歯科医師国家試験における実技試験の客観的評価に向けたシミュレーション・システムの開発

文献情報

文献番号
200732015A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医師国家試験における実技試験の客観的評価に向けたシミュレーション・システムの開発
課題番号
H17-医療-一般-018
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
川添 堯彬(大阪歯科大学 有歯補綴咬合学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 隆(昭和大学歯学部 )
  • 天笠 光雄(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究所)
  • 道脇 幸博(武蔵野赤十字病院)
  • 槇 宏太郎(昭和大学歯学部)
  • 鶴本 明久(鶴見大学歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために必要な要件や問題点を抽出し,適切で実現可能な試験方法ならびに評価方法を確立すること,および将来の試験媒体として新たなシミュレーション・システムの可能性を検討する。
研究方法
1.客観性を担保した実技試験の確立
下顎右側第一大臼歯への全部鋳造冠の支台歯形成の作品を、教員9名で段階評価した。また、3次元的に形態をCLINSIMによって評価し、教員評価と比較した。 
CAD/CAM技術を応用した歯列評価法の検討として、3次元計測器DECSY SCANの開発を目指した。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
シミュレーション研究の中から、選択して内容を検討した。
実技試験用のシミュレーション模型群の開発において、物理学的な指標を計測結果を踏まえて素材を変更した。
歯科医師国家試験に応用可能な歯科用POMRの開発において、臨床の現場で試行した。
患者ロボットの教育効果の評価を行うとともに、左腕の払いのけ動作、問診用会話プログラムの多様化、局所麻酔時の患者疼痛反応システムの開発を行った。
結果と考察
1.客観性を担保した実技試験の確立
CLINSIMによる評価と教員評価との比較において、軸面削除量は強い相関を示した。
ソフトウエアの開発により、3次元計測データの汎用性と精度を向上できた。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
病態を再現したシミュレーション模型とレントゲン写真、当該モデル患者に関する模擬診療録を配布することで、臨床の流れに沿った実技試験が可能と考えられた。
開発した口腔・顎・顔面ファントムは、内容妥当性や公平性を実現する。歯科用POMRは、実技試験において利用でき、公平性の高い一括採点が可能である。
全身モデルを有し、計36自由度をもつヒューマノイド患者ロボットを開発できた。
結論
CCDカメラとコンピュータを応用した顎模型教育システム,電子回路を導入した模型,あるいは軟組織を付与した病態模型など,新しい世代の教育システムなど進歩をみた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200732015B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科医師国家試験における実技試験の客観的評価に向けたシミュレーション・システムの開発
課題番号
H17-医療-一般-018
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
川添 堯彬(大阪歯科大学 有歯補綴咬合学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 隆(昭和大学 歯学部)
  • 天笠 光雄(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究所)
  • 道脇 幸博(武蔵野赤十字病院)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
  • 鶴本 明久(鶴見大学 歯学部)
  • 斎藤 毅(日本大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために必要な要件や問題点を抽出し,適切で実現可能な試験方法ならびに評価方法を確立すること,および将来の試験媒体として新たなシミュレーション・システムの可能性を検討する。
研究方法
1.客観性を担保した実技試験の確立
判定の一致性、評価項目の信頼性、標準化データの標準化、CADシステムによる支台歯形態の3次元計測と機械的自動判定、サンプルの連続計測への改良と情報の管理、CLINSIMと教員の評価の対比を検討した。
市場に出て教育の現場で活用されている3種類のシステムについてのリサーチと共に、CAD/CAM技術を応用した歯列評価法の検討として3次元計測器DECSY SCANの開発を目指した。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
シミュレーション研究の中から選択して、保存系3分野で検討した。
実技試験用のシミュレーション模型群を開発し、歯科用POMRを臨床の現場で試行した。
患者ロボットの教育効果の評価を行うとともに、舌運動の高次化と動作の安定性の向上を図った。
結果と考察
1.客観性を担保した実技試験の確立
標準化データ(平均値50点,1SD10点)による評価は比較的評価者間や課題間のバラツキを修正する方法としての有用性が示された。
形成済みの人工歯を、自動フィーダおよび自動取り付け治具を開発し、受験生3000名の場合,2台の計測システムを使って13時間で測定でき、電子タグに情報を記録する。
CLINSIMによる評価と教員評価との比較において、軸面削除量は強い相関を示した。
市販の3システムと1つの試作システムを用いた比較検討を行う場合、測定精度など同じ土俵に乗せた評価はできなかった。
2.試験媒体としてシミュレーション・システムの開発
病態を再現したシミュレーション模型とレントゲン写真、当該モデル患者に関する模擬診療録を配布することで、臨床の流れに沿った実技試験が可能と考えられた。
開発した口腔・顎・顔面ファントムは、内容妥当性や公平性を実現する。歯科用POMRは、実技試験において利用でき、公平性の高い一括採点が可能である。
全身モデルを有し、計36自由度(舌、開閉口、首、眼球、胸部、右肘など)をもつヒューマノイド患者ロボットを開発できた。その教育的有用性がアンケート調査で示された。
結論
CCDカメラとコンピュータを応用した顎模型教育システム,電子回路を導入した模型,あるいは軟組織を付与した病態模型など,新しい世代の教育システムなど進歩をみた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732015C

成果

専門的・学術的観点からの成果
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために必要な要件や問題点を抽出し,適切で実現可能な試験方法ならびに評価方法を検討した。
臨床的観点からの成果
社会環境の変化や患者の意識の変化によって歯学部教育における臨床実習が困難になり,それに伴って歯科医師国家試験合格者の臨床技能の低下が指摘されている。将来の試験媒体として新たなシミュレーション・システムの可能性を検討した。
ガイドライン等の開発
該当なし。
その他行政的観点からの成果
該当なし。
その他のインパクト
該当なし。

発表件数

原著論文(和文)
5件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
14件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計1件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
道脇幸博、南雲正男
PBLを応用したグループ学習と症例発表による自己学習の促進‐講義形式との比較‐
日本歯科医学教育学会雑誌 , 21 , 9-16  (2006)
原著論文2
道脇幸博、斎藤 毅、川添堯彬、田中昌博、花田晃治 
社会保険上の請求頻度と卒前ファントム実習からみた基本的なテクニカルスキル
日本歯科医学教育学会雑誌 , 21 , 17-22  (2006)
原著論文3
間所 睦、宮崎芳和、槇宏太郎、高信英明、高西淳夫
歯科臨床教育用患者ロボットの開発による教育・評価システム
日本歯科医学教育学会雑誌 , 23 , 24-32  (2007)
原著論文4
上田奈穂子、道脇幸博、河相安彦、田中 徹、矢崎貴啓、天笠光雄、斎藤 毅、田中昌博、川添堯彬
患者と医療スタッフ間の連携を目指す歯科用POMR‐第1報 開発と運用の実際‐
日本歯科医療管理学会雑誌 , 42 (4) , 240-250  (2008)
原著論文5
河相安彦、道脇幸博、上田奈穂子、田中 徹、天笠光雄、斎藤 毅、田中昌博、川添堯彬
患者と医療スタッフ間の連携を目指す歯科用POMR‐第2報 歯科用POMRの導入による診療録の質の向上‐
日本歯科医療管理学会雑誌 , 42 (4) , 251-259  (2008)

公開日・更新日

公開日
2020-05-27
更新日
-