ダイオキシン類等の有害化学物質による食品汚染実態の把握に関する研究

文献情報

文献番号
200734031A
報告書区分
総括
研究課題名
ダイオキシン類等の有害化学物質による食品汚染実態の把握に関する研究
課題番号
H19-食品-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
堤 智昭(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 米谷 民雄(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
  • 中川 礼子(福岡県保健環境研究所 保健科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
59,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ダイオキシン類(DXN)、有機フッ素化合物(PFOA/S)、臭素系DXN等について、食品汚染実態の把握を目的とした。また、食品中のDXN、ポリ塩化ビフェニル(PCB)及びベンゾトリアゾール類(BTA)を対象に、迅速測定法の開発を目的とした。
研究方法
(1)トータルダイエット試料中のDXN及びPFOA/Sを分析し、平均一日摂取量を算出した。また、鮮魚、健康食品等のDXNを分析した。さらに、魚介類多食者を対象にモンテカルロ法によるDXN摂取量の推計を試みた。(2)レポータージーンアッセイの高感度化を目指し、新規ベクターのDXN応答性を検討した。また、食品中のDXN様活性をレポータージーンアッセイにより調査した。機器分析によるDXN/PCBの一斉測定法、及びBTAの迅速測定法の開発を検討した。(3)臭素系DXN・臭素系難燃剤について、新規対象物である臭素化ビフェニル(PBB)、コプラナー塩素・臭素化ビフェニルを含めた分析法の開発を行い、魚介類を調査した。
結果と考察
(1)DXNの平均摂取量は1.11 pgTEQ/kg/日であった。PFOA/Sの平均摂取量は23.6 ng/kg/日(ND=LOD/2の場合)であった。また、一部の健康食品で比較的高いDXN(53 pgTEQ/g)が検出された。魚介類多食者におけるDXNの平均摂取量は153.15 pgTEQ/日と推計された。(2)新規ベクターによりDXN応答性が増大したが、バックグラウンドも上昇した。大豆、ゴマ等を原料とする試料の一部が高濃度でDXN様活性を示した。DXN/PCBの一斉測定法で使用する内標準液の純度を検査し、大きな支障がないことを確認した。また、BTA分析では対象成分の特性を検討し、抽出法を開発した。(3)新規対象物のうちPBBが一部の魚から検出された。臭素化難燃剤(臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン)は殆どの魚介類から検出された。
結論
(1)平均的な食生活におけるDXNやPFOA/S摂取量は、人体に影響ないレベルと考えられた。一部の健康食品の摂取や、魚介類の多食はDXN摂取量を増大させるため注意が必要である。(2)DNX等の迅速測定法の開発に繋がる基礎データを作製した。これらのデータを活用し、迅速測定法の開発を行う。(3)新規対象物を含めた臭素系DXN・臭素系難燃剤について、検体数を増やして今後調査を行う。

公開日・更新日

公開日
2008-07-28
更新日
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