文献情報
文献番号
202006044A
報告書区分
総括
研究課題名
新型コロナウイルス感染症に対応した新しい生活様式による生活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究ー生活習慣病の発症および重症化予防の観点からー
課題番号
20CA2046
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 岡 浩一朗(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
- 平井 啓(大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター/大学院医学系研究科生体機能補完医学講座/人間科学研究)
- 藤田 卓仙(慶應義塾大学 医学部)
- 中谷 英仁(静岡県立総合病院 リサーチサポートセンター 統計解析室)
- 佐藤 洋子(静岡県立総合病院リサーチサポートセンター統計解析室)
- 橋爪 真弘(東京大学大学院医学系研究科)
- 門田 守人(一般社団法人 日本医学会連合)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
247,357,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新型コロナウイルス感染症アウトブレイク後、就労形態の変化や外出制限、社会参加の減少、人との関わりの変化などにより、食事、運動等の身体活動量、睡眠など、様々な生活習慣に変化が生じている。これらの生活習慣は、生活習慣病の危険因子や予防因子となっているため、生活習慣の変化によって、疾患の発生や進行にも影響を与えることが予測される。また、生活習慣や環境の変化は、幸福感や well-being、ストレス、周囲との関係などにも影響を与えることが知られているため、新型コロナ対策による急激な生活習慣や環境の変化、その後の新しい生活様式への切り替えは、これらの心理社会的要因を通して、健康の維持・増進に関わる行動、ひいては疾患リスクや健康状態にも影響を与えることが考えられる。そこで本研究では、新しい生活様式およびそれに関連する要因として、食事、運動等の身体活動量、就労・社会活動、社会とのつながり、ストレスなどの様々な生活習慣や心理社会的要因などの実態とその変化を1万人規模の全国インターネット調査により把握し、疾患リスクや疾患発生率、重症化等の予測を行い、生活習慣病の発症や重症化予防、健康増進支援に資するエビデンスを創出することを目的とする。
また、生活習慣の変化や新しい生活様式の定着には、個人個人の新型コロナに対するリスク認識も影響を与えると考えられる。リスク認識は、患者数や感染リスクだけでなく、知識や学歴、職業といったバックグラウンド、どのような媒体から情報を得ているかによって異なることが予想される。そこで、リスク認識及びリスク認識に影響を与える要因を明らかにすることによって、緊急事態時に公的機関から健康影響に関する情報提供を行う際の方法や留意点等のヘルスコミュニケーションやリスクコミュニケーションに関するエビデンスを得ることも本研究の目的とする。
また、生活習慣の変化や新しい生活様式の定着には、個人個人の新型コロナに対するリスク認識も影響を与えると考えられる。リスク認識は、患者数や感染リスクだけでなく、知識や学歴、職業といったバックグラウンド、どのような媒体から情報を得ているかによって異なることが予想される。そこで、リスク認識及びリスク認識に影響を与える要因を明らかにすることによって、緊急事態時に公的機関から健康影響に関する情報提供を行う際の方法や留意点等のヘルスコミュニケーションやリスクコミュニケーションに関するエビデンスを得ることも本研究の目的とする。
研究方法
ネットリサーチ会社モニターを用いたインターネット調査
結果と考察
調査結果より、男女合わせた結果であるものの、コロナ期間に対象者が健康になったか、そうでなかったかについて、一定の傾向は見られなかった。平均値で見ると、健康方向への変化として、喫煙率低下、睡眠時間の増加、飲酒量の減少、毎日飲む人の割合の減少が下がる、などが見られたが、逆に不健康方向への変化として、METsの減少、1日当たりの平均歩数の減少、健康診断、がん検診受診者の減少などが見られた。また、体重やそれに伴うBMIの変化は、若干の増加がみられたが、これらは一概に健康方向、不健康方向のどちらとも判断できないものである。
結論
今後、男女別の解析や、疾患リスクの予測、新しい生活習慣の実践状況、リスクに対する認識などとの関連を調べることによって、より様々な仮説を検討する。継続調査については、来年度以降、研究費を確保できた段階で実施する。
公開日・更新日
公開日
2022-07-25
更新日
-