文献情報
文献番号
202006066A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウイルス感染拡大期における保健所HIV等検査の実施体制の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2069
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 感染症科)
研究分担者(所属機関)
- 今橋 真弓(柳澤 真弓)(名古屋医療センター 臨床研究センター 感染・免疫研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新型コロナウイルス(以下SARS-CoV-2)感染症対策により保健所HIV検査のマンパワーが不足している。また、「保健所における HIV 抗体検査の実施について」(平成3年2月4日付け健政計発第9号・健医感発第9号厚生省健康政策局計画課長・ 保健医療局疾病対策課結核・感染症対策室長連名通知)(以下、平成3年通知)では保健所HIV検査では医師が対面で結果通知と規定され、通常検査では受検者は最低2回の来所が必要となる。2020年1月以降、マンパワー不足と受検者及び検査従事者の双方のSARS-CoV-2感染リスク軽減のため保健所HIV検査を停止・制限している自治体が多く、2021年3月のエイズ動向委員会でも2020年の保健所HIV検査数の減少が報告された。しかしながら、平成3年通知の規定により外部委託を含め、新しい施策の検討・実施は困難であった。
そこで、本研究においては、SARS-CoV-2感染拡大下、①適切な飛沫・接触感染対策、②アウトソーシングによる感染リスクの最小化と保健所業務の効率化、③受検者の安全と安心を実現する新しい保健所HIV等検査を立案・試行し、全国の保健所でも実施可能なモデルを提案するとともに、平成3年通知の改定に係る提言を行う。
そこで、本研究においては、SARS-CoV-2感染拡大下、①適切な飛沫・接触感染対策、②アウトソーシングによる感染リスクの最小化と保健所業務の効率化、③受検者の安全と安心を実現する新しい保健所HIV等検査を立案・試行し、全国の保健所でも実施可能なモデルを提案するとともに、平成3年通知の改定に係る提言を行う。
研究方法
愛知県と共同で実施し、会場を愛知県庁三の丸庁舎地下1階の会議室とする。検査対象はHIV、HBV、HCV、梅毒とし、外部委託の方法として郵送検査キットのシステムを利用する。なお郵送検査の企業の選定は、「HIV検査受検勧奨に関する研究」班における評価を参考として行う。専用のwebサイトからの予約制とする。検査会場ではタブレット端末によるオリエンテーションを行う。オリエンテーション終了後、受検者は郵送検査キットを用いて検体を自己採取する。郵送検査キット会社宛ての郵送用封筒は、検査会場出口で回収しまとめて投函する。受検者は帰宅後、数日を経てQRコードから郵送検査キット会社の特設サイトの結果確認画面にアクセスし結果を確認する。要精査・要医療受検者に対しては、郵送検査キット会社もしくは協力支援団体が窓口となり、HIVについては保健所もしくは名古屋医療センターでの確認検査の受検案内を行う。要精査・要医療受検者の追跡は、保健所での確認検査実施、発行した紹介状への返信を以って確認する。
結果と考察
最寄りの地下鉄名城線市役所駅から徒歩5分の位置にある愛知県庁三の丸庁舎地下1階会議室を会場とし、2020年12月から2021年1月の間に合計5日間実施した。80人の予約に対し、71人(88%)が実際に受検した。受検者の平均検査会場滞在時間は22分であった。
受検者71人の内アンケートに回答したのは70人(98.6%)であった。52%が本検査が生涯初めてのHIV検査であった。検査結果は70人(98.6%)の受検者が確認した。HIVスクリーニング陽性2名は他の性感染症スクリーニング目的で受検した名古屋医療センターに定期受通院中のHIV陽性者であった。HBs抗原およびHCV抗体陽性者はいなかった。TP抗体陽性者は10人(14.1%)で3人に医療機関案内状が発行された。
本研究での成果も併せて検討された結果、「保健所における HIV 検査の実施について」(令和3年3月11日付け健感発0311第3号 健発0311第8号厚生労働省健康局結核感染症課長・厚生労働省健康局健康課長連名通知)が発出された。
SARS-CoV-2等の飛沫・接触感染リスクを低減し、少ないマンパワーによる効率的な保健所HIV検査が可能になる。また、郵送検査キットのシステムを活用により施設や設備に制限なく実施可能なHIV検査機会提供方法の確立が可能である。今回検討した方法等であれば、外的要因の影響の最小化による保健所検査体制の維持に貢献する可能性がある。
適切な外部委託等で要確認検査受検者対応への人的資源の集中により確実な医療機関への橋渡しが可能になる。業務の効率化と質の向上により保健所検査の受検者増加が期待される。HIV検査等機会提供増が国民のHIV statusの確認機会増につながり、早期発見・早期治療による新規発生届出数減とエイズ発症阻止に貢献することが期待される。
受検者71人の内アンケートに回答したのは70人(98.6%)であった。52%が本検査が生涯初めてのHIV検査であった。検査結果は70人(98.6%)の受検者が確認した。HIVスクリーニング陽性2名は他の性感染症スクリーニング目的で受検した名古屋医療センターに定期受通院中のHIV陽性者であった。HBs抗原およびHCV抗体陽性者はいなかった。TP抗体陽性者は10人(14.1%)で3人に医療機関案内状が発行された。
本研究での成果も併せて検討された結果、「保健所における HIV 検査の実施について」(令和3年3月11日付け健感発0311第3号 健発0311第8号厚生労働省健康局結核感染症課長・厚生労働省健康局健康課長連名通知)が発出された。
SARS-CoV-2等の飛沫・接触感染リスクを低減し、少ないマンパワーによる効率的な保健所HIV検査が可能になる。また、郵送検査キットのシステムを活用により施設や設備に制限なく実施可能なHIV検査機会提供方法の確立が可能である。今回検討した方法等であれば、外的要因の影響の最小化による保健所検査体制の維持に貢献する可能性がある。
適切な外部委託等で要確認検査受検者対応への人的資源の集中により確実な医療機関への橋渡しが可能になる。業務の効率化と質の向上により保健所検査の受検者増加が期待される。HIV検査等機会提供増が国民のHIV statusの確認機会増につながり、早期発見・早期治療による新規発生届出数減とエイズ発症阻止に貢献することが期待される。
結論
SARS-CoV-2感染拡大による保健所HIV検査受検者数の減少の課題を受け、外部委託・アウトソーシングの一例として既存の郵送検査キットのシステムを活用したHIV等検査を実施した。本研究成果を通じて保健所HIV検査に関する新たな通知が発出された。今後、保健所HIV検査に外部委託導入等の工夫により、SARS-CoV-2感染拡大下での対策としてのみならず、保健所における無料匿名HIV検査の利便性向上による受検者数増加につながる可能性がある。
公開日・更新日
公開日
2021-10-21
更新日
2022-06-10