搬送救急患者の予後調査・分析に関する研究

文献情報

文献番号
200732076A
報告書区分
総括
研究課題名
搬送救急患者の予後調査・分析に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
杉本 壽(大阪大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 田中 裕(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 塩崎 忠彦(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 田崎 修(大阪大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、救急医療の成果であり総合評価の指標でもある救急患者の予後を全国の救命救急センターならびに二次救急医療機関への救急搬送患者を対象に調査分析し、地域ならびに医療機関間の格差の是正、より効果的かつ効率的な救急医療提供体制の開発を行い、“いつでも、どこでも、だれでも”適切な救急医療の実現を目指すものである。平成19年度は、大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターでの3年間(平成16年1月~平成18年12月2357例)における予後調査(retrospective)を行った。研究の目的は、当センターに搬送された救急患者の予後を調査することにより、主要な重症疾患の検出とその死亡率を明らかにすること、そして全国の救急医療データベース構築に向けた予備的検討を行うことである。
研究方法
平成19年度は、大阪大学医学部付属病院高度救命救急センターでの3年間(平成16年1月~平成18年12月2357例)における24時間後の予後調査をretrospectiveに行い、当センターにおける主要疾患と、その死亡率を明らかにした。これにより当センターは搬送される重症主要疾患が何であるか、が明らかとなった。
結果と考察
3年間で100症例以上入院した症例は、外傷:507例(頭部外傷有:145;頭部外傷無:362)、心大血管疾患:252例、心肺停止(CPA):239例(外因:61;内因:178)、脳卒中:218例、および感染症:194例であり、これらの24時間後の死亡率は、外傷:3.0%(15/507)、心大血管疾患:1.2%(3/252)、CPA:68.2%(163/239)、脳卒中:2.3%(5/218)、および感染症:4.1%(8/194)であった。また、最終の死亡率はそれぞれ、外傷:7.3%(37/507)、心大血管疾患:4.8%(12/252)、CPA:83.3%(199/239)、脳卒中:12.8%(28/218)、および感染症:18.6%(36/194)であった。
結論
以上の当センターの分析結果から、救命センターにおける予後の調査対象として、悪性腫瘍、消化管出血および外因性CPAを除いた、内因性CPA、膵炎、肝不全、感染症、熱傷、脳卒中、大動脈病変、外傷、および心疾患を選択することとした。

公開日・更新日

公開日
2008-04-03
更新日
-