国際化を踏まえた医薬品・医療機器の安全性情報の伝達に関する研究

文献情報

文献番号
200735019A
報告書区分
総括
研究課題名
国際化を踏まえた医薬品・医療機器の安全性情報の伝達に関する研究
課題番号
H18-医薬-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 美保子(川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部医療情報学科)
研究分担者(所属機関)
  • 横井英人(香川大学医学部附属病院)
  • 小出大介(東京大学大学院)
  • 柏木公一(国立看護大学校)
  • 武隈良治((財)医療情報システム開発センター)
  • 土屋文人(東京医科歯科大学歯学部付属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国際化を踏まえて医療機関、関連企業、行政機関にわたる医薬品、医療機器安全性情報の円滑な電子伝達を推進することを目的とする。
研究方法
①医療機器安全性報告に関する国際協調会議にて情報収集を行う。用語集の作成・編集、維持、配布に資するツールを試作する。②HL7における個別症例安全性報告(Individual Case Safety Report: ICSR)と、ICH版ICSRの相違を明らかにする。UMINのICSRシステムについて操作性を検討する。④安全性情報に関する標準用語集について調査する。⑤MedDRA/Jと標準病名マスターとの関係を分析する。⑤医薬品辞書の標準化に関し、剤形を中心に検討する。
結果と考察
①医療機器用語集についてツールを試作し、用語集受領に関するClaML(用語集情報の交換方法)の有用性を認めた。本邦で運用しているN32に基づいた不具合報告様式と欧州で実験中のN87様式との異同について検討が必要である。②ICH版ICSRとHL7版では、対象などについて大きな違いがある。細部の相違点については実運用上の観点から検討が必要である。③既存の用語集、規格等の調査を行った。既存の分類体系を構成している分類ルールの抽出、分類ルールの標準化とその交換メッセージの標準化が重要である。④標準病名マスターとMedDRA/Jではポリシーの違いが明らかで、マッチングはかなり困難である。病理に関する用語の粒度の違いなどの課題に取り組む必要がある。⑤医薬品辞書の標準化に関し、剤形を取り上げ、内服薬について新たな区分を試作した。単に剤形を示す用語のみならず、製剤学上の工夫を示す形容詞や接尾語を含む形で剤形を定義することが必要である。
結論
医療機器用語集のためのツールを試作し、用語集受領に関するClaMLの有用性を認めた。個別症例安全性報告(ICSR)のHL7版とICH版について相違点が明らかになった。用語集については、分類体系を構成する分類ルールの抽出、分類ルールの標準化とその交換メッセージの標準化が重要である。MedDRAと病名マスターのマッチングは困難な状況であり、病理に関する用語の粒度の違いなどの検討課題がある。医薬品辞書の標準化において、剤形については、単に剤形を示す用語のみならず、製剤学上の工夫を示す形容詞や接尾語を含む形で剤形を定義する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-04-18
更新日
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