文献情報
文献番号
202008009A
報告書区分
総括
研究課題名
3学会合同「がんゲノムネット」を用いた、国民への「がんゲノム医療」に関する教育と正しい情報伝達に関する研究
課題番号
H30-がん対策-一般-008
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
田村 研治(国立大学法人島根大学医学部附属病院 先端がん治療センター)
研究分担者(所属機関)
- 土原 一哉(国立研究開発法人国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルインフォマティクス分野)
- 高橋 俊二(公益法人がん研究会有明病院 総合腫瘍科)
- 古川 洋一(東京大学 医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍学分野)
- 川上 尚人(近畿大学医学部)
- 佐治 重衡(公立大学法人 福島県立医科大学 医学部)
- 矢野 聖二(金沢大学 がん進展制御研究所)
- 植竹 宏之(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 総合外科学分野)
- 林田 哲(慶應義塾大学医学部)
- 吉原 弘祐(新潟大学 医歯学系)
- 清水 千佳子(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター がん総合診療センター / 乳腺・腫瘍内科)
- 加藤 雅志(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策情報センター がん医療支援部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
9,858,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関変更
田村研治(研究代表者)
国立がん研究センター中央病院(令和2年4月1日~令和2年5月31日)
国立大学法人島根大学・医学部附属病院(令和2年6月1日~令和3年3月31日)
植竹 宏之(研究分担者)
東京医科歯科大学(令和2年4月1日~令和3年10月31日)
独立行政法人国立病院機構災害医療センター(令和2年
11月1日~令和3年3月31日)
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、個人のゲノム情報に基づき、個人ごとの違いを考慮した「がんゲノム医療」への期待が高まっている。「がんゲノム医療」には、患者を中心とした社会一般から多大な期待がなされているが、正確な情報提供が欠如しているため、一般人はもちろん医療従事者の間でも混乱が生じている。商業ベースで宣伝される遺伝子パネルなどの中には低品質のものが散見され、結果が治療選択に反映されないものも多くある。情報は専門用語で示されるため、一般の国民には理解が困難であること、又、テレビ、新聞、SNSを含む膨大な情報や広告の中で、信頼性の高い情報を選別することは困難で、結果としてがん患者が不利益を得ることも少なくない。
「日本癌学会」、「日本臨床腫瘍学会」、「日本癌治療学会」は、「がんゲノム医療の推進」を目的として、「3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース」を設立した。活動目標の1つの「社会に対する正しいがんゲノム医療の提供」の実現のために「がんゲノムネット・ワーキンググループ(WG)」を組織した。
本研究は、この3学会合同WGを基盤とし、患者、患者家族、一般市民を対象に、現状のがんゲノム医療の全体像をまとめアップデートを随時行いながら、ゲノム関連情報の提供を行うことを計画する。各学会に所属する専門家による現状の解説や将来像、現時点では達成できていないことなど負の側面も含めて正確な情報を提供する。
本研究班がもたらす成果は、「第3期がん対策推進基本計画」で示される、「がんゲノム医療」に関する国民への理解を促進するための教育や普及啓発に直結する。
「日本癌学会」、「日本臨床腫瘍学会」、「日本癌治療学会」は、「がんゲノム医療の推進」を目的として、「3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース」を設立した。活動目標の1つの「社会に対する正しいがんゲノム医療の提供」の実現のために「がんゲノムネット・ワーキンググループ(WG)」を組織した。
本研究は、この3学会合同WGを基盤とし、患者、患者家族、一般市民を対象に、現状のがんゲノム医療の全体像をまとめアップデートを随時行いながら、ゲノム関連情報の提供を行うことを計画する。各学会に所属する専門家による現状の解説や将来像、現時点では達成できていないことなど負の側面も含めて正確な情報を提供する。
本研究班がもたらす成果は、「第3期がん対策推進基本計画」で示される、「がんゲノム医療」に関する国民への理解を促進するための教育や普及啓発に直結する。
研究方法
インターネットなどを用いた情報配信事業については、情報ツール、コンテンツ及び運営方針を決定し、分担執筆者を選定する。出版事業に関しては、書籍名、内容、項目を決定し、出版社、分担執筆者を選定する。市民向けのゲノム講習会や3学会の学術集会内でのシンポジウム、教育セミナー、市民公開講座にて正しいゲノム情報の開示を行う。事業全般において、分担研究者(清水)とその研究班などから、がん患者、患者家族に対するコミュ二ケーション方法について情報収集し、情報発信に役立てる。
