我が国における探索的臨床試験等のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200735041A
報告書区分
総括
研究課題名
我が国における探索的臨床試験等のあり方に関する研究
課題番号
H19-医薬-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 俊介(東京大学薬学系大学院)
  • 檜山行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
マイクロドーズ(MD)試験を含む、早期探索的臨床試験実施に向けて、その意義と問題点、実施に向けての手順について、1) 被験者の安全確保と実施手順、2) 被験物質の品質確保、3) 探索的臨床試験の法的・倫理的問題点、について検討する
研究方法
研究班では、医薬品の安全性評価や臨床評価、また企業における医薬品開発の専門家に協力を求め、医薬品開発における探索的臨床試験のあり方とその定義、意義、問題点及び手順、また、被験者の安全性を確保するために必要な非臨床試験の範囲について検討した。なお、探索的臨床試験指針についての草案作成は医薬品開発促進機構(APDD)に委託した。これらを研究班で検討し、研究班としての案を作成した。
結果と考察
現時点で我が国で受け入れられるMD指針案を作成し、厚生労働省医薬食品局に報告した。この案が若干修正された後、2008年12月末にパブコメに付された。案の基本的な考えは、1) MD試験は薬事法に基づく治験として、GCPを遵守して行う。2) 指針は現時点における科学的知見に基づいて検討されたもので、今後の科学技術の進歩等に応じて改訂される。3) 対象は主として通常の低分子化合物、4) MD試験のための被験物質の品質管理は開発段階に応じてflexibleに行う。更に、RI標識化合物の取扱いに関する手順を示した。次いで、MD試験より高用量での早期探索的臨床試験の指針について検討し、非臨床試験から薬効用量を推定する方法を含む、指針案を作成した。
結論
我が国におけるMD試験実施につながる指針案が作られた。また、より高用量での探索的臨床試験実施のための指針案が作られた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200735041C

成果

専門的・学術的観点からの成果
総合科学技術会議で作成を勧告されたマイクロドーズ試験とより高用量での早期探索的臨床試験についての指針案を作成した。この中で早期探索的臨床試験実施に必要な非臨床試験の範囲について考察した。また、非臨床試験結果に基づく安全な初回投与量の設定方法および薬効用量推定方法を示した。
臨床的観点からの成果
医薬品開発のための早期探索的臨床試験を1)マイクロドーズ試験、2)準薬効用量探索的臨床試験、および3)薬効用量探索的臨床試験にわけて定義し、それぞれの実施に必要な非臨床試験の範囲と手順を示したことから、今後の医薬品開発のための臨床試験が加速されると思われる。
ガイドライン等の開発
マイクロドーズ試験についての指針案は厚生労働省より、パブリックコメントに付された。
その他行政的観点からの成果
近日中に厚生労働省よりマイクロドーズ試験実施のための指針およびその被験物質に品質確保のためのGMP指針が通知される予定である。また、今後の医薬品機構での審議に有用な治験届けや治験相談等に関する考えをまとめた。
その他のインパクト
医薬品開発支援機構(APDD)のシンポジウム(2008.3.13)でマイクロドーズ試験指針案について報告した。それに基づいて多面的に議論され、新聞にも報道された。また、5月24日には探索的臨床試験についてAPDDのシンポジウムが開催される予定である。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
探索的臨床試験についての検討経過について報告した。
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
マイクロドーズ臨床試験ガイドラインおよび探索的臨床試験についての検討経過および結果について報告した。
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
マイクロドーズ臨床試験についての指針案がパブリックコメントに付された。
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-30
更新日
-