食肉の後生物コント口ールに関する研究

文献情報

文献番号
199700414A
報告書区分
総括
研究課題名
食肉の後生物コント口ールに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
品川 邦汎(岩手大学農学部獣医衛生物学教室教授)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 食品衛生調査研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
と畜場および食鳥処理場において、安全で衛生的な食肉・食烏肉生産を行ことを目的に、?と畜解体・処理行程で、豚の体表汚染除去(フマール酸および酢酸による体表消毒・殺菌)による、最終処理工程の枝肉の微生物汚染低減化の有無について検討を行う。 ?豚と畜解体・処理工程で、枝肉への微生物汚染をする箇所としては全剥皮工程である。剥皮方法については、縦型の剥き上げ方式と、わが国で広く使用されている横型方式がある。これらの剥皮方式による枝肉の微生物汚染状況を比較検討する。?対米食肉輪出認定と畜場(3カ所)では、1998年4月より解体処理された枝肉のサルモネラ汚染のモこタリングが義務付けられた。その検査法として、米国が示したFSIS法とわが国で行われている方法(食品衛生検査指針)について検討する?倣生物汚染の少ない、安全な食鳥肉生産を行うことを目的に「食鳥処理場におけるHACCP方式による衛生管理指針(厚生省乳肉衛生課編)」が発刊されている。これらの指針の問題点および改良点について、食鳥処理衛生管理者および食鳥検査員を対象にアンケート調査を行い、整理する。          
研究方法
1)調査施設 上記の研究課題を遂行するため、対米食肉輸出認定と畜場3カ所、既設のと畜場8カ所および地方衛生研究所3カ所の協力によって行った。
2)方法 
?豚の体表汚染除去と技肉の汚染 と殺・放血、洗浄後、再度フマール酸(0.3%)および酢酸(2.0%)および電解水(20ppm)2,000mlで体表を各々消毒・殺菌した後、各と体を解体処理した。体表、枝肉の汚染は、胸部と背部の拭き取り検査によって、生菌教と大腸菌群汚染を調べた。
?豚剥皮方式による枝肉の微生物汚染 剥皮方法には縦型(譲奪対象施設2カ所)と横型(既設6カ所)があり、これらの各方法により剥皮後、および最終の技肉(胸部と背部)について汚染状況を拭き取り検査によって調べた。
?サルモネラ検査法の検討 豚肉および豚挽肉にSalmonellaTyphimurium(〈10および101cfu/25g,100cm2)を塗布または接種し、FSIS法とわが国の方法(食品衛生検査指針)について検出率、および検査の特異性を調べた。
?食烏処理楊におけるHACCP方式による衛生轡理指針の見直し 食鳥処理羽数の多い主要4県(鹿児島、宮崎、岩手および青森県)および群馬県の5県の食鳥処理場の衛生管理者および食鳥検査員を対象に「衛生管理指針」に対する調査項目を設定し、アンケートを行った。
結果と考察
?豚の体表汚染除去と枝肉の汚染 体表をフマール酸験および酢酸で消毒殺菌した場合、汚染菌数は101~103cfu/cm2減少さすことができ、さらに消毒殺菌したと体を解体した最終枝肉は、従来行われている方法に比べ生菌数は約101~102cfu/cm2減少さすことができ、衛生的な食肉生産を行うには体表を清潔にしておくことが重要と考えられる。
?豚剥皮方式による枝肉の彼生物汚染 縦型方式で剥皮した枝肉(背部)は横型に比べ明らかな汚染の減少(101~102cfu/cm2)か見られた。しかし、枝肉(胸部)は全剥皮前のー剥皮工程ですでに汚染されることが明かになった。今後、衛生的な豚肉生産を行うには剥皮機械についても考える必要がある。
?サルモネラ検査法の検討 米国が示しているFSIS法では食肉のサルモネラ(〈10cfu/100cm2)を80~92%(陽性検体数/検査検体数)の割合で検出できた。他方、わが国の方法では83~95%の割合で検出できたが、汚染菌量により検出率は大きく変化した。なお、本調査は現在継続中であり、今後の成果を考慮して検査法を決定する必要がある。
?食鳥処理場におけるHACCP方式による衛生管理指針の見直し 本指針は食烏処理場の衛生管理を行う上に有効であるが、HACCPの概念にそぐわない箇所も見られる。今後GMPおよびSSOPを明確にし、本指針を改正することが必要であると考えられる。
結論
安全で衛生的な食肉・食鳥肉生産を行うため、と畜場および食島処理場における衛生管理・手法について検討した。 これらの得られた成果は、食肉衛生検査所および食烏処理場の検査員および衛生管理者にとって、衛生管理を指導する上に有効な資料となるであろう。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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