文献情報
文献番号
199700407A
報告書区分
総括
研究課題名
野菜の安全性に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
島田 俊雄(国立感染症研究所腸管系細菌室長)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 食品衛生調査研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
貝割れ大根やメロンによる0157事例、米国のイチゴによるサイクロスポーラ感染症、アルファルファによるサルモネラ食中毒など従来安全と考えられてきた野菜や果物を原因とする食中毒が発生し、その対応が早急に求められている。これらの対策の基礎資料を得るために、野菜等による食中毒の発生状況や病原体汚染状況および野菜等からの病原体の検出方法に関する国内外の文献調査を実施した。
研究方法
PubMed(Library of Medicine)システム等により関連文献を検索した。また、主な国外内の関連雑誌(1978-1997)による文献調査を実施した。
結果と考察
結果=国内における野菜類からの病原菌検出は、サルモネラがカット野菜7/38(18%)、セレウス菌が圃場野菜54/98(55%)、市販野菜25/114(20%)、カット野菜10/80(13%)に検出されれている。また、市販生食野菜については、下痢原性大腸菌が路地培養したもので31/270(11%)、水耕培養で40/I59(25%)、種で4/27(15%)であったが、腸管出血性大腸菌やサルモネラは検出されていない。
生食用野菜および果物のおける各種病原体の汚染状況は、赤痢菌-エジプトの市販野菜(1.2%);サルモネラ-オランダのレタス等(22.3%)、イタリアのレタス(70.2%)、スペインのキャベツ等(8.1%)、タイのモヤシ(8.7%)、米国メロン(メキシコ産)(1%);腸管出血性大腸菌0157-メキシコのキャベツ等(19.1%)であった。
国内外の食品等ついてのサルモネラや0157の検出方法に関する文献を検索したところ、野菜等からの検出法について言及したものはあまり見られない。
考察=米国における野菜や果物による食中毒事例の増大の原因は汚染国からの輸入の増加、生産から消費までの時間の延長、消費者の嗜好による化学肥料から堆肥利用への転換、サラダバー形式の店舗の増加、高齢者や免疫の低下の人びとの増加等がその要因であろうと考察している。
生食用野菜および果物の病原体の汚染状況は、赤痢菌(エジプト、市販野菜)、サルモネラ(オランダ、レタス;イタリア、レタス;スペイン、キャベツ;タイ、モヤシ;米国、メキシコ産メロン)、腸管出血性大腸菌0157(メキシコ、キャベツ)が分離されており、生野菜が危険な病原菌の汚染を受けていることが判明した。
国内外の野菜等からのサルモネラや腸管出血性大腸菌0157の検出方法に関する文献は極めて少なく、早急に検査方法の確立が待たれる。
野菜や果物は肉や魚介類とはかなり異なり、検体をストマッカーやミキサー処理をした場合にはそのpHの酸性化や、乳化さてた検体中の杭菌作用等に関する研究はこれまであまりみられず、また検体中の損傷菌に対する前培養や分離培地等の研究も重要であり、これらについても基礎的な検討を試みる必要がある。
生食用野菜および果物のおける各種病原体の汚染状況は、赤痢菌-エジプトの市販野菜(1.2%);サルモネラ-オランダのレタス等(22.3%)、イタリアのレタス(70.2%)、スペインのキャベツ等(8.1%)、タイのモヤシ(8.7%)、米国メロン(メキシコ産)(1%);腸管出血性大腸菌0157-メキシコのキャベツ等(19.1%)であった。
国内外の食品等ついてのサルモネラや0157の検出方法に関する文献を検索したところ、野菜等からの検出法について言及したものはあまり見られない。
考察=米国における野菜や果物による食中毒事例の増大の原因は汚染国からの輸入の増加、生産から消費までの時間の延長、消費者の嗜好による化学肥料から堆肥利用への転換、サラダバー形式の店舗の増加、高齢者や免疫の低下の人びとの増加等がその要因であろうと考察している。
生食用野菜および果物の病原体の汚染状況は、赤痢菌(エジプト、市販野菜)、サルモネラ(オランダ、レタス;イタリア、レタス;スペイン、キャベツ;タイ、モヤシ;米国、メキシコ産メロン)、腸管出血性大腸菌0157(メキシコ、キャベツ)が分離されており、生野菜が危険な病原菌の汚染を受けていることが判明した。
国内外の野菜等からのサルモネラや腸管出血性大腸菌0157の検出方法に関する文献は極めて少なく、早急に検査方法の確立が待たれる。
野菜や果物は肉や魚介類とはかなり異なり、検体をストマッカーやミキサー処理をした場合にはそのpHの酸性化や、乳化さてた検体中の杭菌作用等に関する研究はこれまであまりみられず、また検体中の損傷菌に対する前培養や分離培地等の研究も重要であり、これらについても基礎的な検討を試みる必要がある。
結論
野菜や果物からのサルモネラ、腸管出血性大腸菌0157、サイクロスポラ等の検出方法に関する国内外の文献検索を実施したところ、それらに関する文献は少なく、早急に野菜や果物からの病原体の検査方法を確立しなければならない。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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