ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究

文献情報

文献番号
202006011A
報告書区分
総括
研究課題名
ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20CA2011
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
中村 健一(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
5,544,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品規制調和国際会議(ICH)における最重要ガイドラインの1つであるICH-GCPが大改定されようとしている。ICHは各国の規制当局と産業界がメンバーとして構成される組織だが、ICH-GCPの改定に当たっては研究の実施主体となるアカデミアや被験者など各ステークホルダーの立場や意見を十分に取り入れる方針が示された。本研究は、ICHの要請を踏まえつつ、国内のアカデミアや被験者など様々な立場におけるICH-GCPに対する意見を調査し、それらの意見の精査した上で、日本のステークホルダーの意見をICH-GCP改定に反映させることを目指して実施された。
研究方法
第一回班会議で決定された内容に基づき、臨床試験に積極的に取り組む臨床研究中核病院および国立高度医療専門研究センターの研究者や研究支援者を対象にウェブアンケートを行い、第二回班会議での研究分担者からの意見を踏まえ、アカデミアの観点からのICH-GCP改定に対する提言をとりまとめた。その後、各患者団体や倫理審査委員会委員など、患者・一般の立場を代表する者からの意見聴取を行い、その意見を取り入れた上で最終的な提言をとりまとめ、ICHへ提出した。
結果と考察
主な提言のポイントとしては、ICH-GCPの適用範囲の明確化、重要度との釣り合いが取れた情報収集や記録保管、品質確保を行うべきこと、多様な倫理審査委員会の委員構成、モニタリング手法の多様化、電磁的同意などデジタルテクノロジーの活用といった点が含まれる。また、リアルワールドデータやレジストリデータの活用に際しての信頼性水準のあり方についても提言を行った。
結論
本研究班によって行われたウェブアンケートの結果、および、最終的な提言はICH Expert Working Groupに提供され、ICH-GCP改定へ向けた資料として活用されている。ICH-GCPの改定作業は令和3年度以降も継続して行われるため、日本からの提言を改定に取り込むよう働きかけ、改定作業の中で持ち上がった新たな問題について検討を継続する。

公開日・更新日

公開日
2021-07-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202006011C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究班では医薬品規制調和国際会議(ICH)における最重要ガイドラインの1つであるICH-GCP の改定について、アカデミアや被験者の立場からの多様な意見をとりまとめた上で最終的な提言を策定し、ICH-GCP改定のワーキンググループに提言を行った。さらにICH会合等で提言の内容について複数回の発表を行い、提言の説明を行った。グローバルなガイドラインであるICH-GCPに対して、日本からの意見のインプットを行ったことの意義は大きい。
臨床的観点からの成果
本研究班による提言のポイントとしては、ICH-GCPの適用範囲の明確化、重要度との釣り合いが取れた情報収集や記録保管、品質確保を行うべきこと、多様な倫理審査委員会の委員構成、モニタリング手法の多様化、電磁的同意などデジタルテクノロジーの活用といった点が挙げられる。また、リアルワールドデータやレジストリデータの活用に際しての信頼性水準のあり方といった臨床的に重要なポイントについても提言を行った。
ガイドライン等の開発
2020年11月16日のICH E6 Expert Working Groupで研究班からの提言の概要について発表および質疑を行い、さらに2021年4月20日のExpert Working Groupでも最終的な提言の内容についての発表および質疑を行った。
その他行政的観点からの成果
今後のICH E6 Expert Working Groupにおける、改定作業に本研究班からの提言が取り込まれることが期待される。
その他のインパクト
2020年12月17日、厚生労働省/PMDA/製薬協共催のGCPリノベーションセミナーで研究班の活用を発表した。2021年5月17日と18日の2日間、ICH主催のpublic web conferenceで全世界からの参加者を対象に日本からのICH-GCP改定に向けての問題意識を発表し、日本からの意見の浸透を図った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
2020年12月17日、厚生労働省/PMDA/製薬協共催のGCPリノベーションセミナーで研究班の活用を発表した。2021年12月9日日本臨床薬理学会。
学会発表(国際学会等)
1件
2021年5月17日と18日の2日間、ICH主催のpublic web conferenceで全世界からの参加者を対象に日本からのICH-GCP改定に向けての問題意識を発表し、日本からの意見の浸透を図
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kenichi Nakamura, Hitoshi Ozawa, Taro Shibata, et al.
Survey Results and Recommendations from Japanese Stakeholders for Good Clinical Practice Renovation.
Therapeutic innovation & regulatory science , 56 (2) , 220-229  (2021)
10.1007/s43441-021-00350-4

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
2025-06-04

収支報告書

文献番号
202006011Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,207,000円
(2)補助金確定額
4,903,000円
差引額 [(1)-(2)]
2,304,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 2,878,000円
旅費 0円
その他 362,000円
間接経費 1,663,000円
合計 4,903,000円

備考

備考
世界的なパンデミックの影響で予定されていたアテネでのICH会合が中止となり、代替オンライン会合が開催され、さらに研究班としての会合もすべてオンラインで開催したため計上していた旅費について余剰が生じた。

公開日・更新日

公開日
2022-04-13
更新日
-