医療放射線の安全確保に関する研究

文献情報

文献番号
200732073A
報告書区分
総括
研究課題名
医療放射線の安全確保に関する研究
課題番号
H19-医療-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
細野 眞(近畿大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 岡野友宏(昭和大学 歯学部)
  • 成田浩人(東京慈恵会医科大学 附属病院)
  • 山口一郎(国立保健医療科学院)
  • 大場久照(弘前大学大学院 保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療分野の放射線の利用においては、利益とリスクのバランスの上に正当化がなされ、医療の目的に合った最適化がなされることが求められる。このために、放射線診療で患者が受ける線量を適正なものに保つことが重要であり、このために診断参考レベルを作成し提示することが必要である。本研究では、患者が受ける線量の評価法について検討を行い、診断参考レベルを策定する。また、放射線機器の品質保証、放射線診療全般の患者線量の把握、放射線機器使用に係る職員研修、患者への説明のあり方、についても検討を行う。

研究方法
エックス線CT診療の最適化における診断能確保と線量低減に関する課題、エックス線診療線量の測定とその全国実施の手法に関する課題、中長期的に展望する医療放射線の安全規制に関する課題、歯科診療におけるX線検査の診断参考レベルの設定と品質保証計画の策定、医科領域の診断参考レベルの検討、放射線機器の保守点検のあり方に関する検討、放射線診療全般で患者が受ける放射線の量の把握・放射線診療の説明のあり方に関する研究、放射線診療機器の安全使用に係る職員研修用マニュアル策定に関する調査研究、X線診療室の遮へい評価法に関する基礎的研究、日本における医科領域の診断参考レベル設定に関する調査研究、等の基本的な諸課題を分担して、基礎的検証、実態調査、文献検討によって研究を実施した。
結果と考察
我が国の医療における放射線利用の現状を把握し、正当化と最適化を実現するための基礎的事項を示した。診断参考レベルについて詳細な考察を行い、これが放射線診断において患者線量を適正に保つための実用的な道具であること、また個々の症例に適応されるというよりはその医療機関の総体的な線量が基準レベルより高いか低いかを見きわめ適正な放射線診療に導く手段である、という原則を確認した。この認識に立って、線量測定法について考察し、歯科領域、医科領域の診断参考レベルを示した。医療機器の保守点検と品質保証、放射線安全に係る職員研修、患者との良好なコミュニケーションについても検討し指針を示した。
結論
放射線医療の有効かつ安全な施行に向けて指針となる事項を示すことができた。本研究当初の目的通り、これらの成果を行政、関連機関、関連学会等を通じて国内の放射線診療の関係者に提示し、安全確保に役立てることができると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-