脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200732095A
報告書区分
総括
研究課題名
脊椎原性疾患に対する適正な施術の在り方に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-025
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
宇都宮 光明(財団法人全国療術研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 潤(財団法人全国療術研究財団)
  • 松本 徳太郎(全国療術師協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
カイロプラクティック等の施術を受ける患者の安全を確保するため、診断権のないカイロプラクティック等の施術者が禁忌症等リスクの高い患者に対応することを目的に平成18年度において作成されたマニュアルが存在するが、本年度の研究はこのマニュアルの周知をはかり、より実践的なものとしての完成度を高めるとともに、施術者が理解するためのプログラムを作成することを目的として実施した。
研究方法
 平成18年度の報告書から「カイロプラクティック等における禁忌症ガイドライン」を作成し、カイロプラクティック等の関係団体に対して同ガイドラインを送付して意見を求めた。また、カイロプラクティックなど手技療法を行う施術者を対象に、研究者が10会場で講習会を開催し、解説を行うとともに、受講者の意見・質疑を受けた。
結果と考察
[結果] 
 団体及び講習会参加者の意見では、禁忌症等に対するガイドラインの症例は重症なものが多く、一般的に日本の施術所に来る患者のイメージに合わないため、軽度な症例も含め、患者安全の観点から留意すべき事項について、追記してほしいとの意見が多かった。このため、本研究では①患者の安全確保の観点からカイロプラクティックなどを行うに当たっての一般的・基礎的事項、注意点を体系的に整理した。②禁忌症に対する対応方法についても臨床を反映したものとなるよう注意事項を追記した。③受講者の質疑の状況から、基本的な事項を説明したうえでガイドラインの理解を求める必要があることが判明したため講習会等におけるカリキュラム案を作成した。
[考察] 
 脊椎原性疾患として分類される疾患においても症状によってリスクが相当に異なることもあり、また、それ以外のリスク要因もあるため、施術者が守るべき標準的な施術ルールを確立していくことが必要である。さらに患者の正当な権利を守るという観点から、医療分野と同様カイロプラクティックなど施術の分野においても、事故等トラブル解決のためのルール作りが必要である。


 
結論
 平成18年度に作成されたガイドラインは、今後、禁忌症に限定することなく、リスク管理という観点から発展させていく必要があろう。また、施術者の基礎的な理解力に差が大きいことから、ガイドラインの講習にあたっては手技療法にかかる基礎的な考え方や実技における留意点もあわせて講義を行うべきである。

公開日・更新日

公開日
2008-04-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732095C