次期がん対策推進基本計画に向けて小児がん拠点病院および連携病院の小児がん医療・支援の質を評価する新たな指標開発のための研究

文献情報

文献番号
202008048A
報告書区分
総括
研究課題名
次期がん対策推進基本計画に向けて小児がん拠点病院および連携病院の小児がん医療・支援の質を評価する新たな指標開発のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20EA1020
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
松本 公一(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 小児がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 井口 晶裕(北海道大学 北海道大学病院 小児科)
  • 笹原 洋二(東北大学大学院医学系研究科 発生・発達医学講座 小児病態学分野)
  • 康 勝好(埼玉県立小児医療センター 血液腫瘍科)
  • 湯坐 有希(東京都立小児総合医療センター 血液・腫瘍科)
  • 後藤 裕明(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 血液・再生医療科)
  • 渡邉 健一郎(地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立こども病院 血液腫瘍科)
  • 高橋 義行(名古屋大学大学院医学系研究科 成長発達医学)
  • 平山 雅浩(三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座小児科学分野)
  • 滝田 順子(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
  • 家原 知子(京都府立医科大学 医学研究科)
  • 井上 雅美(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター )
  • 藤崎 弘之(大阪市立総合医療センター 小児血液腫瘍科)
  • 小阪 嘉之(兵庫県立こども病院)
  • 川口 浩史(広島大学大学院医系科学研究科小児科学)
  • 武本 淳吉(国立大学法人九州大学  大学院医学研究院小児外科学)
  • 小川 千登世(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科)
  • 瀧本 哲也(国立成育医療研究センター 小児がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
この研究の目的は、小児がん拠点病院Quality Indicator(QI)および小児がん連携病院QIを設定し計測することで、日本における小児がん医療の質を評価することにある。さらにそれぞれのQIを継続的に測定することで、小児がん拠点病院・連携病院が目的意識を持ってPDCAサイクルを回すことを促し、小児がん医療全体の底上げに寄与することが期待される。さらに、今回得られる小児がん医療の質に関する情報を、次期小児がん拠点病院の指定要件に反映させることを目指す。
研究方法
初年度は、連携病院の診療の質を評価する新たな小児がん連携病院QI指標を検討するために、多職種からなる指標検討ワーキンググループを構成し、連携病院の評価に最適なQI指標を策定することを計画する。同時に従来から運用を開始している小児がん拠点病院QI指標の改訂と測定を行い、課題を抽出する。
結果と考察
1)小児がん拠点病院QIの測定
指標検討ワーキングを構成し、2019年指標を決定した。今年度は合計31指標(構造指標11、過程指標15、結果指標5)を継続選定し、10指標の定義に修正を加えた。「緩和ケア認定医・専門医・指導医数」では、緩和ケアチームの身体症状担当医あるいは小児がん患者の主治医・担当医におけるPEACE(成人の緩和ケア研修会)やCLIC(小児の緩和ケア研修会)の修了者数を算定した。「療養支援担当者数」、「保育士数」、「臨床研究コーディネーター数」においては、小児がんに関わる人限定することでより正確な算定値を目指した。「中央病理診断提出率」においては、固形腫瘍観察研究など中央病理診断提出の同意を得た件数も算定した。「院内学級転籍率」おいては、事情があって転籍しなかった患者を分母から除外し、「復学カンファレンス実施率」では、対象を原籍校に復学した者に限定した。2019年指標に関して、小児がん拠点病院QI説明会(Web開催)を開催した。REDCapによるデータ入力システムを開発し、入力担当者による施設名の自動入力、エラー値の表示などの改良を加え、2019年指標をREDCapにより収集した。構造指標の算定結果から、小児血液・がん専門医数は漸増傾向にあること、小児がん認定外科医はすべての施設に配置されたが、依然常勤のいない施設があることが明らかになった。また、放射線治療専門医、病理専門医、専門・認定薬剤師のいない施設が依然あった。HPS/CLS/こども療養支援士はすべての施設で配置されていたが、多施設臨床試験や治験の登録患者数、臨床研究コーディネーター数は施設間差が大きいと考えられた。 結果指標に関しては、小児がん拠点病院ですら、精子保存が増加していない実態が明らかになった。その他、診断日からの治療開始日数、病理報告所要日数、中央病理診断提出率、脳外科手術後の感染・予定しない再手術、急性リンパ性白血病平均在院日数、長期フォローアップ外来受診者数、緩和ケアチーム介入率ついては、改善が望ましいと思われる施設があった。

2)小児がん連携病院QIの測定
指標検討ワーキングによって、小児がん連携病院QIを参考にして、小児がん連携病院QIを作成した。指標としては、構造指標10、過程指標8、結果指標3の合計21指標を選定した。拠点病院ではすでに目標達成済みであった指標(化学療法関連死亡率、術後30日以内の手術関連死亡率)や拠点病院では標準となる項目(小児がん相談員専門研修修了者数)も加えた。国立成育医療研究センターの倫理審査委員会にて研究計画の承認を得た。2019年指標に関して、小児がん連携病院QI説明会を開催し、エクセルデータと共にREDCapによるデータ入力システムを採用した。それぞれのブロックの小児がん拠点病院が収集を担当し、データの督促に関しても拠点病院が行うこととした。小児がん連携病院109施設中105施設の参加があった(4施設は辞退)。令和3年5月11日現在、103施設から回収が完了し、提出率は98%であった。今後、解析を行い、拠点病院事業および小児がん医療の課題を抽出する予定である。
結論
小児がん拠点病院QIに関しては、経年的に計測することで、小児血液・がん専門医数の漸増傾向やHPS/CLS/こども療養支援士の配置など整備の進んだ面が明らかになった。一方、小児がん認定外科医の配置、放射線治療専門医、病理専門医、専門・認定薬剤師の配置、中央病理提出、男性の妊孕性温存の実施など、整備が遅れている部分も明らかになった。今回初めて算定した小児がん連携病院QIの結果は、日本の小児がん医療の概要を明らかにするものであり、そこから創出される課題によって、次期がん対策推進基本計画における小児がん対策のあり方に反映させることができると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202008048Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,000,000円
(2)補助金確定額
11,423,000円
差引額 [(1)-(2)]
577,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,230,407円
人件費・謝金 2,277,944円
旅費 129,780円
その他 1,016,786円
間接経費 2,769,000円
合計 11,423,917円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2022-01-21
更新日
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