保健師指導者の育成プログラムの開発

文献情報

文献番号
200738002A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師指導者の育成プログラムの開発
課題番号
H17-健康-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐伯 和子(北海道大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 平野 かよ子(国立保健医療科学院 公衆衛生看護部)
  • 宮崎 美砂子(千葉大学 看護学部)
  • 宇座 美代子(琉球大学 医学部)
  • 和泉 比佐子(札幌医科大学 保健医療学部)
  • 河原田 まり子(北海道大学 医学部)
  • 関 美雪(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 保健師の指導者ならびに管理者の組織管理および人材育成能力の育成を体系的に行い、組織の現任教育能力向上と健康危機管理への対応能力の向上を目的に、保健師のキャリアラダーと保健師の指導者育成プログラムの基本的な考えを明らかにした。
研究方法
 平成17、18年度の研究成果を、再度、研究者間で検討し、保健師のキャリアラダーの整理を行った。また、平成18年度に実施した保健師指導者の現任教育の実践結果の分析を行い、保健師指導者育成のプログラムの要件を明らかにした。これらの結果をふまえて、保健師指導者が人材育成能力を習得するために必要な3つのプログラムを作成した。
結果と考察
 キャリア発達上の課題、職務上の課題を考慮し、6レベルからなる保健師のキャリアラダーを作成した。指導者育成に有効な人材育成プログラムの要素として、カリキュラムと育成体制を検討し、3つの保健師指導者人材育成プログラムを開発した。これらは、グループリーダー、係長などの初級の管理的指導者を対象とする保健師指導者育成プログラムⅠ:ファーストレベル、都道府県の人材育成担当者や市町村の統括保健師を対象とする保健師指導者育成プログラムⅡ:セカンドレベル、県型保健師の健康危機管理の人材育成を企画立案できる人材育成を目的とする健康危機管理の人材育成プログラムで構成された。
 本研究で示した保健師指導者育成プログラムは、現任教育体制の整備状況や参加者の実態に即して、ファーストレベルとセカンドレベルの内容を混在させたり、一部のみ実践したり等、臨機応変に活用することができる。健康危機管理は平時の活動を反映するものであるため、健康危機管理の人材育成にあたっては、指導者育成のファーストレベルやセカンドレベルのプログラムと抱き合わせて運営することも可能である。
結論
 保健師のキャリアラダーを対人支援、組織・地域支援、組織管理に区分し、係長級を対象とするファーストレベルの人材育成プログラムと統括管理者級を対象とするセカンドレベルの人材育成プログラムを作成し、さらに健康危機管理の人材育成のプログラムを作成した。重要なことはこの人材育成プログラムが活用されることである。人材育成の視点を持ち日常業務を行うことが、組織作りにも寄与することがアクションリサーチの結果から明らかになっており、指導者育成は組織と業務の改革にもつながるものであるといえる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-14
更新日
-

