フッ化物応用による歯科疾患予防プログラムの構築と社会経済的評価に関する総合的研究

文献情報

文献番号
200732043A
報告書区分
総括
研究課題名
フッ化物応用による歯科疾患予防プログラムの構築と社会経済的評価に関する総合的研究
課題番号
H18-医療-一般-019
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
眞木 吉信(東京歯科大学 衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中垣晴男(愛知学院大学歯学部 口腔衛生学講座)
  • 西牟田守(国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム)
  • 小林清吾(日本大学松戸歯学部 社会口腔保健学)
  • 高橋信博(東北大学歯学研究科口腔生物学講座 口腔生化学)
  • 花田信弘(国立保健医療科学院 口腔保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、口腔保健におけるフッ化物応用を3つの場面、すなわち、①コミュニテイ・ケア、②プロフェッショナル・ケアおよび③セルフ(ホーム)・ケアに分けて、それぞれ生涯を通したフッ化物応用の齲蝕予防プログラムを構築するとともに歯学、医学および栄養学的立場から、その健康リスクとベネフィットを評価することにした。
研究方法
本研究は以下の4課題を実験、調査、疫学、ヘルスプロモションの手法で実施した。
研究課題1:コミュニテイ・ケアにおけるフッ化物応用プログラム
研究課題2:フッ化物応用による予防プログラムの確立
研究課題3:セルフ・ケアとしてのフッ化物応用による予防プログラム
研究課題4:リスクコミュニケーションの手法による保健政策プロセスの構築

結果と考察
日本人のフッ化物摂取基準については、「日本人におけるフッ化物摂取基準(案)」を日本口腔衛生学会で承認支援の手続き行い、その結果、若干の修正・追加を行い、承認支援された。
その後、健康リスクやフッ化物の平衡摂取量の実験も行った。
フッ化物局所応用のう蝕予防プログラムでは、ライフステージに応じたフッ化物応用プログラムの試案を提示するとともに、その構築の基礎となる実験研究を行った。高濃度フッ化物のう蝕原生菌および歯周病菌の生存抑制率の検討、根面でのフッ化物徐放性システムの接着安定性やフッ化物徐放性S-PRGフィラー根管の評価を行い、臨床での重要な示唆を得た。
フッ化物洗口剤のOTC化に関して、フッ化物洗口液の認可と販売に関する欧米諸国の調査を実施し、改正薬事法によるフッ化物洗口液のOTC化の可能性を探った。リスク心理学の立場から、フロリデーションの普及を目的としたDVDを作成した。さらに、医療倫理学の立場から、一つの地域を対象としたフロリデーションのリスクコミュニケーションのあり方を検討した。
結論
本年度の研究成果から、「日本人におけるフッ化物摂取基準(案)」を提示し、日本口腔衛生学会の承認を得た。また、フッ化物局所応用における各種フッ化物製材の特性を吟味し、臨床応用の基礎情報を示唆した。また、フロリデーションの市民向けのDVDを作成し、フッ化物応用の推進に寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-06-22
更新日
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