エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究

文献情報

文献番号
200732085A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づく初期診療ガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-015
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山口 直人(財団法人日本医療機能評価機構医療情報サービスセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 雅博(財団法人日本医療機能評価機構医療情報サービスセンター)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 水嶋 春朔(国立保健医療科学院)
  • 大滝 純司(東京医科大学)
  • 新保 卓郎(国立国際医療センター研究所医療情報解析研究部)
  • 佐藤 敏彦(北里大学医学部)
  • 小山 博史(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床研修医が研修において経験する主要な症候について、的確な判断が下せるように支援する初期診療ガイドラインを作成することを研究目的とした。
研究方法
第一に、ガイドラインの備えるべき要件を明確に定義する。想定する主な利用者、利用形態を定め、提供すべき情報と提供の形態を検討して、ガイドラインの基本構成を決定する。第二に、定義した要件に従って、研修医が経験すべき主要な症候について、ガイドラインで提供すべき情報を作成する。第三に、利用者がインターネット上で利用できる提供システムを開発する。本年度は、リンパ節腫脹についてプロトタイプシステムを開発する。
結果と考察
取り上げる主要症候は「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン(試行版)」が頻度の高い症状として取り上げる症候とした。本年度は、頭痛、リンパ節腫脹、慢性咳、睡眠障害、腹痛、めまいについて検討を進めた。共通する情報提供の形態として、鑑別診断のための分類表(classification table)、診断プロセスのフローチャート(flow chart)を作成することとした。
診断プロセスは、進行とともに意思決定の分岐が広がってゆく性質があるため、コンピュータを活用したガイドラインを作成することとし、症候を選択して、鑑別すべき疾患を的確に抽出すること、鑑別診断のために収集すべき所見、実施すべき検査の選択を確実に実施できることを重視した診断シミュレーションシステムとした。研修医が実際の診断プロセスを経験した後に、自分の取ったプロセスが適切であったか、問題点がなかったかを自習する際に支援するシステムとした。鑑別診断の順位付けに誤りがあった場合、診断の事後確率が十分に高くない場合、より確実な診断を行うための改善点を自己学習ができるように配慮した。本年度はリンパ節腫脹についてプロトタイプシステムを開発した。
今後の課題としては、症候によって異なる診断プロセスに配慮した開発を継続することである。特に、すべての所見、検査を同時に把握して診断を進める「同時型」と、次に収集すべき所見、検査が、それまでに収集した情報によって左右される「逐次型」の区別をシステム上で配慮することが次の課題である。
結論
臨床研修医が主要症候に対して鑑別診断のプロセスを確実に身につけることを目的とする初期診療ガイドラインの作成のための検討を行い、インターネット上での提供システムのプロトタイプを開発した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
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