献血者の増加に資する教育教材の開発とその効果の検証

文献情報

文献番号
200735070A
報告書区分
総括
研究課題名
献血者の増加に資する教育教材の開発とその効果の検証
課題番号
H19-医薬-一般-033
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
田久 浩志(中部学院大学リハビリテーション学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩本 晋(徳山大学福祉情報学部)
  • 今井 常彦(東邦大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度は初回献血者を増加させる実証研究を行なった。本研究では未献血者が知らない実際の輸血現場のレポートを提示すると初回献血者が増えるかを検証した。一方、本調査の前に行なった2万人規模の予備調査から、未献血者の発生要因を検討した。同時に、解析の基準とすべき日本全体の初回献血者割合を求め、それと本年度の輸血現場レポートの提示による初回献血者発生数の比較を行った。
 
研究方法
 全国の19歳から26歳までの者に調査を行った。調査内容は、献血への理解の程度、献血への協力の意思などである。また、今まで献血にいかなかった理由とどうすれば参加するかなどを質問した。回答者全員に、1.簡単な資料の提示、2.輸血現場レポートAの提示、3.輸血現場レポートBの提示の後に下記の1-5の内容を質問した。
1.読む前よりも献血の必要性を強く思う
2.今は献血に協力する気持ちがある
3.今後、実際に献血に行く
4.献血会場や献血バスを見かけた場合の協力意向
5.時間的余裕がある場合の協力意向
 回答者は2群にランダムに割付し、輸血レポートA,Bの提示の順番を変えるようにした。第一回調査はWEBの上で2007/11/20?22にかけて第二回追跡調査は2008/2/20?22にかけて行った。
結果と考察
 日本全体の初回献血者の理論予測値、簡単な資料を提示したH18年度調査の結果、H17年度の日本赤十字社統計資料と比較して、今回の輸血現場レポートの効果は以下のようになった

理論予測値との比較 O.R.= 8.44 (C.I. 3.32-21.43)
H18年度調査との比較 O.R.= 1.70 (C.I. 1.01- 2.84)
日赤統計との比較  O.R.= 10.96 (C.I. 8.03-14.97)

これらの結果より、具体的な輸血現場レポートの提示が、今後の実献血者確保に極めて有効であると考えた。
結論
 今後は、献血の知識検定、献血の知識の自己学習の仕組みなどを用い、未献血者に献血をより理解してももらい、かつより献血に協力する気持ちのある人を育成をし、実際の献血活動に結びつける具体的な方策の開発が必要である。今後は、何もPRしない場合の実献血率の増加、どのような広告媒体が献血のPRに効果があるか、ケーブルテレビ等で地域を限定してCMを流した場合の実献血率上昇への効果などを検討する必要があろう。

公開日・更新日

公開日
2008-11-13
更新日
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