安全な保健医療情報流通を促進する保健医療認証基盤整備の技術的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200732020A
報告書区分
総括
研究課題名
安全な保健医療情報流通を促進する保健医療認証基盤整備の技術的方策に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(東京工業大学像情報工学研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(東京工業大学統合研究院)
  • 八幡 勝也(産業医科大学産業生態科学研究所)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部付属病院)
  • 秋山 昌範(東京医科大学医学部医療情報部)
  • 石垣 武男(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環)
  • 梅田 徳男(北里大学医療衛生学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々は、これまでに保健医療福祉分野の情報化において必須となる電子的な認証、特に医師・看護婦等の資格認証の必要性を示し、電子認証の実施方法や問題点の調査・検討を行ってきたが、本研究では、通信回線上や医療機関内部における個人情報・医療情報等の安全性を確保する技術について研究開発を進めるとともに、保健医療福祉分野における情報の安全な流通を保証するネットワーク基盤を構築・運用する方策について検討する。
研究方法
工学者及び医師らの研究分担者からなる研究班として、保健、医療、福祉の各分野における情報化推進にあたっている専門家を中心として組織し、委員会を開催して各分野における電子化の状況や情報保護に対する取り組みを調査し、安全に医療情報を取り扱うための課題の抽出と実現方法の検討を行った。さらに、安全なネットワーク基盤構築に関する検討を行っている諸機関・グループとの情報交換・連携を行い、今後、医療分野における共通ネットワーク基盤にするための方策を検討した。
結果と考察
保健医療福祉分野の情報交換を安全に行うには、オンデマンドVPN(OD-VPN)を利用して医療機関のみ接続可能なネットワーク基盤を構築すること、またヘルスケアPKIを利用した資格認証によって医療情報を取り扱う者の医療従事者としての正当性を保証することが重要である。今年度は、昨年度までに検討したOD-VPNやHPKIに基づく認証基盤の具体的なサービスモデルとして、電子私書箱の利用を前提とした個人保健医療情報管理システムを提案し、健診データを提供・参照する実験システムを構築した。このシステムによって安全・安心な情報流通が可能であることを実験的に確認した。
結論
本研究では、OD-VPNやHPKI等のセキュリティ技術を応用することで、個人健康医療情報の安全な流通を促進するシステムモデルを提案した。また現在政府で検討が進められている電子私書箱や社会保障カードと連携することで、安全・安心な保健医療情報の流通が可能であることを示した。住基カード及び公的個人認証サービスの普及など、実施に向けた環境は整いつつある。近年、電子カルテによる医療機関連携の運用も進んでいることから、PKIに基づく個人および資格認証やOD-VPNの仕組みを早急に確立することが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2008-07-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200732020B
報告書区分
総合
研究課題名
安全な保健医療情報流通を促進する保健医療認証基盤整備の技術的方策に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(東京工業大学像情報工学研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(東京工業大学統合研究院)
  • 土屋 文人(東京医科歯科大学歯学部付属病院)
  • 八幡 勝也(産業医科大学産業生態科学研究所)
  • 秋山 昌範(東京医科大学医学部医療情報部)
  • 石垣 武男(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環)
  • 梅田 徳男(北里大学医療衛生学部)
  • 高橋 紘士(立教大学コミュニティ福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
安全な保健医療情報の流通をネットワーク経由で行うためには、医療データ等を使用する者の正当性を認証すること及び、通信回線上や医療機関内での医療データ等の保護を実現することが重要である。我々は、これまでに保健医療福祉分野の情報化において必須となる電子的な認証、特に医師・看護婦等の資格認証の必要性を示し、電子認証の実施方法や問題点の調査・検討を行ってきたが、本研究では、通信回線上や医療機関内部における個人情報・医療情報等の安全性を確保する技術について研究開発を進めるとともに、保健医療福祉分野における情報の安全な流通を保証するネットワーク基盤を構築・運用する方策について検討する。
研究方法
工学者及び医師らの研究分担者からなる研究班として、保健、医療、福祉の各分野における情報化推進にあたっている専門家を中心として組織し、委員会を開催して各分野における電子化の状況や情報保護に対する取り組みを調査し、安全に医療情報を取り扱うための課題の抽出と実現方法の検討を行った。さらに、安全なネットワーク基盤構築に関する検討を行っている諸機関・グループとの情報交換・連携を行い、今後、医療分野における共通ネットワーク基盤にするための方策を検討した。
結果と考察
保健医療福祉分野の情報交換を安全に行うための要件について整理した結果、オンデマンドVPNを利用して医療機関のみ接続可能なネットワーク基盤を構築すること、またヘルスケアPKIを利用した電子的な資格認証によって医療情報を取り扱う者の医療従事者としての正当性を保証することが重要であることを明らかにした。またオンデマンドVPNやHPKIに基づく認証基盤の具体的なサービスモデルとして、電子私書箱の利用を前提とした個人保健医療情報管理システムのモデルを提案し、健診データを提供・参照するプロトタイプシステムを構築した。このシステムによって安全・安心な情報流通が可能であることを実験的に示した。
結論
本研究では、保健医療福祉分野の電子認証を実施する方策を検討し、実現に向けた課題を明らかにした上で、オンデマンドVPNやHPKI等のセキュリティ技術の有効性を示し、また電子私書箱や社会保障カードと連携することで安全・安心な保健医療情報の流通が可能であることを確認した。住基カード及び公的個人認証サービスの普及など、実施に向けた環境は整いつつある。近年、電子カルテによる医療機関連携の運用も進んでいることから、PKIに基づく個人および資格認証やオンデマンドVPNの仕組みを早急に確立することが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2008-07-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732020C