プリオン病2次感染に対する現実的滅菌法の開発研究

文献情報

文献番号
200731061A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病2次感染に対する現実的滅菌法の開発研究
課題番号
H19-難治-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
北本 哲之(東北大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 毛利 資郎(独立行政法人 農業.食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所)
  • 秋田 定伯(長崎大学医学部・歯学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
33,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
プリオン病の2次感染に対する現実的滅菌法を樹立することが本研究の目的である。
研究方法
SDS滅菌法
○ヒトプリオンを使った滅菌法
わが国のCJDサーベイランスによって最も多いCJDのMM1のプリオンを用いてヒトプリオンに対して高い感受性を示すKi-ChMマウスを用いて感染実験を行った。
○SDSによる器具の耐久性試験:定量
注射針の切れ味を定量化することによって、3%SDS煮沸と蒸留水での煮沸で注射針の切れ味を比較検討した。
○SDSによる器具の耐久性試験:定性
SDS耐久性試験のもうひとつの検討方法は、直接注射針を走査型電子顕微鏡で観察するという方法をとった。
諸外国での情報収集
バイオアッセイ法の改良
結果と考察
SDS滅菌法
○ヒトプリオンを使った滅菌法
○SDSによる器具の耐久性試験:定量
3%SDS煮沸と蒸留水での煮沸で注射針の切れ味を比較検討したところ、蒸留水煮沸と3%SDS煮沸による違いは検出できなかった。
○SDSによる器具の耐久性試験:定性
SDS煮沸を繰り返し単に流水中で注射針を洗うだけではSDSの析出物が注射針に付着してくることが明らかとなった。しかし、SDS処理後に注射針を超音波にて洗浄することによって秋田らの報告した析出物が確認されず、蒸留水で煮沸した針と形態的には変化のないことが報告された。

バイオアッセイ法の改良を行いつつある
結論
本年度、明らかになった最大の成果は、プリオン滅菌に有効なSDS煮沸を50回繰り返してもステンレス注射針の切れ味、超微形態が蒸留水煮沸となんら変わらず、ほとんど腐食しないということが明かとなった。
さらに、SDS滅菌後に通常の流水洗浄ではSDS成分が残存するが、超音波洗浄をおこなうとこのようなSDS残存を防ぐことを明かとした。

公開日・更新日

公開日
2008-05-13
更新日
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