文献情報
文献番号
                      202002008A
                  報告書区分
                      総括
                  研究課題名
                      地域包括ケアシステムにおいて活用可能な国際生活機能分類(ICF)による多領域にまたがる評価手法の確立に資する研究
                  研究課題名(英字)
                      -
                  課題番号
                      20AB1003
                  研究年度
                      令和2(2020)年度
                  研究代表者(所属機関)
                      大夛賀 政昭(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
                  研究分担者(所属機関)
                      - 筒井 孝子(兵庫県立大学大学院 経営研究科)
 - 德永 亜希雄(橫浜国立大学 教育学部)
 - 向野 雅彦(藤田医科大学 医学部リハビリテーション医学I講座)
 - 高橋 秀人(国立保健医療科学院 統括研究官)
 - 小松 雅代(大阪大学 医学部医学系研究科医学専攻)
 
研究区分
                      厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
                  研究開始年度
                      令和2(2020)年度
                  研究終了予定年度
                      令和4(2022)年度
                  研究費
                      3,000,000円
                  研究者交替、所属機関変更
                      -
                  研究報告書(概要版)
研究目的
            今後、我が国をはじめ、諸外国で例を見ないスピードで高齢化が進行し、地域包括ケアシステムの構築が急がれている中で、医療や介護、福祉分野のさまざまなビックデータをICF、ICD、ICHI等を元にマッピングし、世界の保健情報システムの構築推進に向けた施策を展開することが求められ、その実現のためICF項目を活用したデータの収集方法や集められたデータの他データをリンケージする方法に関する研究が急ぎ必要である。そこで本研究は、地域包括ケアシステムにおいて活用可能な多領域にまたがるICFの評価手法の確立に向けた基礎資料を提示するため、1)多領域におけるICFを活用したデータの収集・分析に基づく活用例の提示し、2)既存情報を活用したICFの評価法の開発を目的とする。
      研究方法
            本研究課題では、多領域(医療・介護、障害、子ども子育ておよび教育)におけるICFを活用したデータの収集・分析に基づく活用例の提示するための研究①~③、既存情報を活用したICFの評価法の開発を行うための研究④~⑥の6つの研究に取り組んでいる。
今年度は、研究①~③では、ICFを多領域で活用するために評価ツールの開発に関する研究、研究④~⑥では既存情報を活用するための方法論の検討に関する研究が実施された。
      今年度は、研究①~③では、ICFを多領域で活用するために評価ツールの開発に関する研究、研究④~⑥では既存情報を活用するための方法論の検討に関する研究が実施された。
結果と考察
            研究①については、入院時から退院時の情報伝達に活用可能な生活機能サマリー(ICFコアセット)案を含む退院時情報連携様式と評価基準を作成された。プレ調査を通じて、臨床的な妥当性が一定程度確認されたが、今後フィールド調査をもとに、妥当性と信頼性などについて、さらなる検討が必要と考えられた。
研究②については、WHO-DASの結果のケアマネジメントや、サービス利用時の適性判断等(スクリーニング)や職員教育に活用できる可能性が示唆された。
研究③については、今回,子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的研究として、「健康」と「生活科」の内容とICFの項目のマッピング作業を行ったところ、「活動と参加」の「学習と知識の応用」や「セルフケア」を中心に分類項目が抽出された。次年度以降、このシートを活用したフィールドテストを実施し、項目の妥当性や活用方法の検討を実施していくことが必要と考えられた。
研究④については、文献研究を実施し、近年のICFの研究動向を把握するとともに、生活困窮者支援、障がい者支援、母子支援のそれぞれについて、3層D-Plusモデルの評価マトリクスにそれぞれ指標をいれ、ICFを用いて整理した。
研究⑤については、ICFに基づく評価表と既存の評価表として広く臨床現場で使用されているFIMとの換算表を作成した。
研究⑥については、ICFの視点から物的側面や社会的側面を含む「環境因子」がどの程度評価尺度の項目に含まれているのかを分析し、評価尺度の多くは「環境因子」は含まれていなかったことを確認した。研究⑤と⑥の研究をもとに、引き続きの研究によって、既存尺度からのICFを表現していく方法論の検討の必要性が示唆された。
      研究②については、WHO-DASの結果のケアマネジメントや、サービス利用時の適性判断等(スクリーニング)や職員教育に活用できる可能性が示唆された。
研究③については、今回,子どもの育ちを切れ目なく支えるICFを活用した共通情報シート開発に向けた基礎的研究として、「健康」と「生活科」の内容とICFの項目のマッピング作業を行ったところ、「活動と参加」の「学習と知識の応用」や「セルフケア」を中心に分類項目が抽出された。次年度以降、このシートを活用したフィールドテストを実施し、項目の妥当性や活用方法の検討を実施していくことが必要と考えられた。
研究④については、文献研究を実施し、近年のICFの研究動向を把握するとともに、生活困窮者支援、障がい者支援、母子支援のそれぞれについて、3層D-Plusモデルの評価マトリクスにそれぞれ指標をいれ、ICFを用いて整理した。
研究⑤については、ICFに基づく評価表と既存の評価表として広く臨床現場で使用されているFIMとの換算表を作成した。
研究⑥については、ICFの視点から物的側面や社会的側面を含む「環境因子」がどの程度評価尺度の項目に含まれているのかを分析し、評価尺度の多くは「環境因子」は含まれていなかったことを確認した。研究⑤と⑥の研究をもとに、引き続きの研究によって、既存尺度からのICFを表現していく方法論の検討の必要性が示唆された。
結論
            今年度は、研究①~③では、ICFを多領域で活用するために評価ツールの開発に関する研究、研究④~⑥では既存情報を活用するための方法論の検討に関する研究を実施された。
2021年度は、今年度開発したツールを活用して、医療分野、障害分野、保育・教育分野において、ある程度の規模のフィールドトライアルの実施を予定している。また、今年度活用した既存情報の活用法を試行的に適用し、既存情報からのICFへのリコードを行う予定である。これらの研究をもとに研究目的である1)多領域におけるICFを活用したデータの収集・分析に基づく活用例の提示、2)既存情報を活用したICFの評価法の開発を進めていくことを予定している。
      2021年度は、今年度開発したツールを活用して、医療分野、障害分野、保育・教育分野において、ある程度の規模のフィールドトライアルの実施を予定している。また、今年度活用した既存情報の活用法を試行的に適用し、既存情報からのICFへのリコードを行う予定である。これらの研究をもとに研究目的である1)多領域におけるICFを活用したデータの収集・分析に基づく活用例の提示、2)既存情報を活用したICFの評価法の開発を進めていくことを予定している。
公開日・更新日
公開日
          2021-10-20
        更新日
          -