都道府県や県型保健所による子育て世代包括支援センターの機能強化支援のための研究

文献情報

文献番号
202007016A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県や県型保健所による子育て世代包括支援センターの機能強化支援のための研究
課題番号
20DA2001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 拓代(公益社団法人母子保健推進会議)
研究分担者(所属機関)
  • 山縣 然太朗(山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座)
  • 山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター 保健センター)
  • 高橋 睦子(吉備国際大学 保健医療福祉学部)
  • 福島 富士子(東邦大学 看護学部看護学科家族・生殖看護学研究室)
  • 上原 里程(京都府立医科大学大学院医学研究科)
  • 上野 昌江(関西医科大学看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
7,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和2年度末までの全国展開が目指された子育て世代包括支援センター(以下、「センター」とする)が未設置の自治体に設置を促進するとともに、都道府県及び県型保健所によるセンターの事業評価を含む機能強化支援を推進し、代表研究者の旧「子育て世代包括支援センターの全国展開に向けた体制構築のための研究」で作成されたセンター業務ガイドライン(改定案)とセンターにおける面談・支援の手引きの普及啓発、及びそれらの効果的研修プログラムの開発を行い、さらに、令和元年12月に公布された改正母子保健法で市区町村における産後ケア事業が努力義務となり令和3年4月に施行されたことからこれと協働し、センターにおける切れ目のない妊娠・出産・子育て期における支援の充実と機能の強化をはかることを目的とする。
研究方法
 以下の3研究内容について、研究者が分担するのでなく連携協力して研究を実施した。
1.センター設置の推進支援
 センター設置率が低い北海道、徳島県、沖縄県の市町村を中心に、道及び県の協力(県型保健所を含む)を得て、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況に応じ対面またはオンラインによる研修を行った。オンラインによる研修は同時配信で保健所に管内自治体が集まっての視聴、または自治体単位での視聴などとした。沖縄県は県が研修を録画しオンデマンド配信を行ったことから、それを事前に視聴して改めて未設置の自治体を中心にオンライン研修を行った。
2.都道府県及び県型保健所のセンター機能強化支援
 1.の研修の実施にあたって道・県や県型保健所に対し、事前に管内自治体のセンター設置の状況把握や、研修当日はグループワークに参加を依頼し、センター機能強化支援検討の一助とした。
3.面談・支援技術の向上推進
 1.の研修において、面談支援及び支援プラン作成についてロールプレイによる研修を行った。オンライン研修ではモデル面談と支援プラン作成のライブ配信を行った。

結果と考察
令和2年度は、年度末までの全国展開が目指されていることから、重点目標を「センター設置の推進」として取り組んだ。
1.センター設置の推進支援
 北海道で2回、徳島県で1回、沖縄県で2回の講義、ロールプレイ、情報交換を内容とした研修を、対面またはオンラインで行った。北海道は道立保健所26か所中14か所の管内から参加があり、沖縄県は県保健所5か所中すべての保健所管内から参加があった。北海道、徳島県、沖縄県の研修のいずれでも道・県もしくは保健所に事前に市町村の疑問や課題についてアンケートをとってもらい、講義内容はそれに応えるものとした。また、オンラインの情報交換では、顔が見える設定ですべての参加者に発言してもらった。管轄保健所が動いたこと、また地理的事情等で各種研修に参加できなかった自治体が参加できるオンライン開催を行ったことから、多くの参加が得られた。センターが何をするところか、またどのように設置したらよいかがわかったとの声があり、研修後に道や県に問い合わせや設置に向けての支援を求める声が寄せられているとのことであった。
2.都道府県及び県型保健所のセンター機能強化支援
 1.において、自治体の状況を把握し、道・県と県型保健所が研修参加を呼びかけ、研修で出てきた意見等のフォローを行ったことが、都道府県及び県型保健所の機能として重要である。センター設置市町村では、保健所が事業計画(Plan)、効果的な事業実施(Do)、当事者及び地域子育て支援の視点から評価(Check)、改善(Act)の効果的なセンター事業の推進を図っていた。このような県型保健所の取組を収集する必要がある。産後ケア事業も含めたセンターの機能強化支援について県型保健所への調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症蔓延下で最前線機関であり、次年度に延期した。
3.面談・支援技術の向上支援
 1.において面談支援と支援プラン作成のロールプレイを、対面実習、またはオンラインによるモデル実習配信を行った。信頼関係づくりと利用者目線に経った面談の重要性が認識された。
結論
 道・県、県型保健所と連携したセンター設置推進の研修を中心に今年度は研究を行った。管内自治体調整等の研修開催のプロセスと、実際の研修への参加、その後のフォロー、またセンター設置の評価の支援など、これはまさしく親子が健康に過ごす予防的支援と地域づくりが一緒になった公衆衛生機能であり、県型保健所の役割であることが明らかになった。
 次年度は県型保健所の産後ケア事業との連携も含めたセンター支援の実際等について調査を行うと共に、設置が進まない地域のみならずいち早く設置が進んだ地域での保健所の支援等の実際を把握し、取組事例集等の作成も検討していきたい。

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202007016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
10,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,521,291円
人件費・謝金 2,714,238円
旅費 1,997,803円
その他 666,679円
間接経費 2,100,000円
合計 10,000,011円

備考

備考
支出が11円多くなりました理由は、年度末の半月分の非常勤職員の支出とラベルシート等の購入した支出が、当初の計算していた金額より11円多くなったためです。今後は正確な見通しのもとに執行いたします。

公開日・更新日

公開日
2023-03-10
更新日
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