特殊免疫グロブリンの国内製造に係わる基礎整備に関する研究

文献情報

文献番号
200735031A
報告書区分
総括
研究課題名
特殊免疫グロブリンの国内製造に係わる基礎整備に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-027
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
白幡 聡(産業医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤澤 知雄(済生会横浜市東部病院 こどもセンター)
  • 茨 聡(鹿児島市立病院周産期医療センター)
  • 脇坂 明美(日本赤十字社血漿分画センター)
  • 稲葉 頌一(神奈川県赤十字センター)
  • 宮本 誠二(財団法人 化学及血清療法研究所)
  • 小高 千加子(国立感染症研究所)
  • 藤野 昭宏(産業医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」では、基本方針として、国内で使用される血液製剤は、原則として国内で行われる献血により得られた血液を原料として製造される体制を構築すべきであるとしている。このため、医療需要に応えられる血液製剤の供給を献血により確保する努力が積み重ねられ、血漿分画製剤においても、血液凝固因子製剤と通常の人免疫グロブリン製剤については、ほぼ100%の自給が達成されている。一方、特殊人免疫グロブリン製剤(抗HBs人免疫グロブリン、抗D(Rho)人免疫グロブリン、抗破傷風人免疫グロブリン)は、いずれも輸入血漿を用いて製造されている。その理由として、我が国では、高力価の抗体をもつ血漿の確保が難しいことなどがあげられる。本研究では、初年度の調査で、適正使用しても免疫負荷を行わずに特殊免疫グロブリン製剤の原料血漿を国内で確保することは不可能なことが判明したことを受けて、免疫プログラム実施のための基盤整備を行う。


研究方法
抗HBs人免疫グロブリンと抗破傷風人免疫グロブリンの原料血漿を国内献血で確保するために、すでに欧米諸国で実施されている免疫プログラムを参考に、我が国の現状に即した免疫プログラムを検討した。しかし、抗D(Rho)人免疫グロブリンについては、献血希望者が免疫付与に際して感染性病原体の伝播や不規則抗体の発生などの不利益を被る可能性があるので、日本産婦人科医会の協力を得て、高い、抗D(Rho)抗体価わ保有するドナーを探すことにした。
結果と考察
抗HBs人免疫グロブリンと抗破傷風人免疫グロブリンの原料血漿を国内献血により賄うためのガイドラインを策定した。一方、抗D(Rho)人免疫グロブリンについては高い抗体価を保有するドナーを調査したが、必要数確保できなかった。
結論
今後、本ガイドラインに添って、国内献血から原料血漿を確保する体制を整備する必要がある。なお、抗D(Rho)人免疫グロブリンについても、免疫負荷プログラムの策定が必要である。

公開日・更新日

公開日
2008-03-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200735031B
報告書区分
総合
研究課題名
特殊免疫グロブリンの国内製造に係わる基礎整備に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-027
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
白幡 聡(産業医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤澤 知雄(済生会横浜市東部病院 こどもセンター)
  • 茨 聡(鹿児島市立病院 周産期医療センター)
  • 脇坂 明美(日本赤十字社血漿分画センター)
  • 稲葉 頌一(神奈川県赤十字センター)
  • 宮本 誠二(財団法人 化学及血清療法研究所)
  • 小高 千加子(国立感染症研究所)
  • 藤野 昭宏(産業医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」では、基本方針として、国内で使用される血液製剤は、原則として国内で行われる献血により得られた血液を原料として製造される体制を構築すべきであるとしている。このため、医療需要に応えられる血液製剤の供給を献血により確保する努力が積み重ねられ、血漿分画製剤においても、血液凝固因子製剤と通常の人免疫グロブリン製剤については、ほぼ100%の自給が達成されている。一方、特殊人免疫グロブリン製剤と位置づけられる抗HBs人免疫グロブリン、抗D(Rho)人免疫グロブリン、抗破傷風人免疫グロブリンは、いずれも輸入血漿を用いて製造されている。その理由として、我が国では、高力価の抗体をもつ血漿の確保が難しいことなどがあげられる。本研究では、特殊グロブリン製剤の原料血漿を全て国内献血で賄うための基盤整備を検討する。
研究方法
一般の免疫グロブリン製剤のほとんどが国内献血由来の血漿を原料として製造されるようになる中で、特殊免疫グロブリン製剤が取り残されている背景には、我が国の献血制度では、抗体価の高い血漿を十分に収集できないことがある。従って、特殊免疫グロブリン製剤の製造に必要な血漿を確保するためには、新たな体制の導入が必要となる。そこで本研究では、国内外における現状を把握するための調査を行い、その結果をもとに、我が国の現状に即した免疫プログラムの策定を試みた。
結果と考察
それぞれの特殊人免疫グロブリン製剤の国内市場の動向を調査した結果、抗破傷風人免疫グロブリンについては減少傾向にあったが、他の製剤については変動はなかった。原料血漿は抗HBs人免疫グロブリン製剤の3%のみが国内献血血漿から製造されていた。今後の需要の動向から、必要血漿量を推測した結果、適正使用しても免疫負荷を行わずに原料血漿を国内で確保することが不可能なことが明確になったため、抗HBs人免疫グロブリンと抗破傷風人免疫グロブリンの原料血漿を国内献血により賄うためのガイドラインを策定した。一方、抗D(Rho)人免疫グロブリンについては高い抗体価を保有するドナーを調査したが、必要数確保できなかった。
結論
今後、本ガイドラインに添って、国内献血から原料血漿を確保する体制を整備する必要がある。なお、抗D(Rho)人免疫グロブリンについても、免疫負荷プログラムの策定が必要である。

公開日・更新日

公開日
2008-03-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200735031C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究には該当せず。
臨床的観点からの成果
本研究には該当せず。
ガイドライン等の開発
特殊人免疫グロブリン製剤の製造に必要な量の原料血漿を国内献血により確保するための方策を検討し、抗HBs人免疫グロブリンと抗破傷風人免疫グロブリンについて、免疫付与(ワクチン接種)により抗体価を高めたドナーから採漿するためのガイドラインを策定した。特殊免疫グロブリン製剤の国内需給は、厚労省の血液事業部会において、その基本方針が確認されたところであり、本ガイドラインはその実施に向けて具体的な指針となることが期待される。
その他行政的観点からの成果
これまで我が国の献血制度の中には、免疫付与など事前に何らかの負荷をかけてから献血する仕組みはなかった。一方、血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会の報告書の中に、国内自給の必要性とともに、ガイドラインの策定については研究班におけるさらなる検討を踏まえる必要があると述べられている。本ガイドラインは、上記の行政施策に対応するものである。
その他のインパクト
該当なし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-