文献情報
文献番号
202007019A
報告書区分
総括
研究課題名
子どもの傷害情報の解析に基づいた外傷と傷害予防のための研究
課題番号
20DA1003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
植松 悟子(研究開発法人 国立成育医療研究センター 総合診療部救急診療科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,732,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究の目的:最終的な目標を不慮の事故の発生や、それによる死亡を減らすこととし、本邦の現況から有効な外傷予防策を考案して、母子保健の関係者を対象とした予防策教育プログラムを普及することにより、子どもと保護者らが安心して安全な生活をすることができる。
研究方法
医療機関における外傷予防のための小児外傷例の情報収集
外傷で医療機関を受診した患者を対象として、外傷発生状況、原因、重症度、転帰を調査する。調査票を保護者、医療者の2者から記入してデータ登録を実施する。データサーバーへ登録してデータ解析を実施する。
ナショナルデータベースを用いた子どもの外傷診療の現況把握に関する研究
研究デザイン:NDBレセプト情報の二次データ解析。対象データ:2015年1月~2019年12月までの厚生労働省が保有するレセプト情報(医科・DPC・歯科・調剤)。データ公表は資料2-1参照。
小児の傷害疾病に関わる費用について保護者対象の質問票調査
デザイン:多施設観察研究
主要評価項目:1)直接費用;医療費(入院費、薬剤費、検査費、手術費など)、非医療費(通院費、介護・看護費など)2) 間接費用; 労働損失(家族の労働時間の損失、患者の死亡や後遺症に伴う生産性損失など)。期間:データ収集期間 2021年5月〜2022年3月31日迄。対象:対象医療機関の救急外来を受診した者。調査方法は、電子調査票に保護者が回答を記入する方式。
乳幼児と消費者製品のインタラクションに関する行動データベース作成
デザイン:介入を伴わない観察研究。期間:倫理審査委員会承認後から2022年12月31日迄。データ収集期間:2022年3月31日迄。対象者:0-6歳の乳幼児 10名、保育園・研究機関内でリクルート。適格基準:対象年齢に該当し、かつ、研究説明に同意して同意書をいただける場合。調査方法:1) 調査項目 被検者の基礎情報(年齢、性別、身長、体重、家族構成)、自宅内の間取り・家具配置(子ども用ハイチェア、椅子、ソファー、机、テーブル、テレビ・テレビ台周辺、玩具、その他日常生活で乳幼児が関わる製品)、撮影画像(距離画像、姿勢データ、カラー画像). 2)データ計測方法 Microsoft社Kinect装置を3脚で固定し設置して、距離画像、姿勢データ、カラー画像を取得する。1日2時間程度、1か月に7日間、1か月毎に撮影を継続して最長1年間情報収集する。3)データ収集方法:一般の住宅内において普段生活している時の乳幼児の行動や動作を記録するために、撮影装置にはパーソナルコンピューターを接続して、開始ボタンを押すと、2時間程度撮影をして終了する設定となっている。定期的に被検者自宅に訪問して、東工大学工学院機械系の研究協力者がデータを回収する。
外傷で医療機関を受診した患者を対象として、外傷発生状況、原因、重症度、転帰を調査する。調査票を保護者、医療者の2者から記入してデータ登録を実施する。データサーバーへ登録してデータ解析を実施する。
ナショナルデータベースを用いた子どもの外傷診療の現況把握に関する研究
研究デザイン:NDBレセプト情報の二次データ解析。対象データ:2015年1月~2019年12月までの厚生労働省が保有するレセプト情報(医科・DPC・歯科・調剤)。データ公表は資料2-1参照。
小児の傷害疾病に関わる費用について保護者対象の質問票調査
デザイン:多施設観察研究
主要評価項目:1)直接費用;医療費(入院費、薬剤費、検査費、手術費など)、非医療費(通院費、介護・看護費など)2) 間接費用; 労働損失(家族の労働時間の損失、患者の死亡や後遺症に伴う生産性損失など)。期間:データ収集期間 2021年5月〜2022年3月31日迄。対象:対象医療機関の救急外来を受診した者。調査方法は、電子調査票に保護者が回答を記入する方式。
乳幼児と消費者製品のインタラクションに関する行動データベース作成
