腰痛発症リスクステージ評価ツールの開発と腰痛防止手法エキスパートシステムの構築

文献情報

文献番号
200733020A
報告書区分
総括
研究課題名
腰痛発症リスクステージ評価ツールの開発と腰痛防止手法エキスパートシステムの構築
課題番号
H18-労働-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
神代 雅晴(産業医科大学産業生態科学研究所健康評価・作業管理部門人間工学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 泉 博之(産業医科大学産業生態科学研究所健康評価・作業管理部門人間工学研究室)
  • 戸上 英憲(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 橋本 正浩(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 佐藤 教昭(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 三上 行生(北海道工業大学未来デザイン学部人間社会学科)
  • 渋谷 正弘(首都大学東京システムデザイン学部経営システムデザインコース)
  • 工藤 康嗣(TDK健康管理センター)
  • 舟橋 敦(マツダ健康推進センター)
  • 金 一成(トヨタ記念病院メディカルサポート部トヨタ自動車元町工場)
  • 赤津 順一(株式会社日立製作所日立健康管理センター)
  • 藤井 敦成(株式会社九州電力玄海原子力発電所健康管理室)
  • 鈴木 一心(アイシン・エイ・ダブリュ株式会社安全環境部健康管理グループ)
  • 三廻部 肇(日産自動車健康保険組合NTC地区診療所)
  • 赤築 秀一郎(ダイキン工業株式会社滋賀製作所)
  • 鈴木 秀樹(大同メタル工業株式会社健康推進センター)
  • 杉村 久理(株式会社アイ・ティ・フロンティア)
  • 伊藤 英樹(ダイキン工業株式会社堺製作所)
  • 栄多 裕子(株式会社IHI呉事業所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、職場ごとに具体的な対策を盛り込むことのできる「腰痛防止のためのアクション型チェックリストのオーダーメイドシステム」の汎用モデルを作成し、少ないチェック項目で具体的な職場改善策が提案できるオーダーメイド型の腰痛防止支援システムの構築を目的とする。
本研究年度は、研究期間2年間のうちの2年目である。
研究方法
本研究は、以下の研究方法によって実施された。
① 腰痛リスク推定回帰式の最適化の検討
② 腰痛リスクステージ評価ツールのWebアプリケーション化
③ 改善事例の収集およびデータベース化
④ 職種毎の作業条件や作業環境の特徴と対象となる職場における作業条件から、腰痛重症度への影響を見積もり、その影響度合いから最適な改善案(成功事例)を提示するシステムの開発
⑤ 構築したエキスパートシステムを、インターネットなどの通信システム上で運営する仕組みを提案し、モデルシステムを構築する。
結果と考察
本研究において開発された腰痛発症リスクステージ評価ツールと腰痛防止手法エキスパートシステムは、実際の調査研究によって得られたデータの解析結果を基に、腰痛リスクを推定する回帰式を構築し、回帰式中の係数をリスクファクターの評価値とすることにより、ユーザーの作業状況に対応したオーダーメイド型の腰痛改善支援を行なう。本システムは、インターネット上での利用を想定して開発されており、ユーザーは、通常のインターネットブラウザを利用して、サーバーサイドプログラムにアクセスし、現状の作業状況を入力することにより、現状の腰痛リスク,改善すべき腰痛リスクファクターとその改善案を得ることができる。これまでの紙媒体のアクション型チェックリスト方式では実現することが難しかった、個別の作業環境に対応することが可能なオーダーメイド型の腰痛防止のためのツールを、IT機器の利用によって実現した本研究の成果は、より実効性の高い総合的な職場改善システムに大きく寄与するものである。
結論
本研究で目標とした「腰痛防止のためのアクション型チェックリストのオーダーメイドシステム」の汎用モデル作成、少ないチェック項目で具体的な職場改善策が提案できるオーダーメイド型の腰痛防止支援モデルシステムの構築は終了した。本モデルシステムの実際的な運用にあたって解決すべき、セキュリティ対策などのいくつかの課題を検討すべきである。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200733020B
報告書区分
総合
研究課題名
腰痛発症リスクステージ評価ツールの開発と腰痛防止手法エキスパートシステムの構築
課題番号
H18-労働-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
神代 雅晴(産業医科大学産業生態科学研究所健康評価・作業管理部門人間工学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 泉 博之(産業医科大学産業生態科学研究所健康評価・作業管理部門人間工学研究室)
  • 戸上 英憲(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 橋本 正浩(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 佐藤 教昭(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 三上 行生(北海道工業大学未来デザイン学部人間社会学科)
  • 澁谷 正弘(首都大学東京システムデザイン学部経営システムデザインコース)
