超高速・簡便な遺伝子組換え食品の新規確定検査法の開発

文献情報

文献番号
200734049A
報告書区分
総括
研究課題名
超高速・簡便な遺伝子組換え食品の新規確定検査法の開発
課題番号
H19-食品-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
張替 直輝(武庫川女子大学薬学部ゲノム機能解析学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 温子(武庫川女子大学薬学部ゲノム機能解析学教室)
  • 齋藤 晋(住友ベークライト㈱S-バイオ開発部)
  • 阿部 碧(住友ベークライト㈱S-バイオ開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、穀物だけでなく食品などからも遺伝子組換え食品(GMO)を短時間で簡便に検出できる新規測定法を開発することによって、GMOを使用した食品の正確な情報提供と多くの研究及び検査機関のGMO検査への参加を促進することである。本研究では、(1) GMO混入量の重量%算出、(2) 複数遺伝子の同時検出、(3) 加工処理の影響の軽微化、(4) 分析工程の簡略化の4項目に着目し、それらの解決法として内部標準法とワンポットPCR法の開発を行った。
研究方法
内部標準法では、標準プラスミドを添加した食品サンプルから、DNeasy Plant Miniキットの使用法を一部改変してDNA抽出を行った。そのDNAサンプルを直接定量PCRで分析し、算出したGMO遺伝子のコピー数を標準プラスミドのコピー数で補正することでGMO含有量を算出した。
ワンポットPCR法では、食品サンプル溶解液を対象遺伝子補足用オリゴが固定されたPCRチューブに添加してハイブリダイゼーションにて対象遺伝子を抽出した。更に、そのPCRチューブにPCR試薬を添加して定量PCRを行った。今回、大豆のレクチン遺伝子にて、固定オリゴの配列及び濃度、ハイブリダイゼーションの時間及び温度、共雑物質の影響、加工処理の影響などの基礎検討を行った。
結果と考察
内部標準法によって、従来の公定法ではできなかった食品中のGMOの重量%算出及びDNA抽出工程の簡略化をすることができた。更に、Duplex定量PCRを組み合わせることで、一回の定量PCRでGMO遺伝子と標準プラスミドのコピー数を算出することができた。
ワンポットPCR法では、レクチン遺伝子の基礎検討を元に作成した条件を使用して、GM大豆溶解液からGMO遺伝子を濃度依存的に検出することができた。
結論
この二つの方法は、迅速で簡便だけでなく、穀物や食品からのGMOの重量%算出に対しても有用な方法であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-06-04
更新日
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