細菌性食中毒の防止対策に関する研究

文献情報

文献番号
200734044A
報告書区分
総括
研究課題名
細菌性食中毒の防止対策に関する研究
課題番号
H19-食品-一般-015
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
熊谷 進(東京大学 大学院農学生命科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 茂貴(国立医薬品食品研究所)
  • 工藤 由起子(国立医薬品食品研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.食品の製造加工機器の衛生管理に関する研究:食品の製造加工に用いられる機器について、食中毒細菌汚染防止の観点から機器の衛生要件を究明する。
2.鶏卵の日付表示によるサルモネラ食中毒防止の経済効果:サルモネラ食中毒防止対策の一環として平成11年度に導入された鶏卵の日付表示義務によるサルモネラ食中毒防止の経済効果を推定する。
3.腸炎ビブリオ食中毒の防止対策に関する研究:腸炎ビブリオによる二枚貝の汚染実態を究明する。
研究方法
1.日本工業規格における安全衛生に関わる基準を精査した。乳・乳製品製造工場、食肉加工品製造工場、食鳥処理工場で用いられている機器について実施調査を行なった。サルモネラ菌株をボルト上に接種してから、生残菌数の変化を測定した
2.鶏卵の日付表示義務に伴う社会的費用項目および社会的便益項目を整理した。定量化可能な社会的費用として、GPセンターが日付表示のために導入した新規機器の導入コストおよびランニングコストを抽出した。
3.平成13年の汚染実態調査と同じ地域で得た2枚貝の腸炎ビブリオ汚染実態を同じ方法で調査した。
結果と考察
1.日本工業規格の基準の一部について食中毒菌を用いたデータ的裏づけを得ることが必要であると考えられた。ボルトとナットにおける菌の生残に及ぼす材質と菌液の影響が認められた。
2. 2000年から2004年の5年間を評価対象期間とした費用便益比は7.64と推定された。鶏卵の日付表示の導入効果だけでなく他の要因の効果が含まれるため、この数値は過大推計されている可能性がある。
3.腸炎ビブリオは75.7%の検体から分離され、tdh遺伝子は6.9%の検体で陽性、平成13年の調査時とほぼ同等であった。今後は、対策の取られた項目について調査する必要がある。
結論
食品の製造加工に用いられる機器について、衛生上の問題点を見出すとともに、ボルト上における菌の生残の知見を得た。鶏卵の日付表示義務に伴う費用便益比などの推定値を得た。2枚貝の腸炎ビブリオ汚染実態の現状を見出した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
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