輸入食品における食中毒菌サーベイランス及びモニタリングシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
200734027A
報告書区分
総括
研究課題名
輸入食品における食中毒菌サーベイランス及びモニタリングシステム構築に関する研究
課題番号
H18-食品-一般-015
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂貴(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 武士甲一(帯広畜産大学)
  • 鈴木穂高(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 森田幸雄(群馬県感染制御センター)
  • 岡田由美子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
流通食品および輸入食品における食中毒菌の汚染実態を調査し、それぞれの汚染実態を比較する。汚染実態を把握することで食中毒の発生防止対策を策定する基礎とする。これらを総合して食品における食中毒菌の汚染実態モニタリングシステムを構築し実用化する。
研究方法
1)東南アジア諸国及び中東から輸入される魚介類およびその地域で流通する食肉のサルモネラ、EHEC O157、カンピロバクター、リステリア、腸炎ビブリオの汚染実態調査をおこなう。
2)東南アジアの論文等の情報、およびカナダ、アメリカ、EUの情報を収集する。
3)輸入ナチュラルチーズや生ハム、ドライソーセージのリステリア・モノサイトゲネスおよびエルシニア属菌の保有状況を検討する。
4)国内のサーベイランス及びモニタリングシステムを検証する。
結果と考察
1)輸入食品の調査では、魚介類のうち中国産冷凍殻付きあさりで腸炎ビブリオが50検体中1検体陽性、ブラジル産鶏肉でカンピロバクターが26検体中4検体陽性であったが、豚肉のサルモネラ属菌、牛肉のEHEC O157および冷凍エビからの腸炎ビブリオ、赤痢菌、サルモネラ属菌、リステリア菌は陰性であった。
2)アジア諸国のうち欧州、米国、日本に加工食品を輸出しているタイや中国では食品や家畜の食中毒菌に関する報告はアジア諸国のなかでは比較的多く、年々その報告数も増加しているが、それでも十分とはいえない。他の国々では公表されている食中毒に関する論文は極めて少ないか無い状況である。東南アジアの国々に共通していることは、健康人の食中毒菌保菌率が高いということである。
3)スペイン産の輸入生ハム及びドライソーセージでリステリア・モノサイトゲネスが分離され、健康危機情報として担当部局に通報し、回収を行った。
4)夏期一斉取締り」と「年末一斉取締り」は、7月と12月の1か月間、全都道府県ならびに政令市、特別区で行われており、国内品と輸入品を分けて調べているが、結果は食品衛生法6条の違反件数で示されており、詳細は不明だった。「汚染実態調査」は、約18自治体で、大腸菌、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌のみを対象として調査が行われていた。
結論
1)輸入畜水産食品の検査では、現地での調査に比べて汚染率が低かった。
2)リステリアが生ハムおよびドライソーセージで分離された。
3)国内のモニタリングは統一性に欠け、また、結果の公表に具体性が欠けていた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-