文献情報
文献番号
200738003A
報告書区分
総括
研究課題名
市町村合併に伴う地域保健事業および自治体事務の影響評価と今後の効率的推進策に関する研究-市町村保健事業(保健師業務)評価指標の開発および同指針の作成-
課題番号
H17-健康-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
烏帽子田 彰(国立大学法人広島大学大学院医歯薬学総合研究科 公衆衛生学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 生田 惠子(松本短期大学地域看護学領域)
- 今川 晃(同志社大学大学院総合政策科学研究科)
- 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
- 都筑 千景(大阪市立大学医学部看護学科)
- 梯 正之(国立大学法人広島大学大学院保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
市町村合併後の諸課題の克服と市町村保健センターおよび保健師業務等に対する視点を主とし,地域づくりのあり方やその円滑な推進方策を示すことを目的とした。
研究方法
平成17年度面接調査,18年度質問紙調査の再解析や事例調査を基に,「市町村保健(師)活動における合併の影響評価と今後の課題や市町村保健事業(保健師業務)の評価指標の開発」や「地縁団体間もしくは地縁団体とNPO関係相互のネットワークづくり」に関する検討を行った。また,ICT(Information and Communication Technology)を活用している市町村保健センターに対するインタビュー調査とテレビ電話を用いての遠隔健康教室実証実験を行った。保健師の適正配置に関する研究では, 人口規模を考慮して全国から抽出した14市町村を対象として,自記式調査票により市町村の保健師活動の業務別の現在および5年後の業務量を推計し,5年後の標準的な適正配置数を試算した。
結果と考察
市町村合併による組織基盤の変化は保健(師)活動や住民サービスに多くの影響を与えており,今後の課題として,計画策定,地域診断やニーズ把握の必要性,評価,新市としてのビジョンや方向性の組み立ての必要性が挙げられていた。一方,現在の市町村保健師活動の業務割合は,母子保健,老人保健事業,精神保健の順に多く,指標開発の際もこれらの領域を重点的に評価すべきであると考えられた。また,地域力強化のための基準としては「きづき」,「集い」,「つながり」の3基準が必要であることが示唆された。遠隔健康教室の実証実験結果では,テレビ電話にコミュニケーションの取りづらさはあるものの,補助的なツールとしての位置づけで活用できるものと考えられ,インタビュー調査より,地域保健活動におけるICT化推進のための効果的方策が明らかとなった。市町村の保健師活動の業務別割合は,母子保健業務の割合が38.6%と最も大きい結果であった。5年後の保健師業務量は,現状の1.195倍,人口10万人当たり4.6人の増であるとの結果を得て,それにより5年後の標準的な配置数を算定した。
結論
保健師の標準的な配置数等,地域づくりのあり方やその円滑な推進方策に関連する諸事項を包括的に示した。特に,保健(師)活動面において合併を有意義なものにするための9つの要素や,「地域をみる,つなぐ,動かす能力」に関連づけられる6つの保健活動の指標として活用できる視点が挙げられ,評価指標開発の枠組みとしての応用可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2008-04-14
更新日
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