文献情報
文献番号
202005002A
報告書区分
総括
研究課題名
「保健関連の持続可能な開発のための2030アジェンダ」の促進を目標とした途上国における三大感染症対策の戦略提言のための研究
課題番号
H30-地球規模-一般-003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
蜂矢 正彦(国立国際医療研究センター 国際医療協力局 運営企画部)
研究分担者(所属機関)
- 明石 秀親(国立国際医療研究センター)
- 駒田 謙一(国立国際医療研究センター 国際医療協力局 運営企画部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
7,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、開発途上国における保健関連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成を促進するため、三大感染症(エイズ、結核、マラリア)に焦点をあて、各国の自立的な目標達成のための戦略を援助機関との関連から分析し、グローバルファンド(GF)等の国際機関に対して、我が国が理事会等の場を通じ効果的に提言すべき内容について研究する。
具体的には、我が国が単独議席を保有するグローバルファンド理事会(Board)における、新戦略策定に関する各種議論、理事会(Board meeting)、戦略委員会等の場において、我が国として発言すべき内容について検討を行い、厚生労働省や外務省に対して提言を行う。
具体的には、我が国が単独議席を保有するグローバルファンド理事会(Board)における、新戦略策定に関する各種議論、理事会(Board meeting)、戦略委員会等の場において、我が国として発言すべき内容について検討を行い、厚生労働省や外務省に対して提言を行う。
研究方法
GFの新戦略策定プロセスをフォローし、主要テーマにおける協議ポイントや戦略に盛り込むべき内容について検討する。検討にあたっては、グローバルファンド、三大感染症対策、保健システム強化に知見のある、国立国際医療研究センター国際医療協力局の専門家とのブレインストーミングを活用する。
また、我が国がGF理事会や戦略委員会で提言すべき内容について、理事会や戦略委員会の事務局文書の内容を分析し、これまでの知見も活用して、厚生労働省や外務省にフィードバックする。
また、我が国がGF理事会や戦略委員会で提言すべき内容について、理事会や戦略委員会の事務局文書の内容を分析し、これまでの知見も活用して、厚生労働省や外務省にフィードバックする。
結果と考察
研究班全体において、グローバルファンドや世界的な三大感染症対策に関する情報収集を行い、これまでの国立国際医療研究センター国際医療協力局の活動から得られた知見をふまえ、日本政府に対して情報提供・提言を行った。
明石分担班においては、グローバルファンドの新戦略策定のための協議における主要なテーマについて検討し、外務省・厚労省に提言した。保健システム強化については、活動内容やその優先付け、案件形成やパートナーとの連携などで改善すべき点はあるものの、今後もGFとして取り組むべき分野と考えられた。COVID-19のような健康危機への対応については、GFとして貢献すべきこともある一方、これまでの取り組みを無駄にせず、またSDGs達成に向けて行わなくてはならない活動がある、という点にも留意すべきと考えられた。
駒田分担班においては、グローバルファンド理事会に参加し、三大感染症(エイズ、結核、マラリア)対策における世界的な潮流、現状の課題を把握しつつ、日本から提言・発信すべき内容について、外務省・厚労省に提言した。また、グローバルファンド戦略委員会に関しても、事務局文書を確認し、外務省・厚労省に提言した。三大感染症対策に関するSDGs達成に向けて、グローバルファンド(GF)の果たす役割は大きい一方、COVID-19の世界的な流行を受けて、このような健康危機に対してGFが果たすべき役割について検討する必要性が高まっており、GFの次期戦略策定に向けても重要な協議ポイントになると考えられた。
詳細については、各分担班の報告書を参照されたい。
D. 考察
COVID-19の世界的流行は、世界の三大感染症対策にも大きな影響を与えており、今後もGF理事会における重要討議事項になると考えられる。その際に、GFがこの問題に対して、あくまでも三大感染症対策への影響を抑えるためにCOVID-19関連の活動を行うのか、さらにそこを越えて三大感染症対から独立して新たな健康危機への備えや対応のために活動するのか、その立場に関する議論は、次期戦略策定における大きなポイントになると思われる。
GFの新戦略策定においては、保健システムの扱い。取り組み方にも注意が必要である。現状では必ずしも成果が上がっているとは言えない一方、新戦略でも取り組まなくてはならない分野であり、如何にやり方を改善できるかが鍵となる。効果的な活動への優先付けや明確なガイダンス、二国間協力をパートナーとの連携など、検討すべき点は多い。
明石分担班においては、グローバルファンドの新戦略策定のための協議における主要なテーマについて検討し、外務省・厚労省に提言した。保健システム強化については、活動内容やその優先付け、案件形成やパートナーとの連携などで改善すべき点はあるものの、今後もGFとして取り組むべき分野と考えられた。COVID-19のような健康危機への対応については、GFとして貢献すべきこともある一方、これまでの取り組みを無駄にせず、またSDGs達成に向けて行わなくてはならない活動がある、という点にも留意すべきと考えられた。
駒田分担班においては、グローバルファンド理事会に参加し、三大感染症(エイズ、結核、マラリア)対策における世界的な潮流、現状の課題を把握しつつ、日本から提言・発信すべき内容について、外務省・厚労省に提言した。また、グローバルファンド戦略委員会に関しても、事務局文書を確認し、外務省・厚労省に提言した。三大感染症対策に関するSDGs達成に向けて、グローバルファンド(GF)の果たす役割は大きい一方、COVID-19の世界的な流行を受けて、このような健康危機に対してGFが果たすべき役割について検討する必要性が高まっており、GFの次期戦略策定に向けても重要な協議ポイントになると考えられた。
詳細については、各分担班の報告書を参照されたい。
D. 考察
COVID-19の世界的流行は、世界の三大感染症対策にも大きな影響を与えており、今後もGF理事会における重要討議事項になると考えられる。その際に、GFがこの問題に対して、あくまでも三大感染症対策への影響を抑えるためにCOVID-19関連の活動を行うのか、さらにそこを越えて三大感染症対から独立して新たな健康危機への備えや対応のために活動するのか、その立場に関する議論は、次期戦略策定における大きなポイントになると思われる。
GFの新戦略策定においては、保健システムの扱い。取り組み方にも注意が必要である。現状では必ずしも成果が上がっているとは言えない一方、新戦略でも取り組まなくてはならない分野であり、如何にやり方を改善できるかが鍵となる。効果的な活動への優先付けや明確なガイダンス、二国間協力をパートナーとの連携など、検討すべき点は多い。
結論
三大感染症対策に関するSDGs達成に向けて、GFの果たす役割は大きく、次期戦略策定においても、SDGの達成に資するという視点は外せない。一方で、COVID-19の世界的流行を受け、GFが今後果たすべき役割をどこまで拡大させるかは、次期戦略策において重要検討事項であり、保健システム強化の改善策と合わせて、我が国からも理事会等で積極的に発信・提言していくべきである。
公開日・更新日
公開日
2021-06-29
更新日
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