臨床研修における標準的EBM教育カリキュラムの普及と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200732089A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研修における標準的EBM教育カリキュラムの普及と評価に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-019
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小泉 俊三(佐賀大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学医療管理学教室)
  • 葛西 龍樹(公立大学法人福島県立医科大学総合診療地域医療部)
  • 名郷 直樹(社)地域医療振興協会 地域医療研修センター地域医療学臨床疫学、医学教育学)
  • 吉村 学(岐阜県揖斐郡地域医療センター内科学、地域医療学、家庭医療医学教育学)
  • 武藤 正樹(国際医療福祉大学附属三田病院医療管理学、医療経済学)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部社会医学講座医療政策・経営科学分野)
  • 北井 啓勝(埼玉社会保険病院産婦人科)
  • 多治見 公高(秋田大学医学部救急部)
  • 上野 文昭(大船中央病院内科・消化器科)
  • 鎌江 伊三夫(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科)
  • 山城 清二(富山大学医学部総合診療部)
  • 平尾 智広(香川大学医学部医療管理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、臨床研修医が、初期研修の2年間に診療態度としてのEBM(根拠に基づく医療)を無理なく身に付けるための教育プログラムを如何に普及させ、そのことによって医療の質がどれだけ改善するかを評価することにある。
 そのため、本研究では、EBM教育のニーズ分析やEBM普及の阻害要因に関する調査分析を行うとともに、本研究班主催の指導医講習会受講修了者が所属する研修病院等において、研究班で開発した教材や実践例を活用してEBM教育の一層の普及を目指す。また、EBMの普及が医療の質改善にどのように寄与するかについての評価法を開発する。
研究方法
1.研修医の診療情報源調査:研修医らが簡便なポケットマニュアルやインターネットサイトをどのように利用しているかについてアンケート調査をおこなう。
2.EBMについての指導医意識調査:診療の画一化との批判もあるEBMや診療ガイドラインについて指導医層の意識をフォーカスグループ討論およびアンケート調査で探る。
3.EBM指導医講習会修了者のEBM普及活動を支援し、教材の有用性を検証する。
4.EBM普及と医療の質向上の関連を検証するための、妥当且つ有用な指標を抽出し、試行・検証する。
結果と考察
 1.2.については、それぞれの調査用紙を作成した。平成20年度に実地調査を行う。
 3.については、平成19年10月、ハーバード大学生涯教育部門の協力を得て「EBM改革に関する国際シンポジウム(東京)」を開催し、日米のEBM普及成功事例の紹介と問題点についての討議を行った。これを受けて、現在、研修病院でのEBM講習会を企画・立案中である。4.については、これまでEBMが必ずしも順調に普及してこなかった根本原因を探るべく、平成19年8月に研究班員、協力者による2日間の集中討議を行い、RCT(ランダム化比較試験)を過大評価しない最新のEBMの世界的動向や教育工学的手法について重要な示唆を得た。
結論
 EBM普及をめぐる根本問題に遡って検討を重ねた結果、今後のEBM普及のあり方に示唆を得た。平成20年度には、研修医のニーズ調査、指導医の意識調査、講習会支援と評価指標開発を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2008-07-07
更新日
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