文献情報
文献番号
202008004A
報告書区分
総括
研究課題名
全国がん登録とがん検診のリンケージによるがん検診勧奨
課題番号
H30-がん対策-一般-003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
成松 宏人(神奈川県立がんセンター 臨床研究所 がん予防・情報学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
2,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では市区町村での統計数値の算出とその活用方法の検討実施をおこなうことを目的とする。さらに、職域でのがん検診とがん登録データリンケージの利用での課題を明らかにする。
研究方法
令和2年度は、横浜市及び検診の委託を受ける横浜市医師会とがん検診とがん登録のリンケージを行った。がん検診データは, 2016年から2018年の大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、胃がんの合計1,395,298例を本研究で開発したシステムを通して行った。その過程で複数の名寄せルールの検討を続けた。また、リンケージ後の解析分析データを横浜市医師会の検診部会で共有した。他に、職域のがん検診データの名寄せにはがん登録室への個人情報付き検診データの提供が必要なため企業の個人情報管理に対して、多数の企業が求める情報資産管理の一定の水準を満たす認証であるISMS(Information Security Management System)の取得を行った。同意を得ている複数企業のがん検診データに関して名寄せを行える。
結果と考察
名寄せの作業工程を整理することによって、がん種の拡大及び横浜市規模から他神奈川県下に広げるために自動一致、目視による照合、自動不一致の二つの閾値を設定すること及び名寄せの名前、住所、生年月日の表記のゆれを名寄せのために補正するシステム(クレンジングシステム)の開発を令和元年に引き続き行えた。横浜市検診の2018年の475,634件が1時間半で行うことができた。この時間で行えることは全国2位の人口を持つ当道府県である神奈川の市区町村がん検診に広げることが可能であることが示唆された。がん検診データの質は市区町村により差があるため、リンケージルールに関しては汎用性があるシステムを組んでいるが、時間に関してはまだ未知である。がん検診とがん登録データリンケージによる統計指標の公表によるマスコミ及び社会の反応及び検診事業自体への影響の問題を横浜市及び横浜市医師会と共有してきたが、令和2年度の報告書作成は行った。単に報告書を納品するだけではなく三者が一体となって公表を如何に行うか進めることができる体制で今後も行っていく。横浜市では特に、乳がん検診においてデンスブレストの項目が検診の結果項目にあるが, それらの度合い別の感度特異度算出に加え、感度・特異度に影響する因子を同定するためロジスティック多変量解析等の分析を行っている。
情報資産管理の認証については、ISMS認証を神奈川県がん登録室で取得した。今後は各都道府県単位で企業からの個人情報を用いたデータ利用研究で障害となる可能性があるが、情報管理に理解のある人員や取得の費用など課題は残る。その課題も含めて臨床情報が入っているがん検診データであること、かつ、がん登録データは国が一元管理していることなどから各都道府県単位ではなく一つの部署が受け持つことも検討する必要があると思われるが、各都道府県のがん登録事業では活用に関して費用や人員を含めたかけるコストの差があることでそれを担えるところは限られている。
今後の統計数値の公表方法および利用方法について、当研究班の2人が横浜市検診委員会の委員となり、横浜市・横浜市医師会と共同で当リンケージを活かしていくPDCAサイクルが構築できた。
情報資産管理の認証については、ISMS認証を神奈川県がん登録室で取得した。今後は各都道府県単位で企業からの個人情報を用いたデータ利用研究で障害となる可能性があるが、情報管理に理解のある人員や取得の費用など課題は残る。その課題も含めて臨床情報が入っているがん検診データであること、かつ、がん登録データは国が一元管理していることなどから各都道府県単位ではなく一つの部署が受け持つことも検討する必要があると思われるが、各都道府県のがん登録事業では活用に関して費用や人員を含めたかけるコストの差があることでそれを担えるところは限られている。
今後の統計数値の公表方法および利用方法について、当研究班の2人が横浜市検診委員会の委員となり、横浜市・横浜市医師会と共同で当リンケージを活かしていくPDCAサイクルが構築できた。
結論
横浜市医師会と解析計画書の検討を行い、現場のクエッションを取り入れたさらなる解析を行う予定である。今後も報告書作成のためのみでは無い、現場の意思決定に関われる解析を行える体制を整えていく。またISMSの取得を行った。このことで職域のがん検診データを受領できる体制が作ることができた。ISMS取得に関しては、お金と人の面で多くの都道府県がん登録室単位では重い負担となること、かつ、検診項目のクレンジングが多種にわたることがわかった。国立がん研究センター、群馬県がん登録室や今後の神奈川県がん登録室のような処が全国規模のものを扱えるように拠点化する等の検討が必要であると思われる。職域は神奈川県に関わる多くの企業に広げていく予定である。また、統計指標算出の折のマスコミ向けの検診の知識資料も引き続き作成する。
公開日・更新日
公開日
2021-06-28
更新日
-