文献情報
文献番号
202006083A
報告書区分
総括
研究課題名
新興感染症の回復者からの血漿の採取体制の構築に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2089
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
松下 正(名古屋大学 医学部附属病院輸血部)
研究分担者(所属機関)
- 松本 雅則(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部)
- 浜口 功(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
- 長谷川 雄一(筑波大学医学医療系)
- 藤原 慎一郎(自治医科大学 輸血細胞移植部)
- 室井 一男(日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター)
- 田野崎 隆二(慶應義塾大学医学部 輸血・細胞療法センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,150,000円
研究者交替、所属機関変更
なし
研究報告書(概要版)
研究目的
SARS-Cov-2によるCOVID-19の患者を対象に同疾患からの回復者血漿を輸注する報告が相次いでおり、治療法が未確立な新興感染症に対しては、既感染者の回復者血漿を使用した血漿療法・血漿分画製剤(特殊免疫グロブリン製剤)に一定の有効性が示唆されるが、血液事業において現時点では、新興感染症の感染者からの採血について、事業の安全かつ安定的な運営のため、原則実施されていない。他方、欧米では一定期間が経過した回復者の血漿も採血事業者が採漿しており、早期の治療法開発が可能となる基盤が整備されている。このため、COVID-19に限定せず今後新興感染症の国内発生の際、我が国においても迅速に回復者血漿(またはワクチン接種者血漿)を採取する体制を確保し、早期の治療法開発が可能な体制を整える必要がある。本研究では、ドナー保護などの安全性等を検証した上で、回復者からの採血体制の指針を作成するとともに、採漿した血漿を投与する際の指針の作成を行い、これらをもって医療機関、採血事業者、行政機関等の役割や協力体制構築などの方向性を提言することを目的とする。
研究方法
(1)新興感染症発生時の採血体制及び採血等に係る指針等の検討
研究グループにおいて課題を整理し、関係者・関係部署の役割分担基づき検討し、採血体制に係る包括的な指針を作成した。
(2)採血対象者の選定及び採血の実施方法の検討
1.治療医療機関における採血を行う場合の方法の検討
この際、医療機関における通常の業務に支障を来さずに採血が実施できる体制・場所を確保するため、どのような措置を講じるべきか、特に輸血療法の実施指針における安全な院内採血の実施手順に沿って行えるような環境の設定を検討した。
2.事業者による採漿物の収集、および今後採血事業者が直接採血を行う場合の方法を検討した。
(3)採血した血液の安全確保
高感度な病原体検査等、適切かつ安全性の高いスクリーニング手法と貯血期間を短縮又は省略する場合の安全性について検討した。
(4)新興感染症の既感染者をはじめとする高抗体価の対象者からの採血体制等の調査・総括
研究グループにおいて課題を整理し、関係者・関係部署の役割分担基づき検討し、採血体制に係る包括的な指針を作成した。
(2)採血対象者の選定及び採血の実施方法の検討
1.治療医療機関における採血を行う場合の方法の検討
この際、医療機関における通常の業務に支障を来さずに採血が実施できる体制・場所を確保するため、どのような措置を講じるべきか、特に輸血療法の実施指針における安全な院内採血の実施手順に沿って行えるような環境の設定を検討した。
2.事業者による採漿物の収集、および今後採血事業者が直接採血を行う場合の方法を検討した。
(3)採血した血液の安全確保
高感度な病原体検査等、適切かつ安全性の高いスクリーニング手法と貯血期間を短縮又は省略する場合の安全性について検討した。
(4)新興感染症の既感染者をはじめとする高抗体価の対象者からの採血体制等の調査・総括
結果と考察
(1)新興感染症発生時の採血体制及び採血等に係る指針等の検討
本指針についてはv.1.3を令和2年度最終版として発出、各方面において共有した。
(2)採血対象者の選定及び採血の実施方法の検討
1.治療医療機関における採血を行う場合の方法の検討
