患者の指定難病に対する認識の向上③医療事務等の医療従事者の指定難病への意識の向上等を通じ、申請率の向上、指定難病制度の更なる活用が期待される。
2)システム改良後に、システム改良に伴う効果を評価するにあたり、アンケートを作成、実施した。アンケート結果については、導入後約1年に同院職員に対してアンケートを実施し、令和2年度に実施したアンケートと比較することで、本機能による申請率の変化や指定難病制度の普及状況等の効果を評価する予定である。
(均霑化分科会)
1)指定難病は15疾患群に分類されているが、形成外科疾患を整理することで、14疾患群とすることが適切と判断し疾患群を整理した。
2)「1つの疾患群に分類することが困難な場合の対応をいかにするか」など各指定難病を各疾患群に分類する際の方策を検討した。
3)2)に基づき問題点のある指定難病について各疾患群への分類を試みた。具体的には「ライソゾーム病は代謝疾患とするが、ファブリ病は循環器疾患および腎疾患としてはどうか」、「ミトコンドリア病は代謝疾患とするが、ミトコンドリア心筋症は循環器疾患、MELASやMERRFは神経筋疾患、ミトコンドリア腎症は腎疾患としてはどうか」などを検討をした。
4)重症度基準(医療費助成基準)についての問題点を整理し、今後の展望について取りまとめた。
今回、分科会で整理・検討を行った問題点について更なる検討がなされることにより、疾患群間の公平性が担保され、助成の公平性の維持に繋がると考える。
(DB分科会)
1)HAMを対象にしたF/Sでは、「臨床調査個人票とHAMねっとデータを比較することによる指定難病DBの信頼性に関する検討」、「経年データに関する検討」などを行った。これにより臨床調査個人票の研究的活用の意義を裏付ける結果が得られた。
2)ウェルナー症候群を対象としたF/Sとミトコンドリア病を対象とした指定難病患者DBおよび小慢DBの検証は今年度同意取得を進めており、来年度以降に報告する予定である。
1)医療システムの試験的改良による「指定難病支援機能」を研究代表者が所属する金沢大学附属病院で開発した。令和3年3月15日および16日に同職員向けに説明会を実施後、3月17日から本機能の使用を開始した。このシステムの稼働に伴い、3者の指定難病に対する普及・啓発が進み、①指定医以外の医師への指定難病等に対する理解の向上②患者の指定難病に対する認識の向上③医療事務等の医療従事者の指定難病への意識の向上等を通じ、申請率の向上、指定難病制度の更なる活用が期待される。
2)システム改良後に、システム改良に伴う効果を評価するにあたり、アンケートを作成、実施した。アンケート結果については、導入後約1年に同院職員に対してアンケートを実施し、令和2年度に実施したアンケートと比較することで、本機能による申請率の変化や指定難病制度の普及状況等の効果を評価する予定である。
(均霑化分科会)
1)指定難病は15疾患群に分類されているが、形成外科疾患を整理することで、14疾患群とすることが適切と判断し疾患群を整理した。
2)「1つの疾患群に分類することが困難な場合の対応をいかにするか」など各指定難病を各疾患群に分類する際の方策を検討した。
3)2)に基づき問題点のある指定難病について各疾患群への分類を試みた。具体的には「ライソゾーム病は代謝疾患とするが、ファブリ病は循環器疾患および腎疾患としてはどうか」、「ミトコンドリア病は代謝疾患とするが、ミトコンドリア心筋症は循環器疾患、MELASやMERRFは神経筋疾患、ミトコンドリア腎症は腎疾患としてはどうか」などを検討をした。
4)重症度基準(医療費助成基準)についての問題点を整理し、今後の展望について取りまとめた。
今回、分科会で整理・検討を行った問題点について更なる検討がなされることにより、疾患群間の公平性が担保され、助成の公平性の維持に繋がると考える。
(DB分科会)
1)HAMを対象にしたF/Sでは、「臨床調査個人票とHAMねっとデータを比較することによる指定難病DBの信頼性に関する検討」、「経年データに関する検討」などを行った。これにより臨床調査個人票の研究的活用の意義を裏付ける結果が得られた。
2)ウェルナー症候群を対象としたF/Sとミトコンドリア病を対象とした指定難病患者DBおよび小慢DBの検証は今年度同意取得を進めており、来年度以降に報告する予定である。
結論
本研究班では、現在の指定難病制度の課題として考えられる①普及・啓発②重症度分類の整合性・公平性③指定難病DBのあり方と研究への利活用について検討を行った。
本研究班の研究成果が活用されることで、指定難病の普及・啓発の促進、公平な制度の担保、DBの研究利用の促進のさらなる推進に貢献する。延いては、患者の福音に繋がることを期待する。
本研究班の研究成果が活用されることで、指定難病の普及・啓発の促進、公平な制度の担保、DBの研究利用の促進のさらなる推進に貢献する。延いては、患者の福音に繋がることを期待する。
公開日・更新日
公開日
2021-07-01
更新日
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