食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
200734032A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究
課題番号
H19-食品-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
松田 りえ子(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邉敬浩(国立医薬品食品衛生研究所食品部 )
  • 長岡恵(国立医薬品食品衛生研究所食品部 )
  • 杉山英男(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
トータルダイエット試料を用いて各汚染物の摂取量を推定して健康リスクを評価するとともに,長期間継続することにより及び経年的な傾向を把握することを目的とした.また,多数の食品の分析データを収集することにより食品全体の汚染状況を評価する.摂取量評価方法についての情報を収集し,ハイリスク者等への健康評価の可能性を探ることも目的とした.
研究方法
全国10カ所で調製したトータルダイエット試料を調製し,試料中の有害金属,塩素系農薬,有機リン系農薬,PCBの濃度を測定して,1日当たりの摂取量を推定した.硝酸塩及び放射性元素の摂取量も同様の手法で実施した.全国48カ所での食品中汚染物検査データ52万件を収集し,食品中の汚染物の検出率,複数の汚染物による汚染状況を明らかにした.また,摂取量評価手法について文献調査を行った.また,メチル水銀分析改良法の共同試験による評価を行った.
結果と考察
有機塩素系農薬,PCBの摂取量は非常に少なかったが,鉛・カドミウム等の金属はTDIの数十%程度の摂取量であった.調査結果の信頼性を確保するためには,LQの設定を実際の汚染状況を勘案してある限度以下に統一する必要性があると考えられた.硝酸塩の摂取量は4.0 mg/kg/dayであり,JECFAの定めたADIを8 %超過していた.主要な摂取源は野菜であり総摂取量の90 %以上を占めていた.放射性核種の1日摂取量ならびに公衆への被ばくへ線量は小さく,40Kと210Poの寄与が大部分であった.摂取量推定方法により過少あるいは過大な推定となることがあることが明らかとなった.メチル水銀の室間精度バイアス共に大きく,良好とはいえない結果であった.
結論
汚染物摂取量は,概ね例年通りであり,摂取量が上昇傾向にある汚染物は見られなかった.硝酸塩摂取量はADI を超過していたが,放射性核種の摂取量は懸念されるレベルではなかった.ハイリスク者への影響評価のためには,TDS以外の方法の導入が必要と考えられた.メチル水銀分析法は改良が必要と考えられた.

公開日・更新日

公開日
2008-05-22
更新日
-