肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の院内発症予防ガイドライン公開後の評価ならびに改定と普及・推進に関する研究

文献情報

文献番号
200732090A
報告書区分
総括
研究課題名
肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の院内発症予防ガイドライン公開後の評価ならびに改定と普及・推進に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-020
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中野 赳(三重大学大学院医学系研究科循環器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 正明(三重大学大学院医学系研究科循環器内科学)
  • 太田 敬(愛知医科大学血管外科)
  • 栗山 喬之(千葉大学大学院医学研究院加齢呼吸器病態制御学)
  • 小林 隆夫(信州大学医学部保健学科)
  • 左近 賢人(西宮市立中央病院外科)
  • 瀬尾 憲正(自治医科大学麻酔科学・集中治療医学)
  • 冨士 武史(大阪厚生年金病院整形外科)
  • 中村 真潮(三重大学大学院医学系研究科病態解析内科学)
  • 山田 典一(三重大学大学院医学系研究科循環器内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2004年に発刊された初版の肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症:VTE)予防ガイドラインの改訂作業を行う。
研究方法
初版のVTE予防ガイドラインに改訂のために、ガイドライン発刊後の各領域での取り組みや成果を分析し、また新しいエビデンスを収集して、ガイドライン改訂の基礎資料とする。また、VTE予防ガイドラインに参画が必要となる学会を検討し、改訂作業に対する協力を要請した。
結果と考察
一般外科領域、産婦人科領域、整形外科領域では、2004年以降、臨床現場におけるVTE予防への取り組みは進み、エビデンスも徐々に集積しつつある。新しい薬物も使用可能となったため、これらの情報を改訂ガイドラインに反映させねばならない。一方、内科領域での取り組みは不十分であり、さらに啓蒙活動が必要である。また、精神科領域でのVTE発症報告は増加しており、ガイドラインに加えることを検討中である。
ところで、わが国のVTEは、高齢化社会などを背景としてさらに増加している。VTE予防では理学的予防への理解が進み、周術期のVTEの頻度は減少したが、薬物的予防法への抵抗が依然大きい。VTE診断法は静脈エコーと造影CTが主流となり、治療に関しては下大静脈フィルターの進歩が著しいが、無症候性下腿静脈血栓症への対処法を検討する必要である。
VTE予防ガイドライン改訂にあたり、初版への参加10学会には同じように参加を依頼し、承諾を得た。さらに日本内科学会、日本呼吸器学会、日本脳神経外科学会、日本救急医学会にも参加を依頼し承諾を得た。更に、日本外科学会、日本循環器学会、日本精神神経学会にも参加を依頼中である。
結論
2004年の初版のガイドライン発刊後、種々の取り組みが進み、情報も集積した。新しくVTE改訂委員会を編成し、上記の検討された情報を十分反映したガイドライン作りが必要である。

公開日・更新日

公開日
2009-05-21
更新日
-