試験問題プール制の推進等国家試験の改善に係る研究

文献情報

文献番号
200732042A
報告書区分
総括
研究課題名
試験問題プール制の推進等国家試験の改善に係る研究
課題番号
H18-医療-一般-018
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
相川 直樹(慶應義塾大学医学部救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 畑尾 正彦(日本赤十字武蔵野短期大学成人看護学)
  • 伴 信太郎(名古屋大学医学部附属病院総合診療医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
1,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師国家試験(国試)は定期的に改善されているが、「国試改善検討委員会報告書」で臨床実技試験(OSCE)の客観的評価手法の確立、試験問題プール制の導入等の課題が指摘された。これらを総合的に検討し国試の更なる改善に資する。
試験問題プール制推進のために良質な公募問題を収集する方策を策定する。OSCE実施に関する研究では「国試OSCEの指針」をもとに国試レベルOSCEトライアルを実施、検証を通じてOSCEの客観的評価手法の確立とOSCEの普及啓発を図る。本年度は、Advanced OSCEの評価の信頼性について検討する。また、韓国で2008年に実施予定である国試実技試験の計画を調査して、将来わが国で施行する場合の参考とする。
研究方法
良質な公募問題を収集するために、前年度に作成した「Web公募システムチェックリスト」を推敲して「チェックリスト改訂版」を作成した。改訂版を次回の公募時に試用し、その効果を次年度にまとめる。国試の実技試験に必要な評価の信頼性を検討するために、Advanced OSCEの評価データを解析した。また実技試験で評価すべき事項の標準化と普及を図るために、臨床研修開始時に必要な臨床能力について研修医を対象にアンケート調査を行った。上記の研究結果について班会議で検討した。
結果と考察
「チェックリスト改訂版」の効果検討のために、それを使用する施設と非使用施設を比較する計画をたてた。Advanced OSCEの評価データを解析し、評価すべき事項の標準化と普及を図るために臨床研修開始時に必要な臨床能力について調査した結果、評価データから算出した一般化可能性係数から、6種類のステーションと各ステーションの評価者3名のOSCEで信頼性が確保されると判断された。アンケート調査では、最も多くの回答者が必要であるとしたのは、54項目中、「静脈採血」や「注射」など日常診療場面でしばしば行われる一般的臨床実技11項目であった。
韓国では2009年10月からの実技試験の導入を決定している。 試験場は1か箇所で、12課題、1回の試験は160分、53日間で実施予定。通知は合否のみなどの詳細情報を入手した。
結論
「Web公募システムチェックリスト」を活用して良質の公募問題を収集する。Advanced OSCEについての諸課題を解決し、韓国の前例を参考にして近い将来の導入に資する。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
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