新型コロナウイルス感染症拡大下における歯科医師臨床研修の継続及び適切な実施に向けた情報通信機器活用法の調査研究

文献情報

文献番号
202006069A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウイルス感染症拡大下における歯科医師臨床研修の継続及び適切な実施に向けた情報通信機器活用法の調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2072
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
長島 正(大阪大学 歯学部附属歯学教育開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 田口 則宏(鹿児島大学 学術研究院医歯学域歯学系 大学院医歯学総合研究科)
  • 則武 加奈子(東京医科歯科大学歯学部附属病院)
  • 野崎 剛徳(大阪大学 歯学部附属病院)
  • 井上 哲(北海道大学大学院 歯学研究院)
  • 長谷川 篤司(昭和大学 歯学部)
  • 和田 尚久(九州大学 大学病院)
  • 竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
5,814,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和2年1月に国内最初の新型コロナウイルスによる感染が報告されたが、その後本感染症は全国に急速に拡大し、歯科医療も大きな影響を受け、研修歯科医が診療できない状況がほぼ2か月にわたって継続する地域も生じた。多くの施設では歯科臨床研修の研修期間が1年であることから、感染拡大による研修中断や症例の制限は研修歯科医の研修実績に対して負の影響を及ぼすことが考えられる。
一方、歯科医師臨床研修制度を安定して運営するためには、研修指導の主体となる指導歯科医の養成とともに、プログラム責任者、研修施設責任者を対象とした研修会などを安定的かつ継続的に実施しなければならない。これらの研修会の多くはワークショップ形式での実施が望ましいとされ、これまでは全国から希望者を募集したうえで、対面形式にて開催されてきたことから、新型コロナウイルス感染拡大の状況下では実施が困難となり、令和2年度に予定されてるものはすべて中止を余儀なくされている。その結果、必要な指導歯科医数を確保できずに研修施設としての要件が維持できない施設が生じるなど、歯科医師臨床研修制度の運営に支障をきたしている。
そこで本研究では、COVID-19 のような感染症が拡大している時期においても継続的に指導体制を構築し、 研修歯科医が安心して歯科医師臨床研修を継続できる環境を整備できるよう、ICTを活用した非対面(オンライン)での指導歯科医講習会等のワークショップ開催方法を検討し、その効果について考察することを目的として実施した。
研究方法
1.オンライン指導歯科医講習会開催に関する研究
まず、指導歯科医講習会等のワークショップをオンラインで実現するために、最適なWEB会議システムを選定するとともに、SGDでグループ討議を行うための作業場(ワークスペース)の実現方法について検討した。
ついで、オンライン指導歯科医講習会の実施要項をまとめるため、厚生労働省の示す開催指針(厚生労働省医政局発第0617001号、平成16年6月17日)によって規定された16時間以上の講習時間の割振り、各セッションの具体的な実施方法を検討した。
以上の手順にて策定した実施要項にしたがって、実際にオンラインでワークショップを開催し、受講者に対して実施したプレ・ポストアンケートの結果からその学習効果を評価した。
2.ICTを活用したオンライン教材の検討
緊急事態宣言の発令などによって、研修歯科医が診療できない状況になった場合に、それを補完できるオンライン教材を開発できる可能性について検討した。
結果と考察
オンラインでのワークショップ開催方法を検討した結果、現在普及しているZoom MeetingsおよびGoogleドライブを併用することでオンラインでのワークショップを開催できることが示された。さらにオンラインでのワークショップのプレアンケート、ポストアンケートの結果は対面のワークショップと大きな差は認められなかった。したがって、オンラインワークショップにおいても、従来の対面での方法と同程度学習効果が得られたものと思われる。
一方、オンラインでのワークショップのために考案したGoogleドライブを用いたグループ作業では、グループ討議から全体討議へのプロダクトの移行がスムーズに行えたことから、は対面でのワークショップでも有効であると考えられる。
研修歯科医の診療による研修を補完するICT等を活用した研修素材について検討を加えた結果、①診療技術および材料が日々進歩していることから、研修素材についてもその都度更新が必要である、②研修素材開発にはそれなりの経費と人的資源が必要となる、③実診療による研修に比べ学習効果が大きく減少する等の理由から、現時点ではその開発は現実的ではないと思われた。
結論
 新型コロナウイルスによる感染が拡大している中でも歯科医師臨床研修制度の安定した運営を図ることを目的として、オンラインでのワークショップ開催方法について検討を加え、以下の結論を得た。
1. Zoom MeetingsおよびGoogleドライブを併用することで、オンラインでもワークショップの実施が可能であることが明らかとなった。さらに、Googleドライブを移用したグループ討議は、従来の対面でのワークショップにおいても有効となる可能性が示された。
2. オンラインワークショップの学習効果は、対面でのワークショップと比較して大きな差のないことが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202006069C

収支報告書

文献番号
202006069Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,558,000円
(2)補助金確定額
3,155,000円
差引額 [(1)-(2)]
4,403,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,120,201円
人件費・謝金 291,550円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 1,744,000円
合計 3,155,751円

備考

備考
研究遂行していくうえで、オンラインで開催されるワークショップを運営するために新たな物品購入が必要となったこと、及び研究遂行していくうえで、オンラインワークショップをサポートする人材としてITスキルを有した人材の協力が必須であると判明し、そのための謝金が増額したため、物件費および人件費が増額となった。
一方、新型コロナウイルス感染の再拡大及び緊急事態宣言の発出のため当初予定していた対面での会議開催がむずかしく、すべてをWEB会議にて行ったこと、および、当初外部委託を予定していた業務について、大学内の学習支援システムを活用することによって問題なく実施できることが判明したことから、旅費およびその他の経費が減額となった。

公開日・更新日

公開日
2021-07-12
更新日
2021-11-16