安全性の高い療養環境及び作業環境の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200732035A
報告書区分
総括
研究課題名
安全性の高い療養環境及び作業環境の確立に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小林 寛伊(東京医療保健大学)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 憲(東京医療保健大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2007年4月の医療法ならびに同施行規則の一部改正に基づいて、無床診療所を含む総ての医療施設における感染制御策の充実がはかられることとなった。安全性の高い療養環境及び作業環境の確立という観点から、院内感染(病院感染)を捉えて、中小病院/有床診療所・無床診療所における院内感染対策の充実をはかる必要がある。
研究方法
 2006年度の成果としての中小病院/診療所を対象にした医療関連感染制御策指針(案)、小規模病院/有床診療所施設内指針(案)、無床診療所施設内指針(案)の3指針案は、日本医師会、ならびに、各地区医師会によって、具体的な施設内指針(マニュアル)例の作成の資料として活用され、現場の日常業務に供された。その結果、各分野からのパブリックコメントを求めて、3指針(案)の改善の為の検討をおこなった。
結果と考察
 2007年度には、より実効的かつ使いやすい指針案として“中小病院/診療所を対象にした医療関連感染制御策指針(第2次案2008)”を作成した。
 この指針には、 “資料1.ラウンド時チェック項目の例”として、インフェクションコントロールチーム(ICT)が病棟等のラウンドをおこなう際に、特に注目して介入すべき項目を整理して、例示した。また、日本環境感染学会教育認定委員会の議を経て、“資料2.日本環境感染学会教育認定施設相談窓口一覧”を作成し、感染制御に関する相談を容易にするシステムを構築した。
 日本における感染制御学の専門職は、比較的大病院に偏在しているが、中小の施設においても、感染制御策を有効に実践して、患者サービス向上を目指す姿勢は強い。
 このような状況下において、本研究の成果は、日本の全国的感染制御策向上に寄与するものと考える。
 施設規模を考慮した指針(ガイドライン)、あるいは、施設内指針(マニュアル)は、世界にも類を見ず、その成果が期待される。医療法ならびに同施行規則に示された施策の実現に大きく役立つものである。

結論
 本研究によって示された、3つの指針案(第2次案2008)は、更に実用に供しつつ評価を求めて検討を重ね、実践的、効率的感染制御策として改善されていくことにより、安全性の向上、そして患者サービスの向上、更には国家的医療費節減に役立つこと多大となるであろう。

公開日・更新日

公開日
2008-04-17
更新日
-