文献情報

文献番号
200738002B
報告書区分
総合
研究課題名
保健師指導者の育成プログラムの開発
課題番号
H17-健康-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐伯 和子(北海道大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 平野 かよ子(国立保健医療科学院 公衆衛生看護部)
  • 宮崎 美砂子(千葉大学 看護学部)
  • 宇座 美代子(琉球大学 医学部)
  • 和泉 比佐子(札幌医科大学 保健医療学部)
  • 河原田 まり子(北海道大学 医学部)
  • 関 美雪(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 保健師の指導者ならびに管理者の組織管理および人材育成能力の育成を体系的に行い、組織の現任教育能力向上と健康危機管理への対応能力の向上を目的に、保健師のキャリアラダーと保健師の指導者育成プログラムの開発を行った。
研究方法
 平成17、18年度は保健師の指導者育成に関して、実態調査、演繹的手法を用いるアプローチ、実践をもとに帰納的手法を用いるアプローチを行った。平成19年度は17、18年度の研究成果を研究者間で検討し、保健師のキャリアラダーの整理を行った。また、保健師指導者の現任教育の実践結果の分析を行い、保健師指導者育成のプログラムの要件を明らかにした。これらの結果をふまえて、保健師指導者が人材育成能力を習得するために必要な3つのプログラムを作成した。
結果と考察
 キャリア発達上の課題、職務上の課題を考慮し、6レベルからなる保健師のキャリアラダーを作成した。指導者育成に有効な人材育成プログラムの要素として、カリキュラムと育成体制を検討し、3つの保健師指導者人材育成プログラムを開発した。これらは、係長などの初級の管理的指導者を対象とする保健師指導者育成プログラムⅠ:ファーストレベル、都道府県の人材育成担当者や市町村の統括保健師を対象とする保健師指導者育成プログラムⅡ:セカンドレベル、県型保健師の健康危機管理の人材育成を企画立案できる人材育成を目的とする健康危機管理の人材育成プログラムで構成された。
 本研究で示した保健師指導者育成プログラムは、現任教育体制の整備状況や参加者の実態に即して、ファーストレベルとセカンドレベルの内容を混在させたり、一部のみ実践したり等、臨機応変に活用することができる。健康危機管理の人材育成にあたっては、指導者育成のファーストレベルやセカンドレベルのプログラムと抱き合わせて運営することも可能である。
結論
 保健師のキャリアラダーを対人支援、組織・地域支援、組織管理に区分し、係長級を対象とするファーストレベルの人材育成プログラムと統括管理者級を対象とするセカンドレベルの人材育成プログラムを作成し、さらに健康危機管理の人材育成のプログラムを作成した。重要なことはこの人材育成プログラムが活用されることである。人材育成の視点を持ち日常業務を行うことが、組織作りにも寄与することがアクションリサーチの結果から明らかになっており、指導者育成は組織と業務の改革にもつながるものであるといえる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200738002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
指導者である保健師の専門職務能力の実態調査を面接や質問紙により行い、さらに文献検討を重ね、コアとなる5つの能力(マネジメント力、地域管理・情報管理能力、企画立案・評価能力、住民との協働、自己内省力)を抽出した。これらの能力を対人支援、組織・地域支援、組織管理に3区分し、6レベルからなる平常時及び健康危機管理時の保健師のキャリアラダーを作成した。さらに指導者の人材育成プログラムの開発は、アクションリサーチによる実証的な研究から得られた成果を活用し、プログラムの方針、方法、体制の構築を提示した。
臨床的観点からの成果
新任保健師の人材育成は、実践の場では非常に大きな課題となっている。新任者育成のためには、新任者育成の任にあたるプリセプターを指導できる指導者の育成が重要である。本研究の成果は、その指導者の育成について、係長やグループリーダーを対象とする保健師指導者育成プログラムⅠ:ファーストレベル、統括保健師や保健所の研修企画担当者を対象とする保健師指導者育成プログラムⅡ:セカンドレベル、今後課題となる健康危機管理に対する保健師指導者育成プログラムの内容を明らかにした。
ガイドライン等の開発
平成18年度地域保健総合推進事業「指導者育成プログラムの作成に関する検討会」の第2回会議(平成18年11月14日)に、厚生労働科学研究で保健師指導者の人材育成プログラムの開発のフィールドとして実践的に取り組んでいる埼玉県と富山県の担当者からヒアリングを行った。
その他行政的観点からの成果
分散配置下での新任者の育成ならびに中堅者の育成は大きな課題となっている。これらの課題解決のためには、職場での人材育成組織づくりができる統括管理者となりうる人材の育成ならびに組織管理的な視点を備えた指導者の育成が必要であり、その課題に応えるものである。今後、新任者の卒後研修を考えるためにも、指導者育成はその準備の要件として重要である。さらに保健師の人材育成は、栄養士や歯科衛生士など他の保健医療従事者の育成にも応用でき活用できるものである。
その他のインパクト
 研究フィールド以外にも本研究の成果をもとに、人材育成についての研修会の講師として、また研修会企画の助言を行い、地域保健従事者の人材育成の支援を行っている。

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
7件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
9件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
15件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kazuko Saeki, Hisako Izumi, Miyoko Uza, et al.
Factors Associated With the Professional Competencies of Public Health Nurses Employed by Local Government Agencies in Japan
Public Health Nursing , 24 (5) , 449-457  (2007)
原著論文2
上田泉,佐伯和子,河原田まり子,他
保健師指導者の人材育成におけるスタッフへのマネジメントの実態と属性の関連
北海道公衆衛生学雑誌 , 20 , 78-84  (2007)
原著論文3
上田泉,佐伯和子,河原田まり子,他
地域保健従事者に求められる保健師指導者の能力の実態-指導者育成プログラム研修会参加者の自己評価-
北海道公衆衛生学雑誌 , 21  (2008)

公開日・更新日

公開日
2015-11-24
更新日
-