文献情報
文献番号
200736024A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の有害性の評価戦略に関する研究
課題番号
H19-化学-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 中澤 憲一(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部)
- 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 変異遺伝部)
- 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部)
- 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
- 広瀬 明彦(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 総合評価室)
- 森田 健(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
- 三森国敏(東京農工大学大学院 共生科学技術研究院 動物生命科学部門)
- 北嶋 聡(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
数万種ともいわれる化学物質についての有害性評価を、より網羅的かつ効率的・迅速に行うために、これまでの評価方法開発の状況、及び、今後、提要可能な最新の科学技術を俯瞰することにより、現在利用可能な評価方法による戦略的かつ網羅的な評価スキームの構築、並びに「化学物質による健康影響リスクの最少化」課題の達成に向けた化学物質の有害性の近未来評価戦略を提言する。
研究方法
包括的な化学物質評価管理体制の構成要素として、対象化合物の選択、試験法スキーム、試験法、ハザード・アイデンティフィケーション(HI)とその詳細、それに関わるエキスパートジャッジメント(Expert Judgement: EJ)、リスク評価、リスク管理、及びリスクコミュニケーションについての現状分析と、今後の新しい対応に関して、特に有害性評価に密接に関わる事項の洗い出しを行う。これを元に、評価管理体制の中心となるEJの定義やEJを支えるための今後の研究戦略に関する意見を、専門的有識者からのヒアリングによって収集し、より広範な視点から、今後の化学物質の評価管理体制構築に必要な論点を整理する。最後に、研究戦略として重点的に推進するべき項目について考察する。
結果と考察
本研究班が俯瞰する包括的化学物質評価管理体制の構成要素を検討し、位置づけを考慮しつつ、有害性評価に密接に関わる現状分析と今後の新しい対応に関する事項の洗い出しを行った。その結果、利用可能なあらゆる情報について、その安全性評価上の不確実性や意義を判定しリスク管理方針を決定するEJが最も重要であるという結論に至った。従って、これまで以上にEJを高度化・迅速化するために必要な研究戦略を立てる必要があり、その為にはリスクの本質を捉える試験法の開発や新しい評価パラダイムに基づいた評価・試験スキームの構築を目的とする研究が必要であると同時に、EJの重要性の周知やEJ人材の確保が必要である。
結論
EJをこれまで以上に、高度化・迅速化するために必要な研究戦略を立てる必要があり、その為には、リスクの本質を捉え、更なる試験法の開発、既存の試験スキームの定型的な適用による実態との乖離とそれによる運用上の弊害の指摘に応えるための研究が必要であり、その様な研究を行う人材の育成と確保がEJの確保に必要である。
公開日・更新日
公開日
2008-04-15
更新日
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