文献情報
文献番号
200734029A
報告書区分
総括
研究課題名
フッ素樹脂加工された食品用器具・容器包装の安全性に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-食品-若手-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
六鹿 元雄(国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
フッ素樹脂加工された加熱用食品用器具・容器包装の安全性に関して、2つの大きな問題点が存在する。高温に加熱すると有毒な熱分解物を発生すること、および製品中に有害物質であるペルフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)およびその類縁化合物(PFCs)が残存する可能性があることである。これらの問題について、国内の製品について調査した報告は少ない。そこでこの2つの問題点について製品の使用において生じるリスクを検討した。
研究方法
熱分解物の分析は、加熱用調理器具の表面層部分を加熱した際に発生する熱分解物を熱分解GC/MSで分析した。PFCsの分析は、LC/MS/MSを用いて製品中の含有量およびそれらの溶出量を測定した。
結果と考察
熱分解物の分析では、製品により検出されるフッ素化合物の量、熱分解物の種類、熱分解物が発生する温度に明らかな違いが見られた。フッ素樹脂を多く使用した製品では、耐熱温度が高く、通常の使用温度や短時間の空焚きでは安定であった。このため、一般家庭における使用では強い毒性を有するフッ素化合物が発生する可能性はほとんどない。一方、フッ素樹脂を少量しか使用していない製品では、フッ素化合物による健康被害は起こりえないが、耐熱温度が低く、300℃程度の加熱で接着樹脂由来の分解物が発生した。そのため、高温での使用や空焚きにより大量の分解物が発生するおそれがある。フッ素樹脂加工された製品中のPFCsは、大部分の金属製品ではPFCs含有量は少なかったが、2検体で3.4 および1.8 ng/cm2のPFCsが検出された。ガラス繊維製品および紙製品では検出されたPFCsは0.1-23.2 ng/cm2 と製品により大きく異なっていた。水での溶出試験を行ったところ、紙製品ではPFCsが容易に溶出することが判明した。
結論
国内で市販されているフッ素樹脂加工された食品用器具・容器包装の使用において生じるリスクを検討した結果、熱分解物についてはフッ素化合物によるリスクはほとんどないが、接着樹脂由来の分解物による健康被害が存在する可能性があることが判明した。また、製品中のPFCsについては、いくつかの製品から検出され、これらは水や水性食品などへ移行しやすいことから、食品用途への使用は望ましくないと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2008-04-10
更新日
-