文献情報
文献番号
202001019A
報告書区分
総括
研究課題名
「医療・福祉専門職種の人材確保のための需給両面から見たマンパワー推計に関する研究」
課題番号
20AA2008
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
菊池 潤(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障基礎理論研究部)
研究分担者(所属機関)
- 川越 雅弘(公立大学法人埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
5,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
2018年5月に公表された「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省)によると、現在(2018年度)823万人の医療・福祉分野の就業者数は、2040年度には1,065万人~1,068万人程度まで拡大することが見込まれている。今後、生産年齢人口が減少し、就業者数全体に対する医療・福祉分野の就業者の割合は12.5%から19%程度まで上昇することが見込まれている。医療・福祉分野における人材確保は制度運営上の大きな課題であり、従事者の処遇改善などの対策に加え、共通基礎課程の創設なども含めた、医療・福祉分野全体として整合性のある対策が求められている。
医療・福祉分野の人材確保について検討を行うにあたっては、専門職種ごとの将来の見通しが必要となるが、議論の前提となる推計が存在しないのが現状である。本研究ではR1年度に実施した需要面に着目した職種別従事者推計モデルを地域別推計に拡張するとともに、供給面に着目した職種別従事者推計モデルを構築し、医療・福祉分野全体として整合性のあるマンパワー確保策を検討する際の基礎データを提供することを目的とする。
医療・福祉分野の人材確保について検討を行うにあたっては、専門職種ごとの将来の見通しが必要となるが、議論の前提となる推計が存在しないのが現状である。本研究ではR1年度に実施した需要面に着目した職種別従事者推計モデルを地域別推計に拡張するとともに、供給面に着目した職種別従事者推計モデルを構築し、医療・福祉分野全体として整合性のあるマンパワー確保策を検討する際の基礎データを提供することを目的とする。
研究方法
本研究では、需要・供給の両面から、専門職別従事者推計モデルを構築し、同モデルを用いた医療・福祉専門職別の将来見通しの作成、を行う。
結果と考察
本研究から得られた主な結果は以下のとおりである。
第1に、2015年から2045年にかけて、医療・介護従事者に対する需要は高齢化の影響を受けて1.19倍に拡大するのに対し、医療・介護従事者供給は生産年齢人口の減少を受けて0.84倍に縮小することとなり、医療・介護分野における従事者確保が一層困難な状況になることが示された。
第2に、2015年から2045年にかけて、保育士に対する需要は少子化の影響を受けて0.73倍に縮小することになるが、保育士供給は0.88倍の減少にとどまることとなり、保育士供給が相対的に過剰となることが示された。
第1に、2015年から2045年にかけて、医療・介護従事者に対する需要は高齢化の影響を受けて1.19倍に拡大するのに対し、医療・介護従事者供給は生産年齢人口の減少を受けて0.84倍に縮小することとなり、医療・介護分野における従事者確保が一層困難な状況になることが示された。
第2に、2015年から2045年にかけて、保育士に対する需要は少子化の影響を受けて0.73倍に縮小することになるが、保育士供給は0.88倍の減少にとどまることとなり、保育士供給が相対的に過剰となることが示された。
結論
本研究の結果をより頑健なものとするためには、推計パラメーターの妥当性に関する検証、供給モデルの構築、あるいは、労働市場の需給調整の考慮など、引き続き推計モデルの改善が求められる。
公開日・更新日
公開日
2023-06-01
更新日
-