1. 会議
・がんゲノムネット・ワーキンググループを開催する。
・3学会合同ゲノム推進タスクフォースを開催する。
2. 各情報配信業者との打ち合わせ。
1) インターネットなどを用いた情報配信事業
NPO法人キャンサーネットジャパンとインターネットコンテンツについて打ち合わせを行う。
2) 出版社の選定
医科学出版社と書籍の発刊にむけて打ち合わせを行う。
1. 会議
・がんゲノムネット・ワーキンググループを開催する。
・3学会合同ゲノム推進タスクフォースを開催する。
2. 各情報配信業者との打ち合わせ。
1) インターネットなどを用いた情報配信事業
NPO法人キャンサーネットジャパンとインターネットコンテンツについて打ち合わせを行う。
2) 出版社の選定
医科学出版社と書籍の発刊にむけて打ち合わせを行う。
結果と考察
結果
・2019年11月26日18:00〜20:00に第8回3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース会議を開催した。
・2020年1月5日(木)18:00〜20:00に第9回3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース会議を開催した。
書籍「よくわかるがんゲノム医療」の出版と、SNSコンテンツ「がんゲノムネット」の開設に向けて、内容の最終調整と、3学会の了承を得た。
1) 書籍を用いた情報配信事業
書籍名:「よくわかるゲノム医療」
出版社:医科学出版社
・令和2年5月、がん患者による内容の校閲をふまえ、各執筆者に原稿修正依頼を行った。
・令和2年8月、全ての原稿を回収した。
・令和2年12月25日発刊となった。10,000部発刊する。
2) SNSを用いた情報配信事業
・令和2年11月、動画サイトの撮影を開始した
・令和3年2月、3学会合同「がんゲノムネット」特設ウェッブサイトを開設し、3学会(日本臨床腫瘍学会、日本癌学会、日本癌治療学会)のホームページに掲載した。
3) 患者、家族、市民を対象とした情報伝達
・令和2年10月3日(土)、第36回日本癌学会市民公開講座で、「よくわかるゲノム医療」と「がんゲノムネット」について講演した。
考察
令和2年1月から、新型コロナウイルスの影響で研究計画が遅れたが、令和2年度に、出版物「よくわかるがんゲノム医療」の刊行とインターネットコンテンツ「がんゲノムネット」をオープンすることができた。
書籍「よくわかるゲノム医療」については、国内すべての、ゲノム中核病院、ゲノム拠点病院、ゲノム連携病院に配布した。又、国立がん研究センター中央病院、がん対策情報部、複数の患者会、学会の患者会のイベント、キャンサーネットジャパンなど、各方面に配布した。
「がんゲノムネット」については、今後、新しい情報を随時アップデートしていく。
令和2年に関しては、コロナ禍のため、対面の会議、委員会の開催が困難であったが、WEB会議を用いた。
・2019年11月26日18:00〜20:00に第8回3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース会議を開催した。
・2020年1月5日(木)18:00〜20:00に第9回3学会合同ゲノム医療推進タスクフォース会議を開催した。
書籍「よくわかるがんゲノム医療」の出版と、SNSコンテンツ「がんゲノムネット」の開設に向けて、内容の最終調整と、3学会の了承を得た。
1) 書籍を用いた情報配信事業
書籍名:「よくわかるゲノム医療」
出版社:医科学出版社
・令和2年5月、がん患者による内容の校閲をふまえ、各執筆者に原稿修正依頼を行った。
・令和2年8月、全ての原稿を回収した。
・令和2年12月25日発刊となった。10,000部発刊する。
2) SNSを用いた情報配信事業
・令和2年11月、動画サイトの撮影を開始した
・令和3年2月、3学会合同「がんゲノムネット」特設ウェッブサイトを開設し、3学会(日本臨床腫瘍学会、日本癌学会、日本癌治療学会)のホームページに掲載した。
3) 患者、家族、市民を対象とした情報伝達
・令和2年10月3日(土)、第36回日本癌学会市民公開講座で、「よくわかるゲノム医療」と「がんゲノムネット」について講演した。
考察
令和2年1月から、新型コロナウイルスの影響で研究計画が遅れたが、令和2年度に、出版物「よくわかるがんゲノム医療」の刊行とインターネットコンテンツ「がんゲノムネット」をオープンすることができた。
書籍「よくわかるゲノム医療」については、国内すべての、ゲノム中核病院、ゲノム拠点病院、ゲノム連携病院に配布した。又、国立がん研究センター中央病院、がん対策情報部、複数の患者会、学会の患者会のイベント、キャンサーネットジャパンなど、各方面に配布した。
「がんゲノムネット」については、今後、新しい情報を随時アップデートしていく。
令和2年に関しては、コロナ禍のため、対面の会議、委員会の開催が困難であったが、WEB会議を用いた。
結論
3年間の研究期間内に、国民を対象とした「がんゲノムネット」のコンテンツ・体制を整えることを達成できた。
公開日・更新日
公開日
2021-07-07
更新日
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