オンライン特定保健指導・オンライン診療におけるPHR活用による行動変容に関する研究

文献情報

文献番号
202009035A
報告書区分
総括
研究課題名
オンライン特定保健指導・オンライン診療におけるPHR活用による行動変容に関する研究
課題番号
20FA1007
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
米田 隆(国立大学法人金沢大学 融合研究域融合科学系)
研究分担者(所属機関)
  • 稲津 明広(金沢大学 保健学系)
  • 村山 敏典(金沢大学附属病院 臨床開発部)
  • 野村 章洋(金沢大学 附属病院 先端医療開発センター)
  • 古川 健治(北陸先端科学技術大学院大学 保健管理センター)
  • 米田 貢(金沢大学 医薬保健研究域保健学系)
  • 高村 禅(北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科)
  • 出村 昌史(金沢大学 医学系)
  • 唐島 成宙(金沢大学 国際基幹教育院(GS系))
  • 米谷 充弘(国立大学法人 金沢大学 附属病院)
  • 南保 英孝(金沢大学 理工学域)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
11,538,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、健康・医療政策をデジタルトランスフォーメーション推進という観点から、マイナポータルと民間PHRをAPI連携し、オンライン特定保健指導、オンライン診療の場でPHR活用の長期有用性評価を行い、デジタルヘルス改革を行う。民間PHRアプリを用いて、マイナポータルから得られる健診・検診データをいかに効果的に表示・提供するか、その利活用による個人の行動変容に関するエビデンスの確立を目的とする。
研究方法
民間PHRアプリを用いて、ライフログと保健医療情報を効果的に明示するPHRアプリを用いた臨床研究を実施する。
① 特定保健指導実施者ならびに健康上問題のある方々に対するPHRの長期の有用性の検討:
研究概要:保健指導対象者の行動変容を検証する2018~2019年度AMED IoT等活用行動変容研究事業「生活習慣病に対するオンライン保健指導サービスと行動変容への検証研究」のデータ・研究フィールドを活用・発展させ、マイナポータル健診データと民間アプリの組み合わせ活用による長期有効性を検証する。加えて、通常健診での単純肥満、運動不足、フレイル・サルコペニア等の方々も対象とする。アプリ介入ではAIキャラクターが、自動メールで、「マイナポータル健診データを閲覧」を促すように設定、健診データを基に行動目標等を決め、行動変容機能で、被検者の行動を評価する。
② オンライン診療を用いた生活習慣病診療におけるPHRの有用性の検討
研究概要:オンライン糖尿病診療で、マイナポータル健診データと民間アプリの組み合わせ活用の有用性を、従来診療群とランダム化比較試験(RCT)で評価する。現在、通常診療でのPHRアプリを導入RCT研究が、2018年に開始、50例の症例登録済み、これを継続、発展、終了し、「オンライン診療におけるPHRアプリの有用性の検討」との比較データとする。オンライン診療研究(図5)では、新規に血糖管理+マイナポータル閲覧奨励追加アプリを用い、3か月毎の対面診療、その間の1か月毎のオンライン診療を組み込む。介入群では、民間アプリのAIキャラクターが、定期的に「マイナポータル健診データの閲覧」を促し、診察時は、医師(ヒト)が、マイナポータル健診経年データを活用し指導する。(オンライン診療時は、血圧、体重、運動、食事、睡眠等データのみだが、対面診療時は、血糖、HbA1C、脂質値等生化学データも用いる。)
結果と考察
当初の計画では、上記のようにオンライン保健指導およびオンライン診療という場における民間アプリの利用を中心とした研究を計画していた。オンライン保健指導は、金沢市保健所等の協力のもと行う予定も、コロナ禍の非常事態宣言で、研究遅延しつつも、状況を見ながら進め、当初の予定目標一部終了。②のオンライン診療に関しても、H病院で進行も、コロナ禍で、患者さんの多くが電話診療等で実際には来院されず、被検者リクルートが遅れ気味であったが、現在進行中である。研究フィールドもK病院へと拡大、同院倫理委員会での研究計画承認を得て、研究を開始した。一方で、厚労省担当者と毎月オンラインで会議を行い、研究を進める上で、第7回データヘルス改革推進本部の決定ならびにマイナポータルの準備状況等で、マイナポータルでの健診データ活用が2021年3月となること、さらには、令和2年7月30日のデータヘルス改革推進本部会議での「コロナ禍における新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」を踏まえて、健診データ等を国民に返すことが、いかに国民の行動変容に寄与するのか、デジタルトランスフォーメ-ションという国の施策にかなった計画への変更を決定した(令和2年9月10日 班会議で正式決定 資料X)。当初、マイナポータルのデータを政府独自に開発したアプリという可能性を考慮し対応していたが、令和2年12月4日の経済財政諮問会議であるように、マイナポータルとAPI連携による民間PHR連携へと重点を置き替えた。そこで、目標・成果物を、『マイナポータル利活用による個人の行動変容に関するエビデンスの確立』とした上で、まず今年度中に、国の課題としている健診データを国民に伝わりやすくするようにするために、すでに健診データのプラットフォームを形成している複数の事業者と協議の場を持った。その中で、これまでの研究協力者である民間PHR事業者に加え、新たな民間アプリ企業に協力頂くことが決定した。
結論
2020年度はコロナ禍、それに伴うDxの早急化等どの政策方針の変更などもあり、研究計画の一部変更ならびに実施の遅れもあったが、臨機応変に対応、現在、特定保健指導実施者ならびに健康上問題のある方々に対するPHRの長期の有用性とオンライン診療を用いた生活習慣病診療におけるPHRの有用性の検討が進行中である。

公開日・更新日

公開日
2023-10-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-10-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202009035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
14,999,000円
(2)補助金確定額
14,586,000円
差引額 [(1)-(2)]
413,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,723,572円
人件費・謝金 5,096,069円
旅費 0円
その他 2,306,924円
間接経費 3,459,914円
合計 14,586,479円

備考

備考
自己資金:479円

公開日・更新日

公開日
2023-11-02
更新日
-