安全な取穴のための経穴周囲の臨床解剖教材の作成

文献情報

文献番号
200732063A
報告書区分
総括
研究課題名
安全な取穴のための経穴周囲の臨床解剖教材の作成
課題番号
H18-医療-一般-039
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
白石 尚基(杏林大学医学部 解剖学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 松村讓兒(杏林大学医学部 解剖学教室 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、ますます人口の高齢化が進む中、いわゆる統合医療、なかでも特に東洋医学に対する関心が高まっている。一方、医学教育における東洋医学に対する認識は、近年、多くの日本の大学医学教育のなかで啓蒙が図られているが、いまだ卒前教育、卒後教育ともに適切であるとはいえない。特に、鍼灸治療においては、経穴とその周囲に存在する組織や構造を立体的に理解させるに足る解剖学的情報ならびにその教育法はきわめて少ない。このため、全経穴のうち、臨床上頻用するものを選択し、その教育用ソフトウェアの作成を行った。
研究方法
本研究では、まず、医学部の解剖実習用遺体を用い、臨床経験が十分な針灸師が実際の臨床現場で用いる常用経穴を取穴した。取穴に際しては、日本経穴委員会が作成した“標準経穴学”(医歯薬出版刊)における取穴法を基準にした。その経穴に対して、申請者は実体顕微鏡下で鍼の到達深度等を計測しながら、剖出・展開を行い、展開部ごとの高精度デジタル写真撮影を行った。以上の解剖実習用遺体からのデータ収集・蓄積が平成18年度の主な作業であった。平成19年度には、解剖した経穴のデジタル写真を経絡別に配列して、DVD-ROMによる教材を開発した。
結果と考察
本研究により、鍼灸教育における頻用経穴に対する安全な取穴技術獲得とその標準化に資するものが完成した。本研究で得られた資料を応用して、視覚障害者にも利用可能な音響教材やインターネット上でのコンテンツ作成やデータベース作成も可能と考える。全国の鍼灸教育において、標準的な取穴法を習得する点に資するだけではなく、従来の体表解剖を主とした教育だけでは十分理解を深めることが難しい経穴の内部や周辺構造を詳細に理解することができ、鍼灸治療を行う者のみならず、鍼灸治療を求める患者にも大きな利益をもたらすこと大と考える。
結論
現在の鍼灸治療・教育においては、経穴とその周囲に存在する組織や構造を立体的に理解させるに足る十分な解剖学的情報ならびにその教育法が極めて少ない。今回の研究により、臨床解剖学に立脚したevidence basedな取穴法を標準化して教育を推進することが可能になることは大きな利点として挙げられる。鍼灸治療に従事することが多い視覚障害者の教育・研修におけるバリアフリーの教育環境の整備を視野に入れてデータベースを作成できる点についても、従来の教育手法にみない極めて優れた点であると考える。

公開日・更新日

公開日
2008-04-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200732063B
報告書区分
総合
研究課題名
安全な取穴のための経穴周囲の臨床解剖教材の作成
課題番号
H18-医療-一般-039
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
白石 尚基(杏林大学医学部 解剖学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 松村 讓兒(杏林大学医学部 解剖学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、ますます人口の高齢化が進む中、いわゆる統合医療、なかでも特に東洋医学に対する関心が高まっている。一方、医学教育における東洋医学に対する認識は、近年、多くの日本の大学医学教育のなかで啓蒙が図られているが、いまだ卒前教育、卒後教育ともに適切であるとはいえない。特に、鍼灸治療においては、経穴とその周囲に存在する組織や構造を立体的に理解させるに足る解剖学的情報ならびにその教育法はきわめて少ない。このため、全経穴のうち、臨床上頻用するものを選択し、その教育用ソフトウェアの作成とデータベースの作成を行った。
研究方法
本研究では、医学部の解剖実習用遺体を用い、臨床経験が十分な針灸師が実際の臨床現場で用いる常用経約穴約40箇所を取穴した。取穴に際しては、日本経穴委員会が作成した“標準経穴学”(医歯薬出版刊)における取穴法を基準にした。その経穴に対して、申請者は実体顕微鏡下で鍼の到達深度等を計測しながら、剖出・展開を行い、展開部ごとの高精度デジタル写真撮影を行った。以上の解剖実習用遺体からのデータ収集・蓄積が平成18年度の主な作業であった。平成19年度には、解剖した経穴のデジタル写真を経絡別に配列して、DVD-ROMによる教材とデータベースを開発した。
結果と考察
本研究により、鍼灸教育における頻用経穴に対する安全な取穴技術獲得とその標準化に資するものが完成した。本研究で得られた資料を応用して、視覚障害者にも利用可能な音響教材やインターネット上でのコンテンツ作成や更に容量の大きなデータベースの作成も可能と考える。全国の鍼灸医学教育において、標準的な取穴法を習得する点に資するだけではなく、従来の体表解剖を主とした教育だけでは十分理解を深めることが難しい経穴の内部や周辺構造を詳細に理解することができ、鍼灸治療を行う者のみならず、鍼灸治療を求める患者にも大きな利益をもたらすこと大と考える。
結論
現在の鍼灸治療・教育においては、経穴とその周囲に存在する組織や構造を立体的に理解させるに足る十分な解剖学的情報ならびにその教育法が極めて少ない。今回の研究により、臨床解剖学に立脚したevidence basedな取穴法を標準化して教育を推進することが可能になることは大きな利点として挙げられる。鍼灸治療に従事することが多い視覚障害者の教育・研修におけるバリアフリーの教育環境の整備を視野に入れて新たなコンテンツを作成できる点についても、従来の教育手法にみない極めて優れた点であると考える。

公開日・更新日

公開日
2008-04-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732063C