デザイン:介入を伴わない観察研究。期間:倫理審査委員会承認後から2022年12月31日迄。データ収集期間:2022年3月31日迄。対象者:0-6歳の乳幼児 10名、保育園・研究機関内でリクルート。適格基準:対象年齢に該当し、かつ、研究説明に同意して同意書をいただける場合。調査方法:1) 調査項目 被検者の基礎情報(年齢、性別、身長、体重、家族構成)、自宅内の間取り・家具配置(子ども用ハイチェア、椅子、ソファー、机、テーブル、テレビ・テレビ台周辺、玩具、その他日常生活で乳幼児が関わる製品)、撮影画像(距離画像、姿勢データ、カラー画像). 2)データ計測方法 Microsoft社Kinect装置を3脚で固定し設置して、距離画像、姿勢データ、カラー画像を取得する。1日2時間程度、1か月に7日間、1か月毎に撮影を継続して最長1年間情報収集する。3)データ収集方法:一般の住宅内において普段生活している時の乳幼児の行動や動作を記録するために、撮影装置にはパーソナルコンピューターを接続して、開始ボタンを押すと、2時間程度撮影をして終了する設定となっている。定期的に被検者自宅に訪問して、東工大学工学院機械系の研究協力者がデータを回収する。
結果と考察
研究結果と考察
研究結果の概要:研究1年目である令和2年度の結果概要は、各研究項目について以下の通りである。
I.効率の良い情報収集のシステムの確立として、保護者及び、医療者からの電子版調査票の開発・作成を行い、データベース基盤の整備を終了した。2021年7月より小児病院多施設データ収集開始、3か月後の転帰を入力してデータ入力が完了するので、2022年10月より順次データ解析予定。1か月で500例程度の症例を蓄積している。
II. NDBデータの抽出項目を決定し、当初の予定通り申請手続きを行なった。データ入手は2021年7-9月頃が目安とされていたが、9月30日の時点でデータ提供はされておらず、問い合わせにより2022年に入ってからとのこと。抽出データの解析方法も決定しており、抽出データ受取を待っている。
III. (Iに付随した研究) 特定の受傷原因や予防策が検討されている小児の外傷に関わる費用として、直接医療費、間接費用を算定する。間接的医療費の評価判定方法により研究デザインをして、電子調査票を作成した。データフローの基盤を整備し、2021年7月よりデータ収集を開始した。9月30日現在、10例程度リクルートが進んでいる。入力開始から6か月後に最終データ入力を行う必要があり、データ入力修了者はまだいないため、結果確認、考察を得る解析はできていない。
IV. 現在3例の測定を開始している。症例1) 生後12か月から開始、症例2) 生後7か月から開始、症例3) 生後13か月から開始。観察期間は1か月から9か月間。姿勢、製品との関係性の抽出を開始した。
研究結果の概要:研究1年目である令和2年度の結果概要は、各研究項目について以下の通りである。
I.効率の良い情報収集のシステムの確立として、保護者及び、医療者からの電子版調査票の開発・作成を行い、データベース基盤の整備を終了した。2021年7月より小児病院多施設データ収集開始、3か月後の転帰を入力してデータ入力が完了するので、2022年10月より順次データ解析予定。1か月で500例程度の症例を蓄積している。
II. NDBデータの抽出項目を決定し、当初の予定通り申請手続きを行なった。データ入手は2021年7-9月頃が目安とされていたが、9月30日の時点でデータ提供はされておらず、問い合わせにより2022年に入ってからとのこと。抽出データの解析方法も決定しており、抽出データ受取を待っている。
III. (Iに付随した研究) 特定の受傷原因や予防策が検討されている小児の外傷に関わる費用として、直接医療費、間接費用を算定する。間接的医療費の評価判定方法により研究デザインをして、電子調査票を作成した。データフローの基盤を整備し、2021年7月よりデータ収集を開始した。9月30日現在、10例程度リクルートが進んでいる。入力開始から6か月後に最終データ入力を行う必要があり、データ入力修了者はまだいないため、結果確認、考察を得る解析はできていない。
IV. 現在3例の測定を開始している。症例1) 生後12か月から開始、症例2) 生後7か月から開始、症例3) 生後13か月から開始。観察期間は1か月から9か月間。姿勢、製品との関係性の抽出を開始した。
結論
2022年7月頃よりデータ収集を開始することができた。NDBデータは予定通り申請中であり、いずれもデータ解析を終了していない。結果を踏まえて予防策策定、普及プログラムを完成する予定である。
公開日・更新日
公開日
2021-07-12
更新日
2022-07-04