  • 工藤 康嗣(TDK健康管理センター)
  • 舟橋 敦(マツダ健康推進センター)
  • 金 一成(トヨタ記念病院メディカルサポート部トヨタ自動車元町工場)
  • 赤津 順一(株式会社日立製作所日立健康管理センター)
  • 藤井 敦成(株式会社九州電力玄海原子力発電所健康管理室)
  • 鈴木 一心(アイシン・エイ・ダブリュ株式会社安全環境部健康管理グループ)
  • 三廻部 肇(日産自動車健康保険組合NTC地区診療所)
  • 赤築 秀一郎(ダイキン工業株式会社滋賀製作所)
  • 鈴木 秀樹(大同メタル工業株式会社健康推進センター)
  • 杉村 久理(株式会社アイ・ティ・フロンティア)
  • 伊藤 英樹(ダイキン工業株式会社堺製作所)
  • 栄多 裕子(株式会社IHI呉事業所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、職場ごとに具体的な対策を盛り込むことのできる「腰痛防止のためのアクション型チェックリストのオーダーメイドシステム」の汎用モデルを作成し、少ないチェック項目で具体的な職場改善策が提案できるオーダーメイド型の腰痛防止支援システムの構築である。
研究方法
本研究プロジェクトの共同研究者である12名の産業医が勤務する事業所ならびに申請者が主宰する研究室関連の産業医から協力を得た事業所の計14事業所を対象として腰痛発症リスク関連データの収集を行い、多角的な統計学的検討に基づく腰痛リスクステージ評価ツールおよび改善事例データベースと連携したアクション型チェックリストがオーダーメイドできるエキスパートシステムの開発を行った。
結果と考察
本研究において開発された腰痛発症リスクステージ評価ツールは、実際の調査研究によって得られた合計6766サンプルを対象とした多角的な統計学的検討に基づく作業条件・作業環境・作業姿勢計測評価ツールである。このツールは、同様に本研究において改善事例の収集およびデータベース化によって構築された腰痛防止手法エキスパートシステムと連動し、ユーザーの作業状況に対応したオーダーメイド型の腰痛改善支援を行なうことが可能である。本システムは、インターネット上での利用を想定して開発されており、ユーザーは、インターネットブラウザを利用して現状の作業状況を入力することにより、現状の腰痛リスク,改善すべき腰痛リスクファクターとその改善案を得ることができる。これまでの紙媒体のアクション型チェックリスト方式では実現することが難しかった個別の作業環境に対応することが可能なオーダーメイド型の腰痛防止のためのツールを実現した本研究の成果は、より実効性の高い総合的な職場改善システムに大きく寄与するものである。今後、ユーザーからの改善案アップデート機能の実装を行い、成功事例データベースとして共有化し、産業界全体で活用・共有・発展させていくことが今後の課題であろう。
結論
本研究で目標とした少ないチェック項目で具体的な職場改善策が提案できるオーダーメイド型の腰痛防止支援モデルシステムの構築は終了した。一般公開に関しては、セキュリティ対策などの本研究対象外の課題が未解決であるため行っていない。今後、本モデルシステムの実際的な運用にあたって解決すべき、セキュリティ対策などのいくつかの課題を検討する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200733020C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究で開発されたシステムは、インターネット上での利用を想定して開発されており、オンラインシステム上で、現状の腰痛リスク,改善すべき腰痛リスクファクターとその改善案を得ることができる。これまでの紙媒体のアクション型チェックリスト方式では実現することが難しかった、個別の作業環境に対応することが可能なオーダーメイド型の腰痛防止のためのツールを、IT機器の利用によって実現した本研究の成果は、より実効性の高い総合的な職場改善システムに大きく寄与するものである。
臨床的観点からの成果
本研究は産業保健領域における研究であり、臨床的観点からの成果に関しては現在のところ不明である。
ガイドライン等の開発
本研究の成果である腰痛発症リスクステージ評価ツールは、職場における具体的な作業条件や作業環境から腰痛発症リスクを推定することができるツールである。このツールをガイドラインに組み込むことにより、複雑多岐に亘る作業条件と作業環境の組み合わせを考慮した、より具体的な対策を盛り込んだガイドラインを提供することができる。
その他行政的観点からの成果
現在のところ、直接行政施策に反映されていないが、本研究において開発されたツールは、今後、本研究の分担研究者が所属する事業所を中心とした多くの事業所において試用され、その後、一般公開される予定である。職場の作業条件や作業環境の組み合わせによるきめ細かい腰痛発症リスクを知ることができ、また実施予定対策の改善効果が推定できるツールの普及は、職場毎の自発的継続的な腰痛防止対策の実施を促す効果が期待される。
その他のインパクト
本研究の成果である腰痛防止手法エキスパートシステムは、セキュリティなどの問題から現在のところ一般公開には至っていないが、システム自体はWebベースでの活用を目標として開発されている。近い将来インターネット上で公開され一般的に活用できることは、職場における腰痛防止対策を自発的に推進するための支援となる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
1件
The 8th Pan-Pacific Conference on Occupational Ergonomics, 2007
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-