重金属等を含む食品の安全性に関する研究

文献情報

文献番号
200734037A
報告書区分
総括
研究課題名
重金属等を含む食品の安全性に関する研究
課題番号
H19-食品-一般-008
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
香山 不二雄(自治医科大学 地域医療学センター、環境医学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 兵剛(自治医科大学 地域医療学センター 環境医学部門)
  • 佐々木 敏((独)国立健康栄養研究所)
  • 中井 里史(横浜国立大学大学院環境情報研究院環境疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.食品中カドミウムの健康影響評価は、国内でもカドミウム曝露の高い地域を含んだ全国9カ所の調査、被験者総数2,400名について継続的にコホートの健康影響に関して追跡調査を行う。
2.海産物にはカドミウム、ヒ素、メチル水銀が多いものがあり、その曝露評価のためには、実際の濃度や化学型ごとの濃度が必要であり、それぞれの曝露量の評価を行う。この調査結果は、日本の伝統的食習慣がもたらす健康リスクをどのように評価すべきかについての貴重な資料を提供することになる。
研究方法
1.カドミウム曝露のもっとも高かったE地域で、前年の調査で尿中カドミウム濃度が10µg/g crであった被験者を再度、腎機能検査を実施した。
2.曝露調査を行うために、佐々木敏の作成した自記式食事歴調査表(Dietary History Questionnair: DHQ)を基盤としてそれに質問表を追加して、重金属の曝露評価できるように作成する。すなわちDHQ(主要な食品147品目)に22の魚介類、海藻の摂取に関する質問票を作成し、DHQと共に追加して実施する。過去および今回の疫学調査で集められた食品摂取量のデータベース(DHQ)と追加質問票のデータベースと、農林水産省が実施中の食品中の重金属濃度測定データ(カドミウム、鉛、ヒ素、水銀)を利用して、カドミウム、ヒ素、鉛、水銀に関してトータルダイエット方式によるものと、曝露評価を行う。
結果と考察
1.再検査を案内した42名中24名が受診し、カドミウム腎症の疑いのある2名が確認できた。
2.旭川市にて小児10歳の学童89名の調査を11月に実施した。千葉県勝浦町の漁協の女性110名の調査を11月に行った。血中カドミウム、鉛を測定した。小児では対数変換すると血中カドミウム濃度と血中鉛濃度に相関が見られた。また、秋田農協女性で血中ヒ素濃度と血中水銀濃度とに相関が見られた。毛髪を採取し、頭皮から1.5センチ毛髪中を切り出して、過去約1ヶ月に伸張した毛髪中として、総水銀濃度と総砒素濃度を調査した。しかし、毛髪中の水銀とヒ素濃度とは相関はほとんど見られなかった。
結論
生物学的半減期が短いヒ素や水銀に関しては相関関係を示す可能性があるが、今回の調査ではあまり相関が示されなかった。しかし、質問票の妥当性研究のためには、さらにトータルダイエット調査を行う必要があると、考えられる。

公開日・更新日

公開日
2009-04-02
更新日
-