科学的根拠に基づくがん情報の迅速な作成と提供のための体制整備のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
202008036A
報告書区分
総括
研究課題名
科学的根拠に基づくがん情報の迅速な作成と提供のための体制整備のあり方に関する研究
課題番号
20EA1008
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 河野 浩二(公立大学法人 福島県立医科大学 消化管外科学講座)
  • 下井 辰徳(国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科)
  • 中島 信久(琉球大学 医学部 附属病院 地域医療部)
  • 田村 和夫(福岡大学 医学部)
  • 藤 也寸志(九州がんセンター 消化管外科)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 奥村 晃子(公益財団法人 日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
  • 早川 雅代(国立がん研究センター がん対策情報センター)
  • 大西 丈二(名古屋大学 医学部附属病院)
  • 高山 智子(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報提供部)
  • 花出 正美(がん研究会有明病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
8,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
科学的根拠に基づく情報を迅速に国民に提供し、適切な活用につなげるには、持続可能な作成体制、情報の質を担保したどり着きやすくする仕組み、正しい情報の適切な活用を促す支援環境の整備が必要であり、一部のみではなし得ない。本研究では、がんを心配して情報を探し始める場面から適切にがん拠点病院等につながり、患者らが必要に応じて正しい情報を入手できるよう、1)正しい情報の持続可能な作成・提供体制、2)情報の質を担保し、たどり着きやすくする仕組み、3)相談員らによる正しい情報の活用を促す支援環境の整備の3つの観点から(1)持続可能ながん情報提供体制とそれに関わる諸要件の検討、(2)国内外の情報の質を担保する規制を含めた諸要件の整理、(3)情報検索会社とともに、がん情報サービスの情報検索パターンや特性による実態把握、(4)相談員用がん情報データベース基盤のがん種の拡張の4つの課題について検討し、結果を統合して提言書をまとめることを目的とした。
研究方法
1)正しい情報の持続可能な作成・提供体制の検討では、先行研究班(H29-がん対策-一般-005)のAll Japanがん情報コンソーシアム体制(案)をもとに、国、国立がん研究センター、関係学会等との連携による持続可能な情報作成方法とそれに関わる諸要件の検討を行った。
 2)情報の質を担保し、たどり着きやすくする仕組みの検討では、先行研究および関係者へのヒアリング等を通じて、インターネットにより適切な情報に辿り着きにくい領域での情報の作成と提供方法を検討に向けて、がんの免疫療法について作成する情報(啓発資料)の構成を検討し、盛り込むべき要素の抽出のためにインタビュー調査及びインターネット上での検索行動の解析を行った。
3)相談員らによる正しい情報の活用を促す支援環境の整備の検討では、国内で発行されている患者向けのガイドラインおよびそれに準ずる信頼できる情報源の提供媒体(冊子体、電子媒体、学会からのWeb等)を整理し、これらの情報源をがん情報データベース基盤システムに取り込む際の前提条件について、専門家のコンサルテーションを受け、情報利用に関する著作権等の条件の整理を行った。
結果と考察
(1)All Japanがん情報コンソーシアム体制(案)をもとに、国立がん研究センター、関係学会等と、現状の課題について継続的に情報共有を行う場を持ち、持続可能な情報作成方法とそれに関わる諸要件の検討を開始した。またWebサイト内の想定広告掲載に関する一般市民や患者の情報提供元に対する印象を問うアンケート調査を実施し、掲載にあたっては信頼性を低下させる危険性もあり慎重に検討を進めることが必要であると考えられた。(2)自由診療等で行われている保険適応外のがん免疫療法に関するシステマティックレビューを行うこととし、有効性・安全性に関する現時点のエビデンスを明確化し、患者・家族が、がん免疫療法を判断する際の手がかりとなることを目指して検討を開始した。(3)情報検索会社とともに、がんの免疫療法について作成する情報(啓発資料)の構成を検討し、盛り込むべき要素の抽出のためにインタビュー調査及びインターネット上での検索行動の解析を開始した。(4)先行研究で開発された「相談員用がん情報データベース基盤(試作システム)」を複数がん種への拡張を図る際に生じる情報利用に関する許諾方法や使用料等、更なる拡張に関する課題の検討を行った。
結論
検討の方向性と具体的な検討範囲を定めた初年度の計画をもとに、今後さらに検討を進めて行く予定である。

公開日・更新日

公開日
2021-06-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202008036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,764,000円
(2)補助金確定額
9,311,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,453,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 363,845円
人件費・謝金 4,602,911円
旅費 141,340円
その他 1,719,825円
間接経費 2,484,000円
合計 9,311,921円

備考

備考
感染症対策の為、班会議や学会出張がオンライン開催となる等、「旅費」がほぼ発生しなかったため、予算が余ることとなった。

公開日・更新日

公開日
2021-12-07
更新日
-