文献情報
文献番号
200738004A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機管理情報の網羅的収集/評価および統合/提供に関する調査研究
課題番号
H17-健康-一般-015
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 裕光(国立保健医療科学院 研究情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 山本 都(国立医薬品食品研究所 化学物質情報部)
- 岡部 信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
- 野本 親男(埼玉県衛生研究所)
- 橘 とも子(国立保健医療科学院人材育成部)
- 野添 篤毅(愛知淑徳大学文学部)
- 仲井 宏充(佐賀県伊万里保健所)
- 磯野 威(国立保健医療科学院 研究情報センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域において保健衛生部門が健康危機管理業務を合理的に遂行していくためには、様々な健康危機管理情報に基づいて問題解決にあたることが不可欠である。本研究では健康危機に関する情報の集約および効率的なリンクをシステム化することにより、各組織が個別に所有する健康危機管理情報の共有化、担当者の健康危機管理能力の育成、組織全体の解決能力の向上、意思決定の迅速化、業務改善の場の提供、などの実現化を目標とする。
研究方法
健康危機管理支援ライブラリーシステムを通して、健康危機管理に関して総合的に情報収集を行うとともに、国内外の関連情報源の有効活用を進めていく。具体的には、地域における健康危機管理担当者を主な利用者として想定し、緊急時に対応したポータルサイトとしての役割の確立、地理的な条件を考慮した地域ネットワークの構築、インターネットによる遠隔教育などを応用した自己研修システムの作成、危険原因推定のためのツール開発、有効な健康危機管理情報の提供方法、などについて検討を行う。
結果と考察
まず、情報収集・発信・提供については、専門家が調査した信頼性の高い情報を機関や項目ごとにまとめ、ひとつのサイトからリンクしたポータルサイトやウェブガイドが有用である。また、国立感染症研究所感染症情報センターで行われている定期的なメディアとのミーティングは有効なリスクコミュニケーション手段の典型例である。情報ネットワークにおける広域連携の必要性について関係機関が共通認識をもち、将来的な人材育成のも踏まえてネットワークの形成を組織的に支援していく必要がある。人材育成については、全体像および所属自治体の位置づけを視覚的に判断できるGISを活用した情報提供は、有用な方法のひとつになりうると思われた。 健康危機の原因推定について、危険源を推定する補助ツール「危険源推定ツール」を作成し改良を加えた。健康危機管理情報システムにおいて、多言語での用語の関連付けを予め行っておけば検索や情報入手に関して国際的な情報蓄積と発信が可能となろう。これらの結果の一部は、上記システムに随時収載した。
結論
地域における健康危機管理を効率的に行うためには、情報基盤の確立がきわめて重要であり、健康危機管理支援のための情報システムはこのような情報基盤としての役割を果たす。同システムの有効利用のためには、今後、利用の簡便化や情報の集約など実用的な課題を検討していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2008-06-02
更新日
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