「専ら医薬品」としての規制の範囲に関する研究

文献情報

文献番号
200735025A
報告書区分
総括
研究課題名
「専ら医薬品」としての規制の範囲に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
海老塚 豊(東京大学大学院薬学系研究科天然物化学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
  • 大塚 英昭(広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 水上 元(名古屋市立大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,380,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では、新規に申請のあった品目について「専ら医薬品」であるかどうか判断するための調査を行うとともに、既に「専ら医薬品」リストに収載されている品目で、判断根拠が不明瞭な成分本質(原材料)について、食薬区分の観点から成分検討等を行う。また、既収載品目等について、基原の確認のための検討を行う。さらに、強壮を標榜する健康食品中の勃起不全(ED)治療薬類似成分の構造決定を行い、PDE5阻害活性を予測する。
研究方法
 品目の成分・本質について国内外の医薬品としての使用実態、毒性、麻薬様作用、含有成分の構造等について文献調査を行うとともに、既収載品目では対象物を入手し、別途、成分検討や分析に関する研究等を遂行した。基原の確認は、成分分析並びに遺伝子解析により遂行した。 ED治療薬類似物質においては、単離構造決定を行うとともに、in silicoで活性を予測した。さらに分析方法の確立を行った。
結果と考察
 検討を行った植物系新規品目のうち、数種の品目について専ら医薬品とすべき成分本質であるものと考察した。既収載品目では、以下の結果が得られた。鳳尾草では発ガン物質ptaquilosideの含有は確認されなかったが、細胞毒性作用を持つプテロシン類を多数含むことが確認された。フタバアオイでは4検体中1検体の地上部からaristolochic acid Iを検出した。本品については現在基原の再確認を行っている。党参では、アルカロイドを含有する可能性が強く示唆された。北朝鮮産のエイジツは、近縁種のテリハノバラである可能性が示唆された。トケイソウ製品について、DNA解析を行った結果、ヨーロッパ薬局方での基原とは異なるPassiflora edulis由来の製品が3割存在した。さらに、健康食品等から新たに発見されたED治療薬類似物質においては、単離構造決定を行うとともに、その活性を予測し専ら医との判断を行った。本研究で関与した化合物はチオデナフィル、ホモチオデナフィル、ノルホンデナフィル、ウデナフィル、ニトロデナフィルである。また、取り締まりのための分析法について検討し、その結果を厚労省に報告した。
結論
 本研究の成果は、厚労省において食薬区分を行う際の基礎資料となる。さらに、専ら医薬品、違法ドラッグ等の監視・指導行政に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-