文献情報
文献番号
202006039A
報告書区分
総括
研究課題名
新興・再興感染症発生時に備えた配食サービスの強靱化に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2041
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
横山 友里(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
研究分担者(所属機関)
- 西村 一弘(駒沢女子大学 人間健康学部 健康栄養学科)
- 吉崎 貴大(東洋大学 食環境科学部食環境科学科)
- 串田 修(静岡県立大学 食品栄養科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
2,987,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
配食サービスの主要利用者層である地域高齢者及び配食事業者を対象とした調査を実施し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況下(以下、コロナ禍)における地域高齢者の配食利用に関するニーズ、配食利用状況とその関連要因や、配食事業者のサービス提供体制とその課題を明らかにすることを目的とした。
研究方法
地域高齢者を対象とした調査では、埼玉県H町在住の要介護1以上の認定を受けていない65歳以上の住民(施設入所者除く)、5,439名を対象に自記式郵送調査を実施した。調査対象者5,439名のうち、3,603名を解析対象者とした(有効回答率66.2%)。また、事業者を対象とした調査では、調査協力を依頼した23社のうち、調査協力への同意が得られた事業者13社を対象に、質問紙調査にて事業者の基本属性を把握するとともに、半構造化面接法にてインタビュー調査を実施した。配食事業者のサービス提供体制と課題は事業者の対象地域、業態、サービスの特性をふまえて、グループA(対象地域が全国規模であり、冷凍弁当を中心に取り扱い、主に宅配便で提供する通販型)とグループB(対象地域が小~大規模であり、チルド弁当を中心に取り扱い、主に自前でお届けする地域密着型(安否確認などの自治体からの委託事業有))に分けて傾向を整理した。
結果と考察
地域高齢者を対象に、郵送調査を行った結果、配食サービスの利用者は3.4%であり、配食サービスの利用者は、非利用者に比べて、75歳以上、独居、介護保険の認定あり、外出頻度が少ない、半年間の体重減少あり、フレイルのリスクあり、高次生活機能が低い、ヘルスリテラシーが低い、食事回数が少ない、調理の頻度が低い、中食の利用頻度が高い、買い物に困難感を感じている、食事療法の必要な者の割合が高いといった特徴が示された。本研究で示された顕在的に利用ニーズを有する者のほか、地域高齢者の中には潜在的に利用ニーズを有する者も一定数存在することが考えられるため、コロナ禍のような特殊な状況下においても地域高齢者が配食サービスを円滑に利用できる体制を今後構築していく必要があると考えられた。また、コロナ禍における配食事業者のサービス提供体制に関するインタビュー調査を行った結果、事業者の業態やサービスの特性の違いにより、様々な提供体制の変化、課題が挙がった。提供体制の課題については、配送面での課題が多く挙げられ、感染対策、食数や利用者の増加に対する提供体制の整備、受注業務に関する課題、人材確保等が挙げられた。また、グループAの事業者においては、医療機関での栄養指導等の減少により、患者に対して配食サービスを紹介する機会が減少していることが課題として挙げられた。グループBの事業者においては、安否確認等の自治体の委託事業を受託しているものの、見守りや安否確認が対面でできず、利用者の様子が把握しづらいなどの課題が挙げられた。本研究で明らかになったコロナ禍の提供体制の実態や課題等をふまえ、配食事業者および公的配食サービスを担う自治体担当者においては、COVID-19をはじめとする感染症の流行に備えて、安定供給可能な体制と、新規利用者となり得る対象へのアクセス網の構築を適宜検討しておくことが望ましいと考えられた。
結論
本研究成果は、長期化が見込まれるコロナ禍をはじめ、今後起こりうる新興・再興感染症発生時に備えた配食事業の強靭化に向けた基礎資料として活用されることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2022-03-25
更新日
-