医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究「医療安全を目的とした電子カルテシステムのユーザビリティ評価とユーザーインターフェースガイドライン構築」

文献情報

文献番号
200732050A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究「医療安全を目的とした電子カルテシステムのユーザビリティ評価とユーザーインターフェースガイドライン構築」
課題番号
H18-医療-一般-026
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山野邉 裕二(国立成育医療センター病院医療情報室)
研究分担者(所属機関)
  • 本多 正幸(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 総合診療情報科学)
  • 相澤 志優(国立成育医療センター病院医療情報室 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「電子カルテシステムのグラフィカルユーザーインターフェースの基礎的ガイドライン」を作成するにあたり、前年度まで研究で収集したビデオなどの電子カルテシステムの操作記録素材を再度分析した。ある製品の操作記録素材をレビューしながら得られた新たな問題点をトリガーとして、他の製品の操作記録についてもチェックを追加する、フィードバックサイクルの確立を目的とした。
研究方法
 我が国の病院向け電子カルテのシェア上位を占めるベンダのうち、本研究に協力の得られた3社(富士通、日本電機、日立製作所)と、インターネットブラウザをクライアントとする電子カルテ製品を販売する2社(アピウス、グローバルソフトウェア)の製品について、一定のシナリオに基づいた操作をビデオ記録し、各製品について既定のチェック項目の評価を行った。
 操作の記録においては、電子カルテ操作研修に準拠したシナリオを用い、録画素材を再生しながら、下記の項目について、各製品を評価した。
結果と考察
見直し設定した評価項目に基づいて各社製品の操作性を再検討し、それをもとにして「電子カルテシステムのグラフィカルユーザーインターフェースの基礎的ガイドライン」を作成した。
従来のヒューリスティックなユーザビリティテストでは、一度決めたチェックリストにしたがって一連の操作を分析していたが、今年度の研究ではアジャイルなヒューリスティック分析ができるようになった。
このような分析手法の改善により、1年目の研究でも見逃していた、下線属性による患者誤認の可能性、取消線属性による記述内容の混乱など、医療安全上の問題点が新たに発見され、重要な推奨項目としてガイドラインに追加することができた。
結論
 従来行ってきた電子カルテシステムのユーザビリティ評価項目の改善にあたり、ビデオ画像を高性能なパソコン上で同時に比較再生可能とすることにより、項目の追加・映像の分析・結果の整理・ガイドラインの改定といった一連の作業の効率化が達成された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
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