血漿採取専用スペクトラ オプティアシステムPLTモード標準操作手順書2020(添付文書2)を作成、同時期に研究代表者が分担者として参加中の「COVID-19回復者血漿治療に関する有効性・安全性に関する研究, 研究代表 忽那聡志 国立国際医療センター)」参加施設と共有し、安全に採漿できるようにした。
2.事業者による採漿物の収集、および今後採血事業者が直接採血を行う場合の方法の検討
検査用採血管に貼付するラベル、採取された血漿バッグに貼付するラベル(二次元バーコード付き)を準備した
(3)採血した血液の安全確保
採血した血液の病原体検査を1に示した。現在献血用新鮮凍結血漿において定められている貯留保管は省略することとした。
(4)新興感染症の既感染者をはじめとする高抗体価の対象者からの採血体制等の調査・総括
COVID-19回復者血漿治療に関しては,治療薬として推奨するレベルには至っていないが,安全性に関しては大きな問題は発生していない。またSARS-CoV-2感染後の免疫応答については, 24日程度をピークにIgGが増加し,60日程度はSpike, RBD共に中和活性のある状態で維持されS抗体は100日まで維持される等の情報に基づき,最適な採漿時期を決めることが求められる。
ワクチンに関しては,抗体価も回復者血漿と同レベルであり,1回目接種より2回目接種で抗体価は増強され,2回目接種後28日まで抗体価が持続する。アデノウイルスベクター由来DNAワクチンも同様である。このようなデータに基づき,また日本での臨床試験結果に基づき,ワクチン接種後の採血時期を決定することが望ましい。
考察
本研究班ではまずはアフェレ―シスを安全に実施するため、採血対象者の適格性(選択基準、除外基準)、術前健診項目、安全対策、採取の実施手順、有害事象の予防と対策について、過去のアフェレ―シス(造血幹細胞、リンパ球、血小板)の知見を踏まえ素案を作成し、研究グループにて検討を重ねた。
本指針についてはv.1.3を令和2年度最終版として発出、各方面において共有した。
(2)採血対象者の選定及び採血の実施方法の検討
1.治療医療機関における採血を行う場合の方法の検討
血漿採取専用スペクトラ オプティアシステムPLTモード標準操作手順書2020(添付文書2)を作成、同時期に研究代表者が分担者として参加中の「COVID-19回復者血漿治療に関する有効性・安全性に関する研究, 研究代表 忽那聡志 国立国際医療センター)」参加施設と共有し、安全に採漿できるようにした。
2.事業者による採漿物の収集、および今後採血事業者が直接採血を行う場合の方法の検討
検査用採血管に貼付するラベル、採取された血漿バッグに貼付するラベル(二次元バーコード付き)を準備した
(3)採血した血液の安全確保
採血した血液の病原体検査を1に示した。現在献血用新鮮凍結血漿において定められている貯留保管は省略することとした。
(4)新興感染症の既感染者をはじめとする高抗体価の対象者からの採血体制等の調査・総括
COVID-19回復者血漿治療に関しては,治療薬として推奨するレベルには至っていないが,安全性に関しては大きな問題は発生していない。またSARS-CoV-2感染後の免疫応答については, 24日程度をピークにIgGが増加し,60日程度はSpike, RBD共に中和活性のある状態で維持されS抗体は100日まで維持される等の情報に基づき,最適な採漿時期を決めることが求められる。
ワクチンに関しては,抗体価も回復者血漿と同レベルであり,1回目接種より2回目接種で抗体価は増強され,2回目接種後28日まで抗体価が持続する。アデノウイルスベクター由来DNAワクチンも同様である。このようなデータに基づき,また日本での臨床試験結果に基づき,ワクチン接種後の採血時期を決定することが望ましい。
考察
本研究班ではまずはアフェレ―シスを安全に実施するため、採血対象者の適格性(選択基準、除外基準)、術前健診項目、安全対策、採取の実施手順、有害事象の予防と対策について、過去のアフェレ―シス(造血幹細胞、リンパ球、血小板)の知見を踏まえ素案を作成し、研究グループにて検討を重ねた。
結論
「新興感染症(COVID-19)の回復者からの血漿採取の指針」は、各医療機関における安全なCOVID19回復者からの血漿採取の実施に寄与すると考えられる。また、COVID19以外の新興感染症の発生に対しても、回復者血漿を採取する際の参考になると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2021-11-09
更新日
-